「Google I/O 2012」のプレゼンテーション、海外メディアの反応は海外モバイルニュースピックアップ

» 2012年06月28日 23時22分 公開
[中野恵美子,ITmedia]

「Google I/O 2012」のプレゼンテーション、海外メディアの反応は

 Googleが新OSをはじめとするさまざまな発表を行い、メディアも好意的に受け止めている。Mashableは、「それほど洗練されていたわけではないが、素晴らしいショーマンシップであり、テクノロジー業界の基調講演のうち、これまでで最高に印象的なものの一つ」と讃えている

 基調講演の山場は、やはりProject Glassのデモンストレーションだろう。Google Glassのプロトタイプを身につけたメンバーが、基調講演の行われているMoscone Centerへと、飛行船からスカイダイビングする様子をライブ中継するというもの。屋上に到着後は、スタントマンが自転車で会場内までプロトタイプを届けるという演出が楽しい。

Photo Google Glassのライブ中継デモの1シーン

 CNETが同デモの映像を掲載しているが、息をのむような光景をリアルタイムで共有し、興奮する会場内の人々の興奮が理解できる内容だ(会場内の様子はMashableの映像の方が分かりやすい)。

 個人的にはこの基調講演で、“一人のカリスマが聴衆を魅了する時代”の終焉を感じさせられた。将来振り返った時「Google I/O 2012」が、基調講演やプレゼンテーションのあり方を、“洗練を最高峰とする”のではなく、“共感や共有に重きをおく”方向性に変えた――と言われる日がくるのかもしれない。

 ちなみにGoogle Glass「Explorer Edition」は、基調講演の参加者を対象にプレオーダーを受け付け、来年初頭に提供される。価格は1500ドル。

 なお、GeekWireが2時間半近い基調講演の映像とポイントとなるシーンのスクリーンショットを掲載している。要点だけをクリアで大きな画像で見たい、という人にはDaily Mailがお勧めだ。

2013年、タブレット端末がPCの販売数を上回る――MSのLeblond氏が予測

 MicrosoftがTechEd Europeイベントで、「2013年にはタブレットの販売数がPCを上回るだろう」と語ったという。同社Webサービスオペレーションの長、Antoine Leblond氏は同イベントで、現在、PCのうちラップトップの販売率が60%に達しているが、来年にはWindows 8がタブレットの利用を加速させることが期待され、タブレットの販売数がPCを上回るものと予測している。

 一部には「これからはAndroidだよね」という論調もあり、またGoogleがもともろの発表を行った直後だけに、Microsoftの発表でタブレットの将来を占うのもどうだろう――というわけで、もう少し具体的な調査結果をご紹介。

 世界の14地域で消費者調査を行っているNPD DisplaySearchによれば、タブレットでテレビを視聴する割合が、昨年と比べて2倍以上増加したそうだ。全世界のテレビ所有者1万4000人以上を対象に調査したところ、10%がビデオを見るのにiPadかAndroidベースのタブレットを使用していると回答しており、昨年の4%という調査結果から大幅に増加した。

 タブレットによるビデオ視聴は、特に中国の都市部で顕著であり、およそ3人に1人が「テレビはタブレットで見る」と回答。またトルコでも同様の傾向が加速しており、この1年でタブレットによる視聴が3.1%から16.5%と急増した。なお、テレビ以外の機器でテレビを視聴したことがあると回答した人は、全体の7割に達している。

 これは一般消費者の動向を調査したものだが、ビジネスでのタブレット利用も当然になった現在、1年後にはタブレットがPCを超える可能性は高いといえそうだ。

自宅作業、その実態は

 ビジネスとテレビで思い出したが、「自宅で仕事をするとしたら実のところ、みんなは何をしているのか」――という興味深い調査結果が公開された

 Citrixがアメリカのオフィス・ワーカー1013人を対象に行った調査によると、43%が「テレビや映画を見る」、20%が「テレビゲームをする」と回答。また、24%が「一杯やる」、26%「が昼寝をする」、35%が「家の中の雑用をする」、28%が「夕飯の支度をする」と回答したという。

 ところが、「実はみんな結構さぼってるね」という状況があってもなお、「在宅勤務者の方がオフィスで仕事をする同僚よりも生産性が高い」というスタンフォード大学の研究結果もあるそうだ。オフィスで仕事をしている時にも「適度な息抜きは大切」ということなのだろうか。

人の感情を検出する「スマートサングラス」

 Google Glassの話題で盛り上がっているときに何だが、人間の感情やトラウマを検出するスマートサングラスなるものが登場した。

 といっても、ベースとなるテクノロジーはオーソドックスなものだ。我々は、頬が赤くなったのを見れば、“その人がドギマギしているのだろう”と推測するし、黄色っぽかった場合は“胃腸の具合が悪いのでは?”と判断できる。研究者Mark Changizi氏がカリフォルニア工科大学時代に行った霊長類の色覚研究によれば、色覚は皮膚の下のヘモグロビンの酸素レベルを感知することができるという、科学的な根拠があるのだという。

