実は先日、取材で沖縄県那覇市へ行ってきた。沖縄県はビジネスにおいても独特の文化や流れがあるようで、場所作りもまた盛んではない。しかしそんな中、取材場所として訪れたカフェ「Tab'spot」が面白い取り組みをしていたので、紹介したい。
何の準備もない状態で取材に行ったのだが、オーナーの相川浩一さんは快く受け入れてくれた。店内も都心部とはまた違った雰囲気で、何だかゆったりとしている。
Tab'spotには、Wi-Fiやプリンタなどビジネスに必要な環境がそろっている。ただのカフェではなく、ビジネスマンが集まる場所を作りたいと思い、オープンしたのだという。料金はドリンク飲み放題が付いて2時間500円、ゆったりとした空間で、長い時間でもゆったりとくつろげる。
相川さんの本業はダイビングのインストラクターだが、他にもさまざまなことに取り組んでいる。すると、やはり人とのつながりが生まれる場は大切。まだ沖縄にはそういった場が少ないので、「それなら自分で作ってしまおう」と思ったのだという。
ビジネスに必要な機器をそろえるだけでなく、例えば本の電子化サービスやFacebookページでの情報発信、あるいはお客さんが喜びそうな商品も販売している。
人が集まり、そして人と人とがつながっていく。さらに何かがその中で生み出されるようなら素晴らしいですよね。Tab'spotはそのために、これからもより良い場所作りを行っていきたいと思います。
住所:沖縄県那覇市西1丁目12-19
TEL:098-862-3150
営業時間:10〜20時
料金プラン:2時間500円から(ドリンク飲み放題付き)
私も沖縄のビジネス事情はさほど詳しくないが、実はフリーランスワーカーが多い地域だと聞いた。それは沖縄出身者だけでなく、新たな働き方を求めて沖縄県外からやってくる人もいるというのである。
Tab'spotさんのような場所が、実は知らないだけでさまざまな地域にあるのではないか。それならば、まさにビジネスにおいて地域など関係ないと言えそうである。「場所が悪い」なんていう言い訳は、もはや一切通用しない時代になったのだ。
このように、今や仕事をはじめとして「何かをする場所」は会社や自宅だけではない。もちろん多少の利用料は必要になるが、自分の好きなことを実現させるための投資と思えば、決して高いものではないだろう。
たとえ自宅にプリンタやスキャナがなくても、そこに行けば完備されている。あるいはPCそのものを借りられたり、普段なら出会うことのない人とのつながりが生まれるかもしれない。
私は実際にこれらの場所を訪れてみて、非常にワクワクした。もしかしたら自分がこれからやろうと思っていることを、既に始めている人がいるかもしれない。あるいは、自分に足りないものを補ってくれるビジネスパートナーに出会えるかもしれない。
単純な「作業場」としてだけでなく、自らの可能性を広がるという意味でも、是非多くの方々に活用してもらいたいと思う。
こうした場がそろってくれば、もはや「どこにいても仕事ができる」環境はでき上がっていると言っても良いだろう。実はその「仕事」を得る手段も、インターネットが提供してくれるようになっている。それが、クラウドソーシングサービス(※)だ。
(※)不特定多数の人々に業務を委託する形態のこと
次回はこのクラウドソーシングサービスに着目し、その実態やサービス提供者の思いなどをお届けしたい。
「やってみたいことがある」――。そんな人には、きっと一筋の光となるはずだ。
1983年岩手県生まれ、宮城県育ち。人材コンサルティング会社、Web関連会社での勤務を経て、2010年6月にナレッジ・リンクスとして独立。「時間の自由」を第一としたワークスタイルを実践中。多くのSOHOやフリーランスワーカーとパートナー関係を持ち、業務機会の提供を行っている。プライベートでは2人の子どもを持ち、マラソンやトライアスロンにも挑戦。ITやビジネス全般を中心とした執筆活動も行う。
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