Eコア増量のCore Ultra 7 270K Plusが上位モデルを超える!? 「Core Ultra 200S Plus」の性能アップをベンチマークでひも解く先行レビュー(2/2 ページ)

» 2026年03月23日 22時00分 公開
[井上翔, 迎悟ITmedia]
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 ここまではCPUに絞ったテストを行ってきたが、ここからはより実用的なシーンを想定したベンチマークアプリでテストを行っていく。

PCMark10

 PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の総合スコアを比べてみよう。

  • Core Ultra 7 270K Plus:1万2454ポイント
  • Core Ultra 5 250K Plus:1万1173ポイント
  • Core Ultra 9 285K:9954ポイント
  • Core Ultra 5 245K:9539ポイント

 実は、過去のCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がグラフィックスカード(GPU)の単純性能が良いため、後半に控えている「Digital Content Creation」(静止画/動画編集と3Dレンダリングのテスト)でスコアを“逆転”されてしまう可能性もあると考えていた。

 しかし、結果はご覧の通りでCore Ultra 200S Plusプロセッサが“勝利”を収めた。もう少し具体的にいうと、Digital Content Creationだけでなく、ビジネスアプリ(オフィススイートやビデオ会議)のテストを行う「Productivity」テストでもCore Ultra 200S Plusプロセッサの方がスコアが良かった。

  • Essentials
    1. Core Ultra 7 270K Plus:1万2047ポイント
    2. Core Ultra 5 250K Plus:1万2295ポイント
    3. Core Ultra 9 285K:1万1843ポイント
    4. Core Ultra 5 245K:1万1894ポイント
  • Productivity
    1. Core Ultra 7 270K Plus:2万2294ポイント
    2. Core Ultra 5 250K Plus:1万6924ポイント
    3. Core Ultra 9 285K:9903ポイント
    4. Core Ultra 5 245K:1万609ポイント
  • Digital Content Creation
    1. Core Ultra 7 270K Plus:1万9514ポイント
    2. Core Ultra 5 250K Plus:1万8186ポイント
    3. Core Ultra 9 285K:1万9270ポイント
    4. Core Ultra 5 245K:1万8043ポイント

 CPUの最適化問題を差し置いても、CPUの性能改善は想像以上だったということだ。

PCMark 10 PCMark 10の総合スコア

3DMark

 3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」の主要なテストを実行してみよう。

 先述の通り、Core Ultra 200Sプロセッサのテストの方がGPUの単純性能は高い。そのためCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がスコアは良い可能性が高く、Core Ultra 200SPlusプロセッサでどこまで“追い詰められるか”が焦点となる。

 結果は以下の通りだ。

  • Fire Strike(DirectX 11/フルHD)
    • Core Ultra 7 270K Plus:3万3840ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:3万3341ポイント
    • Core Ultra 9 285K:3万5645ポイント
    • Core Ultra 5 245K:3万7718ポイント
  • Fire Strike Extreme(DirectX 11/WQHD)
    • Core Ultra 7 270K Plus:1万8966ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:1万7906ポイント
    • Core Ultra 9 285K:2万3855ポイント
    • Core Ultra 5 245K:2万3623ポイント
  • Fire Strike Ultra(DirectX 11/4K)
    • Core Ultra 7 270K Plus:9317ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:9358ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万2595ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万2594ポイント
  • Time Spy(DirectX 12/WQHD)
    • Core Ultra 7 270K Plus:1万6190ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:1万6174ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万9256ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万8799ポイント
  • Time Spy Extreme(DirectX 12/4K)
    • Core Ultra 7 270K Plus:7824ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:7641ポイント
    • Core Ultra 9 285K:9750ポイント
    • Core Ultra 5 245K:9249ポイント
  • Port Royal(DirectX 12/リアルタイムレイトレーシング)
    • Core Ultra 7 270K Plus:9239ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:9249ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万0476ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万486ポイント

 予想通り、スコアだけ見るとGPU性能の勝るCore Ultra 200Sプロセッサの勝利……なのだが、同じテストだと解像度が低い(≒GPUの性能差の影響が少ない)ほど、スコアの差が小さくなっている。同じGPUでテストすれば、確実にCore Ultra 200S Plusプロセッサが勝利を収めていただろう。