 「O2Amps」というサングラスは、色覚を増幅(amplify)するツールで、肉眼では見えない微細な変化も見逃さないため、医療分野で大きな力を発揮するものとChangizi氏は期待している。同氏とそのチームは、注射を打つときに役立つ血管が光って見える医師・看護師向けのフィルター、血液の色の変化状態から医師が患者の精神的外傷を診断しやすくするフィルター、患者の健康状態をチェックするための一般診療用フィルターの3種を開発。同製品は現在、2つの病院でトライアルが実施されている。

 ニューヨークのMount Sinai Hospitalの医師たちは、O2Ampsを装着すると「皮膚下の状態が著しく視覚化される」と語っている。

牛に巨大QRコードを描いて酪農業をPR

 牛に巨大QRコードを描いて酪農業をPR――。そんな試みが英国で登場した。

 バーコードがペイントされたのは、その乳からスティルトンチーズが作られている8歳のホルスタインLady Shamrock。彼女が身体の側面に掲げるQRコードをiPhoneなどで読み取ると、「This Is Dairy Farming」サイトに誘導され、利用者はLady Shamrockについての情報や、英国の酪農業が直面する問題などを知ることができる。

 このような試みをしたのはレスターシャー州で酪農を営むジェーン・バーンズさん。イングランドとウェールズでは、1960年代には7万6000人もいた酪農家が1万1000人弱に減少しており、多くの一般消費者がミルクの生産について何も知らないことを危惧する中で、このアイデアを考えついたという。

 とはいえ、バーンズ夫妻は120頭の牛を飼育しているそうなので、QRコード搭載乳牛を探すのは一苦労かもしれない。しかしこうした試みでマスコミに報道され、注目が集まれば、より多くの人が興味を持つことだろう。ちなみに「This Is Dairy Farming」には、農家の人達へのインタビュー「moovies」(タイプミスではありません)も視聴できる。

iPhoneだと思いきや、中身はジャガイモ――英で詐欺事件

 英国でまた、iPhoneがらみの詐欺が起きた。ジャガイモの箱をiPhoneと偽って売りつける詐欺師がイーストヨークシャーに出没しており、すでに被害者が何人か出ている状況だ。

 iPhoneやMacBookなどを見せられ、価格で合意して相手に現金を手渡したものの、受け取った箱やバッグを開けてみたら入っていたのはジャガイモか水のボトルだった――というのがその手口。最初の事件は6月17日に、続いて6月23日にも同様の事件が起きており、合計すると3件となる詐欺は同一の犯人によるものとして、現在ハンバーサイド警察が捜査中だ。警察は「ラップトップやスマートフォン等、高価な商品を購入する際は、うま過ぎる話にはのらず、きちんとした店で購入する」ようアドバイスしている。

 以前も似たような事件をご紹介したことがあるが、英国ではこういう古くさい手口の詐欺に引っかかる人が多いのだろうか……。

手を叩くと写真が撮れる「Snap Clap」

 手を叩くと写真が撮れる「Snap Clap」というiOS向けアプリが登場した。価格は85円で、iPhone、iPod touch、iPad 2、新iPadに対応する。

 手を叩いている姿が写ってしまう――という心配があるかもしれないが、technabobではタイマーをセットして、既にポーズをとっている仲間に合流し、ぜーぜーしながら写ってしまうよりまし、と指摘している。確かに。また、手を叩くというお遊びが入ることで、写真が苦手な人も自然な笑顔になるという効果もありそうだ。同ツールには画像処理機能も付属しており、写真のルック&フィールを変えることもできる。

 そういえば資金調達サイト「Kickstarter」に、タイマーセット後、一心不乱に走る必要も手を叩く必要もない写真撮影ツール「eyeCLICK」が登場している。

 これはカメラを遠隔操作するiPhone 4/4S向けのワイヤレスアクセサリー。特許出願中のHDレンズも用意されており、これを装着するとディスプレイで被写体を確認しながら高解像度の写真を撮影できるという。レンズなしは30ドル、レンズ付きは35ドルで予約できる。プロジェクトが成立しなければ、課金されることはない。

究極のニセMac、登場

 今日の一発芸。究極のニセMacが登場!――というだけで終わらせたいところだが、それではあんまりなので、今日の笑えるシリーズということで、追加でおもしろビデオもご紹介。ご主人様である美女に恋をしたiPhone、暴走してます。

 洗面所にまでiPhoneを持ち込むユーザーが少なくない、という調査結果をご紹介したばかりだが、確かにiPhoneを擬人化して考えると、かなり恥ずかしいところを目撃されているはず。女性ユーザーは、バスト付近でiPhoneのスクリーンを拭うのだけはやめましょう。

 それからもう1つ。カメラの話題に合流させようかと思ったが、一発……ではなく「今日の笑えるシリーズ」に入れるのにふさわしい逸品をご紹介したい。パノラマ映像が撮影できるヘッドギアだ!(フィルムベースの使い捨てカメラを使っているらしい)

 一度に6杯のビールが運べるという、この素晴らしいツールに勝るとも劣らない、素晴らしいアイデアだと思います。

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