ここまでは、いわゆるオープンフレームを使った環境でのテストだったが、ここからはPCに組み込んだ状態でのベンチマークスコアや温度に変化があるのかを見ていく。
今回はMini-ITXのマザーボードを使ってPC組み立て、8TB SSDをシステムドライブとして取り付けてチェックした。
Mini-ITX環境ではSSDのそばに熱源として直下にチップセット、上にはCPU、下にはGeForce RTX4070 TI Super搭載のグラフィックスカードがあり、冷却としてはCPUクーラーとリアのケースファンのみという状態だ。
手持ちのGoProデータ(約260GB)をSSDにコピーし、その後にCドライブ内でコピーした。その際の速度と温度から見てみよう。動画データなのでコピーする速度はおおむね毎秒3.5GBほどで、温度はSensor 1が71度まで上がった。
次に合計で容量1.8TBのファイルをコピーしてみたところ、コピーしている途中の1TBを超えたあたりで転送速度が毎秒1GBほどに低下した。また、温度についてはSensor 1が85度まで上がった。一気にこのサイズをコピーする機会はあまりないと思うが覚えておこう。
なお、この後にもう一度単体のフォルダーをコピーした場合は最初と同じ速度が出ていた。
最後に、一部のゲームをインストールしSSDの使用領域を4.6TBほどにした状態で、改めて3DMark Storage Benchmarkテストを実施しゲームの読み込みに影響を与えるのかテストした。
上記のデータを入れる前の素の状態でも実行して比べたが、ほぼ変わらない結果となった。ゲームをしたり動画編集をしたり、ファイルダウンロードして消さずにどんどんファイルが増えていった場合でも、8TBの半分程度を使ったぐらいでは性能が落ちることはないようだ。
ベンチマーク程度だとグラフィックスカードによる温度影響は受けにくく、やはりストレージのベンチマークやファイルコピーなどで温度が上がる。しかし、サーマルスロットリングが起こるほどではなく、これなら実利用でも適切に冷却していればSSDの温度を気にする必要はないだろう。
単体のSSDで8TBというのは、コンシューマー向け製品では数が少なく、現時点でPCI Express 5.0対応モデルは本製品のみだ。マザーボードのPCIe 5.0対応スロットは、一般的に1基か2基となる。限られたスロットで高速にデータをやり取りしたい、特に動画データなどを数多く扱う場合でも、容量が足りないからと外部ストレージに移動させる必要もなくなる。
その点で、速度も容量も両立させたいという人には待望の製品だ。後は気になるのが価格だが、現時点で明らかなのは9月下旬に予約販売開始、10月前半に販売スタートという情報のみだ。決して安くはないだろうが、高速かつ8TBという大きな容量がこのサイズに収まっているという魅力は大きいだろう。
【追記】(2025年9月25日午前0時30分)
本製品の発売日は10月3日で、想定実売価格は14万7800円とのことだ。
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