巨大スティックが生み出す謎の“脳汁感” XPPen「Pilot Pro 編集コンソール」のお絵描き実用度をチェック:ある日のペン・ボード・ガジェット(2/4 ページ)

» 2026年08月07日 11時00分 公開
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BluetoothとUSBドングルによるワイヤレス接続に対応

 本機は有線接続の他に、USBドングルによる無線接続と、Bluetoothによる接続に対応しています。

USBケーブル、USBドングル、ドングル用のUSB Type-Cアダプターが付属します USBケーブル、USBドングル、ドングル用のUSB Type-Cアダプターが付属します

 Bluetoothは2つのデバイスとペアリングでき、切り替えて利用できます。ですが、TourBox Eliteシリーズにならったのか、切り替えボタンが本体底面に配置されています。本体を持ち上げないと切り替えられない上に、持つときに側面のボタンやスティックを誤爆させないように気を遣うので、感覚的にはTourBox Eliteシリーズよりもさらに不便です。

ボタンが側面奥側にあれば便利そう ボタンが側面奥側にあれば便利そうでしたが……

 職場と家のような使い分けならともかく、Bluetoothを使って机上で複数のマシンを切り替える使い方は期待しないのがよさそうです。

 また、本機は内蔵バッテリー式で、約60時間バッテリーで稼働(公称値は1日4時間で15日という表現)するとのことです。手元の実利用では、それより速いペースで残量が減っていましたが、集中して作業しても数日間は持ちそうです。

 正直もう少し長持ちしてくれていい気持ちもありますが、残量はすぐに確認でき、USB Type-Cで充電できて充電時間も長くはないので、不便というわけでもないです。

バッテリー残量は分かりやすい位置に表示 バッテリー残量は分かりやすい位置に表示されています

 個人的には、長期間使い込むデバイスでは内蔵バッテリーの劣化を抑える方法を考えてしまって頭のノイズが増える方なので、TourBoxシリーズのような乾電池式をエネループなどで使うのが気楽です。

ドライバアプリは発展途上

 このデバイスの評価を難しくしているのは、まだ若いデバイスなことです。

 ハードウェアが良いのは大前提として、「TourBox」シリーズやCORSAIRの「Stream Deck」シリーズの発展で分かってきたのが、「深く作り込まれていくドライバアプリ」と「ユーザーコミュニティーの成長」、これらが合わさって、そのデバイスの導入しやすさや使いやすさが後追いで決まっていくということです。

 本機は全体として、ひとまず作業効率化のための左手デバイスとしては足りる内容になっています。とは言え、作り込みの面では、これから進んでいくんだろうなとも想像しやすい状態です。

 例えば、ドロップダウンメニューで「展開・畳むアイコン」に見えるUIが実際にはクリックできないとか、

左の文字列をクリックすれば展開 左の文字列をクリックすれば展開され、別のメニューをクリックすれば畳まれます

 スティックの押し込みにスイッチがあるはずが、まだ機能の割り当てがなかったり、

小ダイヤルの押し込みは、一見すると設定不能に見えて、DaVinci Resolveの「カラー調節のリセット」に予約 小ダイヤルの押し込みは、一見すると設定不能に見えて、DaVinci Resolveの「カラー調節のリセット」に予約されています。なので、スティックの押し込みにも何か役割が予定されているのかもしれません

 マクロにキーストロークも登録できません。これだと、同社のタブレットドライバでは簡単にできたキーマクロのような操作を再現できません。

マクロは特に、「ファイルを開く」にどのファイルを開くかを指定できない マクロは特に、「ファイルを開く」にどのファイルを開くかを指定できない(開くダイアログが表示されるだけ)などもあって、今後の開発を頑張るしかない状況です(UIの強調は筆者)

 また、一部の日本語表示に不自然なフォント(いわゆる中華フォント)が使われていたり、

UI全般に発生 UI全般に発生していますが、これは見分けやすい文字を入力した場合です

 他にも、スティックにAltキーなどの装飾キーの長押しを設定できなかったり(ボタンでは可能)、マッピングを複製する機能がなかったりと、Photoshopでのイラスト制作用にサッと設定しようとしただけでも遭遇する引っかかりは正直ありました。

例えば、線画と彩色でマッピングを切り替えるとして、アプリの基本操作は同じなのでコピーしてから小変更したい、とか、あるはずですが……少し手間がかかる方法でしか移していけません 例えば、線画と彩色でマッピングを切り替えるとして、アプリの基本操作は同じなのでコピーしてから小変更したい、とか、あるはずですが……少し手間がかかる方法でしか移していけません

 全体的にTourBoxを参考にした感のある内容とはいえ、よく言えばシンプル、その中でも不備や不親切が散見するというのはもったいないです。TourBoxの執念を感じる作り込みを同レベルで真似してほしいとまでは思いませんが、現状は本機の惜しい点がドライバアプリに集中しているのは確かです。

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