いまや携帯電話は、“ゲーム端末”としても魅力あるデバイスになっている。しかし、メモリ容量の制限がある中で表現力を高めるには、それなりの工夫が必要だ。
京都で3月18日まで開催されていた「ケータイ国際フォーラム」の、ソフィア・クレイドルブースでは、携帯電話向けゲームエンジン「SophiaGameEngine」の展示が行われていた。アールフォース・エンターテインメントと共同で開発したもので、“多関節キャラクターを制作・編集できる”点が特徴だという。
同エンジンは、「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」「アームド・パンツァー 紫炎」の、携帯向けJavaアプリケーションを開発する際、利用されたもの。1つのキャラクターを、複数の“関節”グラフィックを組み合わせて表現することで、自由度の高い動きを実現している。
「ロボットでいうと、肩パーツと、足パーツを用意して、歩く際はこれが連動するよう動かす。腕パーツは独立しているので、上下方向に動かして銃を撃つ、といった動きが可能」(アールフォース・エンターテインメントの横山裕一社長)
ジャンプして着地した際は、各関節パーツが密集して“ジョイント部分が沈み込んだ”ように表現するなど、なめらかなアクションが表現できる。
多関節にすることの、もう1つの大きなメリットは、グラフィックデータの容量を圧縮できること。例えば、GIFアニメなどで描写する場合と比べて、「20〜30Kバイトのものが、10〜12Kバイトと、半分以下になる」(横山氏)という。
SophiaGameEngineでは、WindowsのGUIでゲームの編集や制作を行えることも、ポイントだ。グラフィカルなツールを利用することで、プログラマーだけでなくデザイナーも操作しやすいという。ソフィア・クレイドルの杉山和徳社長は、「世界の携帯向けゲーム制作会社に、このエンジンを提供していきたい」とした。
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