筑波技術大学でエリアワンセグを活用した手話・字幕情報配信実験を開始

» 2010年03月12日 17時20分 公開
[房野麻子,ITmedia]

 筑波技術大学と三友、日立システムアンドサービスは共同で、筑波技術大学の聴覚障害学生向け授業において、エリア限定のワンセグ配信を活用した字幕情報配信実験を2010年1月25日から2011年2月3日(予定)まで実施する。今年4月から開始される授業では、年間を通じてエリアワンセグを活用した授業を計画している。

 聴覚障害のある学生が教育を受ける際には、授業内容がよく伝わるための「情報保障」の環境を工夫改善する必要があり、授業内容を手話通訳や文字通訳情報として伝える必要がある。一方、2007年頃より、ワンセグを使った新しい情報配信サービスとして、エリアワンセグの実験が全国各地で実施されており、新しい地域コミュニティメディアとして注目されている。2009年12月には、総務省内に「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」が設立され、利用されていない周波数帯域「ホワイトスペース」の活用方法を検討する中で、エリアワンセグも活用手段の1つとして検討され、実用化が期待されている。

 今回の実験は、総務省関東総合通信局より実験試験局免許の交付を受け、聴覚障害学生が学ぶ筑波技術大学 産業技術学部内に無線局環境を構築。エリアワンセグを活用した手話・字幕情報配信の実用性を3機関が共同して検証する。

 実験では、ワンセグの映像と字幕部分を利用して、学生の手元に授業の内容を配信する。手話通訳者や文字通訳者がいる遠隔地に授業の映像と音声を送信し、そこで手話や文字通訳情報を付加して現地に戻すという「遠隔情報保障システム」のデータを2次利用し、ワンセグの映像部分に手話通訳映像や講義映像、字幕部分に文字通訳情報を配信する。受信端末は「ニンテンドーDS」や「DSテレビ」、携帯電話などを使用し、画面上部に手話通訳の映像を表示、画面下部に文字通訳情報を字幕として表示する。また、同時に授業を受けるすべての学生が、途切れず良好な情報受信ができるかといった、エリアワンセグの電波フィールドについても検証する。

 この実験では、受講者が手元で、かつエリア内であれば自由な場所で情報を取得でき、講義内容の理解促進が可能となる。また、講師側には、手話などの心得がなくても、自身の慣れた方法で安心して授業をできる環境を提供できる。さらに、システムを運用する側においては、受信装置の設定や教室内の配線など、日々のシステム運用にかかる手間を大幅に削減できるとしている。

実験イメージ
ワンセグ受信画面(写真=左)と授業の様子(写真=右)

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