さて、やっと本題です。ペンをチェックしていきましょう。本機には「Sペン」が付属しており、ワコムの電磁気センサー方式を採用しています。
本機のSペンはBluetoothでリモコン的に使える機能が削除され、普通のバッテリーレスのペンになりました。側面だけでなく、従来は充電機構があった背面にも装着できます。
タブレット端末の筆圧ペンは、タッチセンサーを流用してコストを節約できる静電気センサー方式を採用する端末がほとんどですが、イラストをちゃんと描こうとすると不満が残る場合が多いです。ここが、ワコムの電磁気センサーを内蔵したGalaxy Tab Sシリーズがイラスト用途において他の製品から抜きん出たポイントです。
また、手持ちのペンの中ではTab S8+付属ペンだけでなく、旧「Wacom One 13」用のペンと、現行「Wacom One 液晶ペンタブレット」用のペンで描くこともできました。
ペンの性能も一通りチェックしました。もう問題ない点は細かく書きませんが、ジッターは問題なし、遅延も問題なし、かなり強い筆圧まで反応でき、軽い筆圧にもよく反応していました。
このタイプのペンは、昔はもう少し軽い筆圧に唐突感があったと記憶していますが、今回はプロペン2のデフォルト設定ぐらいの軽い筆圧でも反応してくれて、意外と自然に濃さを調節しながら描けます。
パームリジェクションも良好で、手の側面をべたっと置くときによく除外してくれるだけでなく、ペンのホバー中に除外する処理も効果的に働いており、描き始めるときにペン先から手を入れる癖をつけていればまず誤爆することはないです。
また、ペン先が非常に細いため細かい部分が描きやすく、シャープペンシルで書く細かい文字のような、デジタルペンで苦労しやすい使い方にも容易に対応できます。
先述のWacom One 液晶ペンタブレット用のペンについては、サムスン電子ジャパンとしては使えると言っていないので自己責任になりますが、自分も含めて、持ちやすく描きやすいペンとして利用している人も少なからずいるようです。
付属のペンと比べると、筆圧レスポンスが若干変わるのでブラシの濃さを変える必要はあるものの、描きやすいだけでなく実売4000円前後という安価で、リアキャップが付属しないバリエーションはさらに安く買えてしまいます。ペンを落として壊したりなくしがちな人は特にうれしいかもしれません。
ところで、手元のiPad Proがそろそろ買い換え時期かな、という状況なのですが…… 対応するApple Pencilのモデルも変わるため買い換える必要があり、Apple Pencil Proは2万円以上もします。今回のような完成度の高いペンが安価に利用できることを知っているせいで、iPad購入検討の手が止まってしまうのです。悩ましいものですね……。
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