ここまではCPUに絞ったテストを行ってきたが、ここからはより実用的なシーンを想定したベンチマークアプリでテストを行っていく。
PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の総合スコアを比べてみよう。
実は、過去のCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がグラフィックスカード(GPU)の単純性能が良いため、後半に控えている「Digital Content Creation」(静止画/動画編集と3Dレンダリングのテスト)でスコアを“逆転”されてしまう可能性もあると考えていた。
しかし、結果はご覧の通りでCore Ultra 200S Plusプロセッサが“勝利”を収めた。もう少し具体的にいうと、Digital Content Creationだけでなく、ビジネスアプリ(オフィススイートやビデオ会議)のテストを行う「Productivity」テストでもCore Ultra 200S Plusプロセッサの方がスコアが良かった。
CPUの最適化問題を差し置いても、CPUの性能改善は想像以上だったということだ。
3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」の主要なテストを実行してみよう。
先述の通り、Core Ultra 200Sプロセッサのテストの方がGPUの単純性能は高い。そのためCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がスコアは良い可能性が高く、Core Ultra 200SPlusプロセッサでどこまで“追い詰められるか”が焦点となる。
結果は以下の通りだ。
予想通り、スコアだけ見るとGPU性能の勝るCore Ultra 200Sプロセッサの勝利……なのだが、同じテストだと解像度が低い(≒GPUの性能差の影響が少ない)ほど、スコアの差が小さくなっている。同じGPUでテストすれば、確実にCore Ultra 200S Plusプロセッサが勝利を収めていただろう。
CPUに依存する処理部分では、Core Ultra 200S Plusプロセッサの優位性は確実にある
実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、比較的動作が軽い「ファイナルファンタジーXIV:黄金の遺産 ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、動作が重めの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」(FF15ベンチマーク)を試していこう。
FF14ベンチマークは「軽量」とはいうものの、本バージョンでは時代を鑑みた要件変更が行われており、高負荷時には超解像技術としてAMDの「FSR(FidelityFX Super Resolution)」またはNVIDIAの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を利用できる。
本ベンチマークでは画質設定を「最高品質」とした上で、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でテストを行った。超解像技術(FSR)は「60fpsを下回る場合に有効」としている。結果は以下の通りだ。
解像度が低いほど性能差が縮まるのを含めて、結果の傾向は3DMarkと同様だ。
FF15ベンチマークも、以下の通りスコアの傾向に変わりはない。
GPUの性能差を過去のGPUテストの結果から推測すると、Core Ultra 200S Plusプロセッサは確実にCore Ultra 200Sプロセッサ以上のスコアを出せるだろう。
Core Ultra 200Sプロセッサを巡っては、登場時に競合他社のCPUはもとより、自社の「Coreプロセッサ(第14世代)」と比べて「CPU単体の性能は改善しているのに、GPUなど他の要素が絡むテストになると想定したパフォーマンスを発揮できない」という問題が発生していた。
そのことから、買い替えを踏みとどまったユーザーも多いだろう。一方で、各種改善後は価格の割に性能が良好という点でアドバンテージもあることから、Core Ultra 200Sプロセッサを選んで自作PCを組んだという人も少なからずいる。
今回登場したCore Ultra 200S Plusプロセッサは、そのCore Ultra 200Sプロセッサの“リフレッシュ版”で、マイナーチェンジ版だ。中には「あと1年くらいすれば出るはずの、新アーキテクチャCPUを待った方がいいのでは?」と考える人もいるかもしれない。
しかし、Core Ultra 200S Plusプロセッサはマイナーチェンジの割には性能向上幅が大きめだ。Eコアの増量とコア間通信クロックの向上、そしてメモリの最大速度向上は、思った以上に効果てきめんだ。米国価格で見ると価格も新登場の割にはこなれているので、これから自作PCを組む際にとても良い選択肢になると思う。
ただ、CPU自体の性能改善が進んだのはいいのだが、そのポテンシャルを発揮するために必要なDDR5-7200規格のメモリモジュールの選択肢が少なく、価格も高めであることが懸念材料といえる。ただ、マザーボードであれば価格のこなれてきた従来品(※1)を流用できるので、パーツをうまく選べばトータルコストを抑えつつ、ハイパフォーマンスなPCを組み立てられる。
これからあえて自作PCを作るなら、Core Ultra 200S Plusプロセッサは間違いなく良い選択肢だ。
(※1)UEFIの事前更新が必要となる場合がある
「Core Ultra 200S Plusプロセッサ」レビューキットが到着 中身をチェック!
エンスージアスト向けCPU「Core Ultra 200S Plus」登場 Eコア増量+メモリアクセス高速化+バイナリ最適化でパフォーマンス向上
Intelの新型「Core Ultra 200Sプロセッサ」は何がすごい? 試して分かった設計方針の成果と限界
Intelの新型「Core Ultra 200Sプロセッサ」は何がすごい? 試して分かった設計方針の成果と限界
IntelがNPUを統合したデスクトップ向け「Core Ultra 200Sプロセッサ」を発表 アンロック版は米国で10月24日発売Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.