WiMAXは2009年が離陸の年――普及に自信を見せるWiMAX陣営:ITU Telecom World 2009

» 2009年10月08日 17時19分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
Photo WiMAX Forum会長のロン・レスニック(Ron Resnick)氏

 10月6日、WiMAX Forumがスイス・ジュネーブで開催中のイベント「ITU Telecom World 2009」で会見を開き、WiMAXの現状について説明した。2009年に入りWiMAXは、日本のUQコミュニケーションズやロシアのYotaらがサービスを開始するなど勢いづいており、WiMAX Forumは“WiMAXは転換点を通過した”と宣言した。

 WiMAX Forum会長のロン・レスニック(Ron Resnick)氏は、WiMAXが現在「145カ国500のネットワークで実装されている」と自信を見せる。WiMAX関連機器は300以上の製品が市場に投入され、180製品が開発中だとし、来年にもエコシステムの確立を目指した「Retail Readiness Program」を展開する計画であることを明らかにした。これはノートPCやネットブック、携帯電話などのWiMAXに対応した認定製品を、消費者が容易に小売店で選択できるようにするプログラム。「3Gが登場して何年も経つのに、3Gを組み込んだ端末は少ない」(レスニック氏)とし、差別化の1つとする狙いだ。

 レスニック氏はまた、次世代技術となる「WiMAX Release 2」も紹介した。IEEEは今週、「IEEE 802.16m」を、“4G”こと「IMT-Advanced」の標準承認に向けてITU-R(ITUの無線通信部門)に提出しており、WiMAX Forumもこれを支援する。Release 2は802.16mと平行して仕様を固め、「IEEE 802.16e」をベースとした「WiMAX Release 1」との互換性を確保するという。

 WiMAX Forumとしては今後2年間は、Release 2と標準化プロセスや認定にフォーカスする方針。2011年末をめどにRelease 2に対応するネットワークや端末をリリースすることを目指す。「競合より2〜3年リードできる」(レスニック氏)

Photo 米Intel アーキテクチャ事業部担当副社長でWiMAXプログラムオフィス担当ゼネラル・マネジャー、スリラム・ビスワナサン(Sriram Viswanthan)氏(右から4人目)、イスラエルAlvarionのCEO、ツィビッカ・フリードマン(Tzvika Friedman)氏(右から5人目)、Samsungのグローバルマーケティンググループ担当副社長、ハン・ソン(Hung Song)氏(右から3人目)などが参加した

WiMAXは2009年が離陸の年

 この日は、通信事業者してClearwire、Yota、WiMAXをプッシュするIntel、機器メーカーとしてSamsung、Alvarion、Huaweiなどが集まった。

Photo Clearwire Internationalの社長、バリー・ウェスト(Barry West)氏(左)とYotaの社長兼CEO、デニス・スヴェルドロフ(Dennis Sverdlov)氏(右)

 米国でWiMAXを提供するClearwireで国際展開を担当する社長、バリー・ウェスト(Barry West)氏はこの日、スペイン進出計画の詳細を明らかにした。スペインでは3.5GHz帯を利用し、まずは2都市でサービスを展開する。ウェスト氏は「WiMAXは転換点を迎えた。WiMAXはなくならない。今や議論は、“LTEと比べてどちらが新しいのか”になった」と自信を見せる。そのLTEに対しては、「ハイプ(誇大宣伝)だ。既存の資産を守りたいだけ」と言い切った。

 Yotaの社長兼CEO、デニス・スヴェルドロフ(Denis Sverdlov)氏も強気だ。6月にモスクワとサンクトペテルブルグの2都市で商用サービスを開始したところ、8月には加入者が10万人を超えるなど経過は順調だ。現在、提供エリアは3都市に増え、加入者数は10月中の20万人達成を見込む。ユーザーの3人に1人は常時接続で利用しており、ユーザーあたりのデータ使用量(下り)は、平均して月に10Gバイト。これはロシアでは、ケーブルの20倍、GSMの100倍の量だという。

 サービス開始から数カ月しか経過していないYotaだが、音楽サービスなどの関連事業にも着手している。VoIPを利用した通話サービスの準備も進めており、間もなくGSMとWiMAXのデュアル端末を発表する予定だ。

 Yotaも国外展開を計画中で、ベラルーシ、ペルーなど3カ国でWiMAXサービスを提供する。「ユーザーは技術の名前を気にしていない。快適にモバイル環境を利用したいだけだ」とスヴェルドロフ氏は述べた。

 通信事業者2社は、R2へも期待を寄せている。「R2ではオペレーター側では基地局側のスループットが、ユーザー側では端末のスループットが飛躍的に改善する」とClearwireのウェスト氏。YotaはSamsungとR2のテストを開始したという。

 課題といわれているローミングについては、Clearwire、Yota、UQがローミングに向けて作業を進めているところだ。Wi-Fiと同じようなローミングを実現していくとウェスト氏は述べた。

 自信を見せたのはオペレータだけではない。例えばネットワーク機器ベンダーのHuaweiでCDMA/WiMAX製品ライン担当社長を務めるシァオ・ミン(ZhaoMing)氏によると、同社のWiMAX関連の売り上げは2008年に2億ドルに達し、2009年には5億ドルを見込むという。「WiMAXは2009年が離陸の年だ」(ミン氏)。

Photo HuaweiのCDMA/WiMAX製品ライン担当社長、シァオ・ミン(Zhao Ming)氏

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月30日 更新
  1. 楽天モバイル、1100万回線突破の背景に「通信品質向上」とOpensignalが分析 下り速度とカバレッジの課題は残る (2026年10月29日)
  2. 20〜30代限定の「ダイナースクラブ ゴールド」登場 スタバやスマホで10倍還元、「食べログプレミアム」が実質無料 (2026年10月26日)
  3. auが通信品質10部門で単独首位、追うソフトバンクは「小差」 5G SA利用率3.8%の課題も Opensignal調査 (2026年10月28日)
  4. 【無印良品】1990円の背面ポケット付き「ショルダーバッグ」 11月4日まで10%オフ (2026年10月29日)
  5. ダイソーで1100円の「USB Type-C to HDMIケーブル」でスマホの画面をテレビに映すとどうなる? 対応機種なら試してみる価値あり (2026年10月24日)
  6. 日本通信のフルMVNOサービス、開始時期を5カ月延長へ 「テクニカルな課題が判明」 (2026年10月28日)
  7. 「iPhone Duo」のアプリはどこに置く? 閉じたら“右寄せ”、開いたら“両端”が正解か 開閉×縦横で指の届く範囲を検証 (2026年10月29日)
  8. 手のひらサイズの縦折りスマホ「nubia Flip 2」、Y!mobileへMNPで一括9800円【スマホお得情報】 (2026年10月28日)
  9. 5周年を迎えた「povo2.0」の次なる一手 多すぎるトッピングにAIが回答、海外キャリアとの共創も (2026年10月28日)
  10. 「Google Fitbit Edge」先行レビュー:画面付き、Google マップ対応の実力は? Fitbit Airとの1万円差を検証する (2026年10月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー