では、まとめていきましょう。
Galaxy Tab S10 FE+は、13.1型の大画面と上位機Sシリーズの上質さや体験を引き継ぎながら、上位機と比べて大幅に手にしやすい価格を実現したタブレットです。S10+などの上位機に対する主な妥協点は、SoCの性能と有機ELディスプレイの非採用ですが、性能は数年前のハイエンドに近いため十分実用的で、液晶ディスプレイはパネルメーカーのサムスンらしい上質な見栄えで、主にタブレットが得意とする用途において、高い満足感を伴って利用できます。
この時点で、ある程度価格と折り合いやすくなっているだけでなく、液タブに近い性能を提供するSペンが追加の費用なく入手できるのも大きな利点です。勉強やノート取りにペンを多用したい人や、イラスト用途を見込んでいる人は、上記以上のバリューを感じられることでしょう。
ただし、あくまで最上位機から狙いを定めて妥協を盛り込んだのが本機です。HDR映像をバキバキの表示で楽しみたいとか、最新のゲームで設定を妥協せず楽しみたいとか、映像製作などに使いたいというような処理が重めの要求がある場合は、有機ELディスプレイ、より高性能なチップ、より大きいストレージを搭載した別のモデルを検討するのが良いでしょう。
また、クリエイティブ用途/イラスト用途においては、iPadシリーズの方がメジャーなので、アプリの選択肢や品質において同等とまでは言えません。CLIP STUIDO PAINTを使うつもりならば心配ないですが、それ以外のアプリや、他にやりたいことがあるのなら検討時に吟味しておくのが良さそうです。
13.1型の「FE+」は、タブレットとしては大きく重いため、家でガッツリ使いたい人や、イラスト製作を重視したい人に合っています。出先で使ったり、家の中でも手軽に運んだり手に持って使いたい人は10.9型の「FE」を優先して検討すると良いでしょう。
いやー、愛用しているTab S8+は当面は万全に使えるとして、くたびれてきたらどうするか迷っているという個人的な事情でじっくりめにレビューしましたが、やはりこのシリーズが筆頭の選択肢になりそうです。
長時間画面オンのままにしたり、バッテリー駆動で長く使っていたりしたいので、液晶ディスプレイとバッテリー持続時間に優れたFEシリーズの方が元々自分の用途に合っています。手持ちのペンもそのまま使えますしね。
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