 CPUに依存する処理部分では、Core Ultra 200S Plusプロセッサの優位性は確実にある

3DMark 3DMarkのスコア

FF14/FF15ベンチマーク

 実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、比較的動作が軽い「ファイナルファンタジーXIV:黄金の遺産 ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、動作が重めの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」(FF15ベンチマーク)を試していこう。

 FF14ベンチマークは「軽量」とはいうものの、本バージョンでは時代を鑑みた要件変更が行われており、高負荷時には超解像技術としてAMDの「FSR(FidelityFX Super Resolution)」またはNVIDIAの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を利用できる。

 本ベンチマークでは画質設定を「最高品質」とした上で、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でテストを行った。超解像技術(FSR)は「60fpsを下回る場合に有効」としている。結果は以下の通りだ。

  • フルHD
    • Core Ultra 7 270K Plus:2万652ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:2万268ポイント
    • Core Ultra 9 285K:2万9951ポイント
    • Core Ultra 5 245K:2万8321ポイント
  • WQHD
    • Core Ultra 7 270K Plus:1万2974ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:1万2891ポイント
    • Core Ultra 9 285K:2万4344ポイント
    • Core Ultra 5 245K:2万3484ポイント
  • 4K
    • Core Ultra 7 270K Plus:6102ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:6089ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万2982ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万2763ポイント

 解像度が低いほど性能差が縮まるのを含めて、結果の傾向は3DMarkと同様だ。

FF14 FF14ベンチマークのスコア

 FF15ベンチマークも、以下の通りスコアの傾向に変わりはない。

  • フルHD
    • Core Ultra 7 270K Plus:1万2958ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:1万2922ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万6383ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万6383ポイント
  • WQHD
    • Core Ultra 7 270K Plus:9206ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:9197ポイント
    • Core Ultra 9 285K:1万2593ポイント
    • Core Ultra 5 245K:1万2184ポイント
  • 4K
    • Core Ultra 7 270K Plus:5339ポイント
    • Core Ultra 5 250K Plus:5207ポイント
    • Core Ultra 9 285K:7231ポイント
    • Core Ultra 5 245K:7020ポイント

 GPUの性能差を過去のGPUテストの結果から推測すると、Core Ultra 200S Plusプロセッサは確実にCore Ultra 200Sプロセッサ以上のスコアを出せるだろう。

FF15 FF15ベンチマークのスコア

これから「Core Ultra 200S」でPCを組むなら“Plus付き”で(課題はメモリ価格)

 Core Ultra 200Sプロセッサを巡っては、登場時に競合他社のCPUはもとより、自社の「Coreプロセッサ(第14世代)」と比べて「CPU単体の性能は改善しているのに、GPUなど他の要素が絡むテストになると想定したパフォーマンスを発揮できない」という問題が発生していた。

 そのことから、買い替えを踏みとどまったユーザーも多いだろう。一方で、各種改善後は価格の割に性能が良好という点でアドバンテージもあることから、Core Ultra 200Sプロセッサを選んで自作PCを組んだという人も少なからずいる。

 今回登場したCore Ultra 200S Plusプロセッサは、そのCore Ultra 200Sプロセッサの“リフレッシュ版”で、マイナーチェンジ版だ。中には「あと1年くらいすれば出るはずの、新アーキテクチャCPUを待った方がいいのでは?」と考える人もいるかもしれない。

 しかし、Core Ultra 200S Plusプロセッサはマイナーチェンジの割には性能向上幅が大きめだ。Eコアの増量とコア間通信クロックの向上、そしてメモリの最大速度向上は、思った以上に効果てきめんだ。米国価格で見ると価格も新登場の割にはこなれているので、これから自作PCを組む際にとても良い選択肢になると思う。

 ただ、CPU自体の性能改善が進んだのはいいのだが、そのポテンシャルを発揮するために必要なDDR5-7200規格のメモリモジュールの選択肢が少なく、価格も高めであることが懸念材料といえる。ただ、マザーボードであれば価格のこなれてきた従来品(※1)を流用できるので、パーツをうまく選べばトータルコストを抑えつつ、ハイパフォーマンスなPCを組み立てられる

 これからあえて自作PCを作るなら、Core Ultra 200S Plusプロセッサは間違いなく良い選択肢だ。

(※1)UEFIの事前更新が必要となる場合がある

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