続いて、ロッシ氏はパートナー企業のゲストを交えつつ、今回のイベントに合わせて発表した新製品を紹介した。
まず紹介されたのが、ThinkPad X9 Aura Editionの「Glacer White(グレイシャーホワイト:氷河白色)」という新色だ。
ロッシ氏は一部の国/地域で数量限定で投入されるということを強調しつつ、「さあ、私も早く予約しなきゃ」とおどけてみせて会場からの笑いを誘っていた。
Aura Editionは、Intelとの共同開発をうたっている。今回のPシリーズの新製品の多くがIntel製CPU搭載ということもあって、このパートではゲストとしてIntelのジム・ジョンソン氏(Client Computing Group担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー)が登壇した。ジョンソン氏は「ThinkPadシリーズに、広くCore Ultraプロセッサが採用されている」と喜んでいたこの後、Thinkブランド(ビジネス向け)の新型周辺機器が2製品ピックアップされた。
1つは、まだ製品数が少ない約40型(39.7型)の湾曲ディスプレイ「Thinkvision P40WD-10」だ。パネルはIPS液晶で、解像度は5120×2160ピクセルとなる。いわゆる4K(3840×2160ピクセル)ディスプレイを左右に640ピクセルずつ拡大したということで、計算上はちょうど32型サイズで4K表示が可能だ。Intelの省電力表示技術「Panel Replay」にも対応している。
もう1つが「ThinkPad Thunderbolt 5 Smart Dock 7500」だ。ThinkPad向けのThunderboltドッキングステーションの最新モデルで、その名の通りThunderbolt 5(USB 80Gbps/USB4 Version 2.0)に対応している。片方向の「120Gbps伝送モード」を用いることで、より高解像度/高リフレッシュレートのディスプレイを接続できる。
スペック的には、DisplayPortのデイジーチェーン(数珠つなぎ)機能を使わずに8K(7680×4320ピクセル)/60Hzの映像を3画面+4K/60Hzの映像を1画面を同時に出力可能だ。
近年のLenovoは、台湾の大手メーカーに負けじとゲーミング関連製品に力を入れている。今回の基調講演でも、ゲーミングに比較的多くの時間を割いているように感じられた。
まず紹介されたのがゲーミングディスプレイの新製品だ。他メーカーもそうなのだが、2025年は有機ELパネルを採用したゲーミングディスプレイの新製品が以前にも増して続々と登場している。Lenovoも、この流れに追従して有機ELゲーミングディスプレイを投入した格好だ。
また、これは有機ELパネルを使った製品に限った話ではないが、2025年のゲーミングディスプレイは、最大リフレッシュレートの“底上げ”も新しいトレンドとなっている。以前は4K解像度だと144〜165Hzあたりが上限だったが、48Gbps伝送に対応するHDMI 2.1で映像を出力できるGPUが普及期に入ったことで、これが240Hzにまで引き上げられている。
ウェアラブル型のポータブル有機ELディスプレイ「Legion Glasses Gen 2」は、2025年1月に発売されたばかりの新製品だが、ファームウェアをアップデートすることで立体視に対応することが発表された。
Lenovo製のサポートソフトウェアと組み合わせることで、発売済みの著名ゲームを立体視に対応させることができるとのことだ。
ゲーミング関連製品のセッションでは、AMDのジャック・ヒュン氏(Computing & Graphics担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー)が登壇した。そのことからも分かる通り、今回のゲーミングPC製品はAMD製CPU/APU(GPU統合型CPU)を備えるものが多い。
登場した製品が多いので抜粋して紹介するが、最初に紹介されたのが、APUにL3キャッシュ“爆盛り”のRyzen 9 9955HX3Dを選べるゲーミングノートPC「Legion Pro 7」だ。最上位構成では、外部GPUとしてNVIDIAの「GeForce RTX 5080 Laptop GPU」を選択できる。
そして今回、大注目だったのがポータブルゲーミングPC(ゲーミングUMPC)「Legion Go 2」だ。
最上位モデルは、約11TFLOPSの理論性能値を持つ「Ryzen Z2 Extremeプロセッサ」を搭載していることが最大のトピックだ。11TFLOPSといえば、家庭用ゲーム機である「PlayStation 5」(約10TFLOPS)を上回る。
この他AMDのCPU/APUに関わる部分では、Ryzen AI 300シリーズを搭載するノートPC(IdeaPad/Yoga/ThinkPad)の新製品や、メニーコアCPUであるRyzen Threadripper 9000シリーズを搭載可能なデスクトップワークステーション「ThinkStation P8」も紹介された。
AMDのヒュン氏は、生成AIの最新事例としてベンチャー企業であるDynamics Labの「Mirage 2」を披露した。
Mirage 2は、1枚の静止画や写真から、生成AI技術を活用して3D世界をモデリングで構築し、その世界をキーボードやマウスを使って自由に動き回れることが特徴だ
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