「BREW+WIN」端末は、待ち受け時に表示されるEZメニューがFlashになっているが((7月16日の記事参照))、W21SAは中のメニューもFlashで作られている。「色や柄が変化するメニューをビットマップで作ると大容量になる。Flashなら軽いデータでメニューの背景や色を変えられる」(腰島氏)
グラフィックフォルダやムービーフォルダでサムネイル表示すると、カーソルを当てた動画やFlashを動く状態で確認できるのも面白い。「ビューワを起動させなくても、内容を確認できるように」(同)との配慮からだ。
動画ビューワは、ムービー閲覧時に「5」キーを押すと、1.5倍速の早送り再生が可能だ。W21SAはQVGAサイズ/15fpsの動画撮影に対応しており、128MバイトのminiSDカードに最大40分の動画を撮影できる。「長時間撮れることをウリにしているので、見たいシーンを探しやすくした」(腰島氏)。
録音機能が新たに搭載されるなど、FMラジオ機能も進化した。もちろんフロントスタイルのままでも選局や録音が可能だ。録音に対応したのは、従来端末ではQCELP(用語参照)やAMRといった通話に耐えうるレベルのフォーマットだった音声圧縮が、「WIN+BREW」では音楽配信などにも使われるAACエンコードに対応したためだ(用語参照)。
録音機能は当初、予約した番組を録音できる機能も検討されたが、「携帯は持ち歩くもの。ユーザーがいつもFMを良好な感度で受信できる場所にいるとは限らない」ことから、搭載は見送ったという。
ラジオ録音時の圧縮フォーマットはAACで、端末内メモリのみの保存となる。ビットレートは固定で24Kbps。内部メモリが空の状態で、約40分の番組を録音可能だ。「24Kbpsの固定にしたのは、KDDIのほかのビジネスモデルとの関係から。あえて落としている」。
W21SAのカメラは、オートフォーカス機能付きの200万画素CCD。オートフォーカスのサーチにかかる時間が短いのがウリだ。これは三洋電機がデジタルカメラ開発で培った技術を活かした部分だと技術管理部部長の川崎秀次氏。「技術開発本部のカメラ設計担当者を、ちょっとのあいだ携帯開発のほうに引っ張ってきて教えてもらうという、社内交流を行っている」。フォーカス合わせを制御するソフトウェアを改良することで、素早いフォーカス合わせが可能になった。
最近では撮った動画や静止画をテレビ出力できる端末が増えているが、W21SAにはプラスアルファの機能がある。データフォルダ内に保存された動画や静止画だけでなく、撮影時の状態もカメラスルーでテレビに出力可能だ。
「ホームパーティなどを撮影しているときに、(被写体側も)どんなシーンを撮っているか、テレビを見れば分かる」(腰島氏)
辞書機能とカメラ、OCR機能を連携させた「カメラde辞書」も面白い。英文にカメラをかざすと、OCRソフトが英単語を読み取って日本語訳を画面上に表示する。「読み取り時に決定キーを押したり辞書を呼び出したりしなくても、かざすだけで意味が分かる」(腰島氏)。この機能は「メインメニュー」-「便利ツール」英単語辞書」の「カメラde辞書」を選ぶと利用できる。
カメラを使ったデータの読み取りは、「Eメールアドレス」「URL」「電話番号」「英単語」にも対応。カメラから「キャラクターリーダー」にアクセスし、「自動」か任意のデータ読み取り項目を選べば読み取りが可能になる。
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