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» 2004年04月05日 17時27分 UPDATE

自動車とプリント需要がBluetoothを牽引

世界のBluetooth製品の25%以上が日本メーカー製。にもかかわらず日本で普及しなかったのは、携帯電話の対応が遅れていたからだ。道交法改正を機に、自動車メーカーが背中を押す形で、携帯のBluetooth対応が急速に進もうとしている。KDDIは、自動車とプリンタのBluetooth対応が、市場を牽引すると見ている。

[斎藤健二,ITmedia]

 「日本でもようやく携帯キャリアが採用し始めている。グッドニュースだ」

 4月5日、Bluetooth SIGのマーケティング・ディレクターアンダース・エドランド氏が来日、Bluetoothの現状をこう話した。

 2002年から倍々でBluetooth対応製品の出荷数は増えており、2004年は1億3000万〜1億5000万台の出荷が見込まれる。特に世界の携帯電話の4分の3はBluetoothを搭載しており、「日本以外ではもはや定着」(エドランド氏)している状況だ。

 国内では、ドコモとKDDIがBluetooth搭載端末をついに発表。近々投入を予定している。

Bluetooth携帯の4つの目的〜KDDI

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 ここにきて携帯キャリアがBluetooth搭載に踏み切った理由は、いくつかある。

 ひとつは、道交法の改正により運転中の携帯利用に罰金が科せられることだ(2003年12月の記事参照)。KDDIのBluetooth端末「A5504T」の開発に当たっても、「日本でもこの夏ごろから罰金となる。こうした社会的な要因があって、車メーカーからの働きかけがあった」とau商品企画部モバイルサービス部インタフェースグループリーダーの藤沢修課長は話す。

 A5504Tは、自動車に乗り込むと車載ハンズフリーシステムと自動的に接続し、簡単に電話が利用できるハンズフリープロファイルに対応している。トヨタのプリウスとのデモでは8秒程度で接続が完了する。

※Bluetoothを使って会話をするためのプロファイルとしては、ヘッドセットプロファイルが当初から規定されていた。A5504Tが対応するのは、ヘッドセットプロファイルではなく、カーワーキンググループが定めたハンズフリープロファイルとなる。単なるケーブルの置き換えではなく、車載機器からの携帯電話操作も含めて多彩な操作が可能になっている。国内では、デンソー、松下電器産業、NTTドコモ、東芝、トヨタ自動車、日産自動車などが構成するCCAP (Car Communication Application Promotion) がハンズフリーの規格を定めており、A5504Tもこれに準拠している

 2つめのBluetooth利用目的は“イメージング”だ。メガピクセル級カメラがハイエンド端末では当たり前になるにつれて、撮影した画像の印刷ニーズが急速に高まっている。藤沢氏は「最もBluetoothに積極的なのはプリンタ業界」と話し、今後のBluetoothの普及もプリンタ需要が牽引するという考えだ。

photo プリンターのBluetooth対応も徐々に進んでいる。会場では、エプソンの「E-100」とキヤノンの「PIXUS 80i」を展示。両機種共にBluetoothユニットを接続すれば、A5504TやBluetooth対応カメラで撮影した画像をBluetoothで送信、印刷することができる

 3つめは、これまで同様のPCからのダイヤルアップニーズ。PCを接続してのパケット通信は未だに従量課金のみだが、単価も下がってきているため利用用途は拡大しそうだ。

 4つめは、携帯電話からアドレス帳などを車載機器に転送する機能だ。OPP(オブジェクトプッシュプロファイル)を使い、数10件程度の電話帳ならば2秒程度で転送が行える。

自動車とプリント需要がBluetoothを牽引

 自動車メーカーに背中を押される形で、携帯での採用が始まったBluetooth。今後も、普及を牽引するのは自動車とプリント需要になりそうだ。

 「次の四半期には、各社が3GでBluetooth対応を開始するのではないか」とKDDIの藤沢氏。その後、“年末のプリント需要”と、“大衆車のBluetoothハンズフリー搭載”が、サービス普及を引っ張る。自動車は買い換えサイクルが長いため「(Bluetoothが)実際に普及が進むのは2年後」(藤沢氏)と見ている。

photo 徐々に自動車がBluetoothハンズフリーを搭載してくると共に、毎年年末時期にBluetooth対応プリンタが普及を加速するというのが藤沢氏の描くシナリオ

 KDDI自身は、自らが先導役となってBluetoothを普及させるというよりも、「(全機種ではなく)特定の機種から始めて、接続先の機器の普及に合わせて携帯側の対応も進めたい」(藤沢氏)というスタンス。

 もっとも技術的にはBluetoothはかなり成熟してきた。C413Sの頃は、モジュール価格や消費電力、相互接続性が問題として挙げられることが多かったが、現在は「(価格や消費電力が)普及するのに十分なゾーンまで落ちてきた」と藤沢氏。

 世界のBluetooth製品の25%以上は日本メーカー製だが、ほとんどが海外市場向けなのが現状。携帯電話のBluetooth対応が始まれば、国内向けの製品を出せる素地はある。「日本はこれから飛躍的な伸びが期待される」(エドランド氏)。

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