ここまで、外付けGPUを利用すれば内蔵GPUを搭載したPCでも独立GPUを搭載し、グラフィックス能力を飛躍的に向上できることを紹介してきた。しかし、マザーボードに接続する際と比べて、安定性に若干不安を感じる場面も見受けられる。
特にGoogle Chromeで複数ウィンドウを表示しながら、YouTubeで動画を鑑賞していると、不意に画面描画がフリーズし、最悪の場合はOS自体がフリーズしてしまう場面に遭遇する。原因は多岐にわたるため、ここでは言及しないが、少なくとも外付けGPU環境ではどうしても安定性が低下してしまう。
オンボードグラフィックスを無効化することも考えたが、外出先に持ち運ぶことが面倒になるため、オンボードグラフィックスを有効化したままで、安定性を少しでも向上できる方法はないものかと調べていたところ、Windowsの標準機能で実現できることが分かった。
それがアプリに応じて利用するGPUを指定できる「アプリケーションのカスタム設定」だ。
この「アプリケーションのカスタム設定」画面は、デスクトップを右クリック→「ディスプレイ設定」→関連設定欄の「グラフィックス」をクリックして開くことができる。
例えば筆者の環境の場合、Google Chromeを「デスクトップアプリの追加」から追加し、GPUのユーザー設定を「Windowsで自動的に選択する」から「特定のGPU 2:AMD Radeon 860M Graphics」に変更することで、フリーズする頻度が格段に低下した。
Windowsのグラフィックス描画についてそこまで詳しくないため経験則とはなるが、ブラウザや動画を視聴するアプリが利用するGPUを内蔵グラフィックスに指定することで安定性を大きく向上させられるようだ。
普段机の前で作業でき、デスクトップPCを設置するスペースに余裕がある方は、わざわざ外付けGPUを利用する必要はないが、筆者のように机の前にいる時間が少ない方や、Thunderboltポートを搭載したミニPCを利用されている方にとって、外付けGPUはPC活用の幅がさらに広がる魅力的な選択肢といえる。
もし、独立GPUをPCに組み込めない方はこの記事をきっかけに、外付けGPUを試してみてほしい。
デスクトップPCの前に座る時間が減った筆者、モバイルワークステーション「ThinkPad P14s Gen 6 AMD」を購入する
Lenovoが「ThinkPad Pシリーズ」ワークステーションの新モデルを発表 TrackPointのない「ThinkPad X9」の新色も
捨てたのは“赤ポッチ”だけじゃない? レノボの新フラグシップ「ThinkPad X9 14 Gen 1 Aura Edition」の実像に迫る
シリーズ初の「1kg切り」「2in1モデル」登場! 見どころたくさんのThinkPad 2025年モデルが日本上陸 3月18日から順次発売
「X1」の対極にあるフラグシップ――Lenovoの新型ノートPC「ThinkPad X9」はなぜ“X9”なのか? TrackPointをあえて“非搭載”とした理由も判明Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.