既知の通り、Windows 10のサポートは10月14日で終了するが(EOS)、1年間サポート期間を延長する「ESU(Extended Security Update)」が用意されており、今すぐのタイミングでWindows 11に移行したくない、あるいはハードウェアが未対応のためPC買い換えまでの期間を今まで通り安全に使いたいと考えているユーザーは、延長された期間中はセキュリティアップデートを受け続けることが可能だ。
1年間のESUを受けるには30米ドルが必要になるが、この費用を無償にできる手段が2つほど用意されている。これらの方法や登録(Enroll)する方法については、こちらの記事を参考にするといいだろう。
前述の記事にあるように、ESUの利用には登録作業を経てMicrosoft アカウントとのひも付けが必要になるが、Windows Centralのザック・ボーデン氏によれば、ESUへのひも付けが完了したMicrosoft アカウント1つで最大10デバイスがカバー可能だという。
Windows 10が動作するPCを何十台も稼働させている一般ユーザーはそういないと思うが、法人向けのESUが1ユーザー1デバイス単位でカウントされることを考えれば、かなり良心的な施策だろう。
一方で、Microsoft アカウントへのひも付けが必須ということで、サインイン動作は必ずMicrosoft アカウントの認証を通すことになり、この点は甘受しなければならない。
先日、Microsoft 365 Insider Blogで公開された記事によれば、ある意味で待望の「Word文書のクラウド(OneDrive)への自動保存機能」を備えたようだが、これが意味するのは、当然ながらMicrosoft アカウントを用いてOneDriveへのアクセスが可能になっていることが前提だ。
このように、Windows 11へ続く道ではMicrosoftは何かとMicrosoft アカウントを関連付けるようにしており、ESUにまつわる施策もまた、Microsoft アカウントのテコ入れに近い意味合いがあるのだろう。
一方で興味深いのは、一般ユーザー向けEOSの提供期間である2026年10月を過ぎてもなお、Windows 10の一部ソフトウェアへのセキュリティアップデートが継続提供される点だ。こちらもWindows Centralのザック・ボーデン氏の記事になるが、Windows 10 22H2のユーザーを対象に「Microsoft Edge」と「WebView2」について、法人向けESUの最大延長期間である2028年10月まで、セキュリティアップデートが提供されるという。
筆者がソースとなっているMicrosoftのドキュメントを確認しようとしたところ、肝心の文章が開けないため真偽を検証できなかったが、これが本当なら面白い。WebブラウザというだけならChromeやFirefoxなどEOSを越えて利用可能な製品が存在するが、先日触れたようにEdgeブラウザのサポートが継続するのであれば、「Copilot Mode」のようなクラウド経由で提供されるEdgeのAI機能をそのまま利用できる。
WebView2は各種UIやアプリ内に組み込むWebページの描画エンジンだが、Edgeのサポートと合わせればクラウド上で行う作業はEOS関係なしにWindows 10上で当面は問題なく行うことができる。もちろん一定のリスクはあるものの、用途限定のPCでは選択肢として考えられる。
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