世界の携帯出荷台数、2009年は前年割れの見込み

» 2009年07月17日 13時46分 公開
[ITmedia]

 矢野経済研究所は7月16日、携帯電話の世界市場に関する調査リポートを発表した。同調査によれば、2008年の世界市場における携帯電話の出荷台数は、前年比7.5%増の11億8289万台だった。

 2008年9月の世界同時株安と景気悪化により、第4四半期の携帯電話出荷が急速に減退したものの、2008年第3四半期までの出荷は過去最高を記録した。

 2009年の世界市場における携帯電話の出荷台数は、前年比7.5%減の10億9424万台となる見込み。第1四半期は、前年に引き続き景気悪化の影響を受けて低迷したものの、メーカー各社が減産や在庫調整を行ったことから、第2四半期以降は少しずつ回復に向かいつつあるという。2009年は昨年に引き続き、スマートフォンやデータ通信端末の出荷が好調で、この分野で出遅れていた大手メーカー各社も、この分野に新製品を投入し始めている。また、途上国ではローエンド製品の需要が底堅く、矢野経済研究所ではシェアを獲得するにはローエンド市場をおさえることが重要であると分析している。

 2009年は世界的な経済状況の悪化により、携帯電話の出荷は前年割れを避けられないが、アジア、中南米、中近東、アフリカ市場に大きな成長の余地があること、3G(3.5G)が先進国に加えて途上国でも普及の兆しが見え始めていること、また、モバイルインターネット市場が拡大していることなど、プラスの要因も多い。今後は再び成長に転じるとみられ、矢野経済研究所では2012年には13億2277万台の市場に拡大するものと予測している。

 調査は3月から6月まで、国内通信キャリアや国内の端末メーカー、海外の端末メーカー、海外のOEM企業、海外のPCメーカー、海外PNDメーカーを対象に実施した。

Photo 2009年世界市場におけるモバイルデバイスの位置付けと市場規模の見通し
Photo 携帯電話世界市場の地域別市場規模推移と予測

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