au純増数を上方修正〜好調KDDIの弱点は?

» 2004年10月28日 18時54分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 KDDIは10月28日、2005年度3月期の中間決算を発表した。前年同期比で増収増益、特にau部門の売上が半期で初めて1兆円を突破するなど、携帯事業の勢いがそのまま好決算につながった。

Photo KDDIの小野寺社長
連結ベース 金額 前年同期比
売上 1兆4713億2300万円 +6.1%
営業利益 1624億2700万円 +2.7%
経常利益 1562億7500万円 +5.4%

au部門が牽引、固定はいまひとつ?

 好調の理由は、やはりau事業だ。上期の純増シェアは53.1%で、業界トップを誇る。この部門だけで1兆円を売り上げており、「売上で全体の7割、(経常)利益の9割」(小野寺正社長)を稼ぎ出す。

 WIN契約者数は、9月末で119万。6月末時点で57万3000だったから、この四半期で倍増した計算になる(7月29日の記事参照)。CDMA 1Xと合わせた3G契約者数は、9月末時点で全体の87.2%にまで上昇した。

 純増数は、通期の純増シェア47.8%にあたる約220万を見込んでいたが(4月28日の記事参照)「約250万」に上方修正。さらにARPUの目標値も7140円から「7190円」に修正した。

 着うたフル(10月27日の記事参照)の発表、「talby」(10月20日の記事参照)を始めとする新機種のリリースなど、今後の布石も万全だ。

 ただし、固定通信を扱う「BBC&ソリューション事業」は必ずしも好調とはいえない。この部門だけで見れば前年同期比減収減益で、「固定の再構築をする必要がある」(同氏)という状況だ。集合住宅などを対象にしたFTTHサービス「光プラス」(10月8日の記事参照)も上期末で5万3000回線の契約に留まり、当初“2005年度3月期末時点で20万回線”と掲げていた目標を、半分の10万回線に下方修正した。

 「集合住宅の各棟に引き込む作業は順調に進んでいるのだが、各家庭に契約してもらう部分が遅れている」。レガシー系の音声収入減も響いて、「厳しい傾向」(同氏)にあるようだ。

 今後は、先日発表した直集型の音声サービス「メタルプラス」(9月15日の記事参照)に注力することで、固定系のてこ入れを図る。また、ソフトバンクが発表したG-PONによる戸建て向けのFTTHサービスにも追随する考え。「開始が近づき次第、発表する。(集合住宅向けの)光プラス同様、テレビ・電話・データの3点セットで考えており、競合他社に比べて競争力は十分あるだろう」とした。

固定通信をとりまく環境

 好調KDDIの抱える少ない“弱点”ともいえる固定通信だが、この分野ではソフトバンクが攻勢を強めている。先日もC&W日本法人を買収するなど(10月26日の記事参照)、法人市場を狙って体制強化を進めている。

 小野寺氏は、「固定の法人向けサービスは音声収入の落ち込みを、イーサVPNなどの新サービスでカバーできていない状況」と話す。

 「増収を見込みたいが……現状は難しい。法人は非常に厳しい分野。ソフトバンクがどう考えているのか分からないが、利益を出しにくい市場と考えている」とコメントした。

 ソフトバンク傘下の日本テレコムとも、「メタルプラス VS おとくライン」という構図ができ上がっている。おとくラインは9月から受付を開始しているが(8月30日の記事参照)、KDDIは12月の受付開始。会場では“受付を前倒しで始める予定はないか”問う声も上がった。

 小野寺氏の答えは、「特に変えるつもりはない」。メタルプラスのような固定電話サービスを提供するにあたっては110番/119番などの緊急通報整備が義務付けられているが、「消防などと話し合っているが、正直難しいところがある」(同)。ここをしっかり解決せずに予約販売しては、いざ本サービス提供にあたって加入できないこともある――と、慎重な姿勢を見せた。

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