新人諸君に告ぐ――発想と個性を保て樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

連載が始まったのは2007年3月30日。当時の経済環境とは様変わりした。だが、2009年に入社する諸君が「ずいぶん不利な状況」と嘆いているとすれば、それは誤り。すでに5年間働いている社員よりも、新人たちの方が頭が柔らかいことがある。この柔らかさを保って、厳しい経済環境を乗り越えてほしい。

» 2009年03月26日 11時30分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

連載100回記念読者プレゼントのお知らせ

 いつも連載「樋口健夫の『笑うアイデア、動かす発想』」をご覧いただき、ありがとうございます。みなさまのご支持をいただき、先日、連載100回目を迎えることができました。重ねて感謝申し上げます。つきまして、読者プレゼントを実施したいと思います。ページ末尾に応募要項をご用意いたしましたので、ご覧ください。

 たくさんのご応募、お待ちしております。今後とも樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」をよろしくお願いいたします。


 まずは、この連載の初回「新人諸君に告ぐ――まずはノートを買おう」を読んでもらいたい。そして下記のことを守ってほしい。

  • 自分のノートを決めて、いつでもどこでも持ち歩く。
  • ビジネスと生活に、自分のノートを縦横無尽に活用する。
  • ノートは、背番号を付けて、絶対に捨てない。あなたの知的財産だ。
  • 毎日、何かを考えて書き続けるアイデアマラソンを実行する

 連載が始まったのは2007年3月30日。当時の経済環境とは様変わりした。だが、2009年に入社する諸君が「ずいぶん不利な状況」と嘆いているとすれば、それはまったくの誤り。逆なのだ。今、入社する諸君のオリジナルな発想と個性を活用して、会社を支え、会社を変革していく気概を持ってほしい。大きなチャンスが待っている。今までのビジネスモデルが通用しなくなったのだから、新しいことを考えなければならない時にある。

 多くの企業の新人研修をしていて、どこの会社でも共通の現象に気がついた。それは、すでに5年間働いている社員よりも、新人たちの方がよほど頭が柔らかいということだった。もちろん5年も働けば、専門分野への造詣も深く、経験も多くなっている。にも関わらず、一般的な発想力から見れば、非常に頭が固くなってしまっているケースがある。それに比べると、入社直後の新人たちの頭は、全般的に柔らかく、さまざまな新しい発想を生み出せるようだ。これは、知っていることに縛られてしまいがちな先輩たちに比べて、新人たちが“知らない”ということも関係があるのだろう。

 一方、ほとんどの会社の新人研修は、新人たちに発想を求めない。本当は会社が新人たちから学ぶことがたくさんあるのに、新しい専門知識の詰め込みだけに専念する。もちろん新しい専門知識は仕事を遂行する上で極めて大切だが、知識の注入と同時に発想を刺激しなければ、知識につぶされる新人を作っていくだけだ。

 そして恐ろしいことに、こうした新人たちの柔軟な発想力は、入社後半年ほどから減衰し、3年ほどで、ほぼ賞味期限が切れて、没個性、没発想となりがち。知らず知らずの間に、自分の最も大切な個性も独自の発想も消えて、ワンパターンに会社色に染まってしまう。良い言い方をすれば、会社文化を理解したというのだろうが、独創性を喪失するとしたら残念だ。

 だから、自分の入社する企業の将来を考えるならば、自分の個性を保ち、自分のオリジナルの発想を大切にすることを、自ら努力していく必要があると思う。そのためには今日からノートに自分の思い、会社への思いを毎日何か書き続けてほしい。1ページ目には開始宣言を書くのがオススメだ。「私は、今日から自分の人生と仕事のために、自分の思いを書き続けることを自分に約束する」。気分もノッてくる。

 先ほど述べた自分のノート(筆者の推奨はA5サイズの20穴ファイルノート、コクヨかマルマン)を即刻入手しよう。ユニークな発想の温存と拡大を図って欲しい。A5ノートを持ち歩くのが邪魔くさいと言っている人は、手帳でも構わないが、発想は文字だけでなく、イラストでも表現できる。なので、A5程度の大きさがオススメである。

 なお、毎日ノートに発想を書き続ける手法は「アイデアマラソン」として、筆者のWebサイトでも提唱している。書き方や実行の具体的方法などは、弊著『仕事ができる人のアイデアマラソン企画術』(トレビス新書)、『一冊のノートで始める力続ける力をつける』(こう書房)に詳しく書いた。『一冊のノートで始める力続ける力をつける』は連載100回を記念した読者プレゼントにも提供したので、ご興味のある人はぜひ応募してほしい。

 この4月に入社する諸君! ぜひこの機会に会社の発想改革の先鋒に立ってほしい。未来の日本を救うのは諸君たちだ。

今回の教訓

 ぜひ困っている先輩たちを助けてあげてください>新入社員諸君――。


連載100回記念読者プレゼントのお知らせ

 樋口健夫氏の著作とBiz.IDの特製ロディア、3分LifeHackingグッズをセットに5名様にプレゼント。また、抽選に漏れた方10名様まで特製ロディアをプレゼントします。

左から(1)『仕事ができる人のアイデアマラソン企画術(ソニーマガジンズ)。若手ビジネスパーソン必読。企画に悩む多くの人にアイデアマラソンを応用した強力な指導書。樋口氏著作の最新作となる。(2)『一冊のノートで始める力・続ける力をつける(こう書房)。若手ビジネスパーソンが起動力と継続力を身につけるためにノートを徹底活用する。(3)『グループ・アイデアマラソン発想法(ジャストシステム)。個人で始めて、グループに広げる企業内アイデアマラソン運動の正式ガイドブック。ジャパネットたかた、ダイキンなどの実例を交えて説明。グループリーダーから部門長、部門長補佐、人事部の研修担当者などにオススメ。

同じく左から(4)『感動する科学体験100(技術評論社)。英国で大ベストセラーの原題『死ぬまでにする100のこと』の翻訳。驚きの体験を100件を読んでみないか。学生、ビジネスパーソン、技術者、職種を問わず楽しめる。(5)『稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術(日科技連)。チームリーダー向け。アイデアマラソンを活用して、強力なチームをつくるための方法。右は(6)Biz.IDの特製ロディア

 以下のフォームからたくさんのご応募、お待ちしております。今後とも樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」をよろしくお願いいたします。


応募フォーム ※締め切りは3月31日受け付け分まで。当選者には別途ご連絡いたします メールアドレス:


氏名(ハンドルネーム可):


ほしい著作と樋口氏へのコメント:※3分LifeHackingグッズは編集部で選ばせていただきます。ご了承ください。


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 個人情報は、弊社で策定いたしましたプライバシーポリシーに則って取り扱いいたします。詳しくは以下のURLにアクセスしてください。

著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちらアイデアマラソン研究所はこちら


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