ここからは、ベンチマークのスコアを確認していこう。比較のために「GEEKOM A7」(Ryzen 9 7940HS/32GBメモリ)と「GEEKOM GT13 Pro」(Core i9-13900HK/32GBメモリ)、「ROG Flow Z13」(Core i9-13900H/16GBメモリ、GPUはIntel Iris Xe Graphicsを使用)のスコアも併記している。
まずはCPUの性能を測るCINEBENCH R23の結果だが、マルチコアで1万5381pts、シングルコアで2139ptsと好スコアだ。ただし、Core Ultra 9のスコアとしては、少し低めな印象だ。
CINEBENCH R23のテスト結果。HWiNFOでCPU温度を確認すると、ピーク温度が100度を超えており、これまでのGEEKOMのIntel Core搭載モデルと同じく、排熱が間に合わずにサーマルスロットリングが発生している。やはり、最近のIntel Coreをこのサイズのボディーに押し込むのは厳しくなっているようだPCの総合的な性能を計測するPCMark 10のスコアは7681だった。日常的なPC作業のEssentialは1万827、オフィス作業のProductivityは9723、写真や動画などのデジタルコンテンツ編集のDigital Content Creationは1万1682という結果になった。
このスコアであれば、一般的なオフィスユースで困ることはないはずだ。特にDigital Content Creationのスコアの高さが目を引く。Intel Coreプロセッサは、これまでAMDのRyzenシリーズと比べて内蔵GPUが劣るという印象だったが、少なくともこの結果を見る限り、Core Ultra 9内蔵のIntel Arc 140Tは、Ryzen 9 7940HS内蔵のRadeon 780M Graphicsを上回る性能を発揮しており、写真編集などは問題なくこなせそうだ。
グラフィックス性能を測る3DMarkのテスト結果は下記の通りだ。こちらの結果でもRyzen 9 7940HSに近いスコアになっており、高いゲーム性能を期待できる。
試しに、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONのベンチマークを実施したところ、軽量品質/1920×1080ピクセル/フルスクリーン設定で「5311(やや快適)」という結果になった。
同じ設定で、Ryzen 9 7940HSのGEEKOM GT13 Proは「2905(やや重い)」だったので、GT13 Proよりもゲーム性能は高そうだ。3DMarkでは大きな差は付かなかったが、CPU性能も影響しているのだろう。なお、解像度を1280×720ピクセルまで落とすと、軽量品質で「7451(快適)」になる。
サイバーパンク2077のゲーム内ベンチマークでは、プリセットを「低」でレイトレーシングをオフにすると、平均FPSは48.64となった。快適にプレイできるとは言えないが、かろうじてプレイできる範囲だ。
小さなボディーでCore Ultra 9 285Hの性能をフルに生かせているとは言えないが、それでも本機は十分な性能を持っている。オフィスユースはもちろんのこと、ゲーミングデバイスとしても活躍してくれるだろう。
別途ディスプレイなどをそろえる必要はあるが、それを含めても一世代前のゲーミングノートPCよりもかなり安く済ませることはできそうだ。USB4ポートも2基あり、拡張性も高い。
デスク回りにスペースがなく、デスクトップPCを置くスペースはないが、ノートPCは価格が高く拡張性も心許ないと感じている人にもぜひ試してほしい1台だ。
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