一定の条件下で可能だ。結論から言うと、かなり面白く使える。購入したら、個人利用の範囲でぜひ試してみてほしい。
W52Tで再生できる動画は、VGA(640×480ピクセル)サイズまで対応する。筆者が試した限りでは、3gp2フォーマット、つまりEZムービーと同じ形式で、音声はAACのステレオをサポートすることが確認できた。
3gp2フォーマットの動画は主にQuickTime Proなどで作成できるが、VGAサイズは例外的なサイズということもあり、単純に解像度を640×480ピクセルに設定して作成しただけでは再生できなかった。
そこで筆者が試したのは、「携帯動画変換君」(Calcium氏作/フリーソフト)と、Webで公開されているW44T向けの設定ファイルを組み合わせた方法。この設定ファイル内の項目の一部を「-s 320x240」から「-s 640x480」に変更し、作成。この640×480ピクセルの動画ファイルが本機で再生できた。
加えて、ビットレートも2Mbpsまで問題なく再生できることも確認した。圧縮率の高いMPEG-4なので、640×480ピクセルの解像度でも2Mbpsに上るほどのビットレートは必要ないかもとは思うが、PCで再生してもほとんど破綻を感じないクオリティの動画を、同じように滑らかに再生できる本機に改めて驚かされる。ちなみにこの検証用に作成した動画の音声コーデック/ビットレートはAAC 192kbps。音声データもかなり高品質のものが使える。
なお、PCからmicroSDカードへの保存は、microSDの「¥PRIVATE¥AUINOUT」ディレクトリに適当なファイル名+拡張子.3g2でコピー。次にW52Tから「SDカードメニュー」→「PCフォルダ」を選択し、“取込”を実行する。microSDにコピー後、本体でEZムービーとして認識させるために“取込”の作業を行うというイメージになる。ちなみに“取込”先は外部メモリカード/本体メモリどちらかを選べる。
W52Tには、アスペクト比4:3の動画を引き伸ばして、ディスプレイいっぱいに表示するような機能はない。
もう1つ、上記で紹介した方法で400×240ピクセル、640×368ピクセルというようなアスペクト比が同一で、拡大されるならディスプレイいっぱいに表示されるだろうと思われる動画ファイルでも試してみた。残念ながらこれらサイズの動画は再生そのものが行えなかった。ちなみに800×480ピクセルとなる、本機のディスプレイ解像度と同一かつ再生可能なフォーマットの動画データは、いわゆるSD品質の枠を超えるものとなる。そのためQuickTime Proや携帯動画変換君では作成できなかった。
というわけで、今回試したところではワンセグ系以外で本機のディスプレイいっぱいに横表示することはできなかった。こちらは追って検証していくことにする。
前回再生した動画をもう一度再生してみると、前回の停止位置から再生が再開された。つまりレジューム再生に対応しているようだ。
ちなみに再生停止後に待受画面へ戻り、適当なほかの機能(Webやアプリなど)を何種類か使用した後でもレジュームは有効だった。
正確には、その停止位置と再開位置が数秒ほど前にずれてしまうこともある。しかしこれはMPEGのデータ構造であるGOPの関係と思われる。ともあれ、長時間の動画を保存しておける本機だけに、ちょっと中断→またそこから再生というような使い方ができるのはうれしいところだ。
最近のau端末では最大約500Mバイトの動画ファイルが扱える、というより制限がある。W52Tではどうだろうか。
W52Tに2GバイトのmicroSDカードを用いて確認した限り、ファイルサイズ1.05Gバイトのものは再生できなかったが、930Mバイトのものは再生できた。というわけで、どうやら1Gバイト程度まで上限が拡張されたようだ。
もっとも本機で再生できる1Gバイトの容量の動画となると、2Mbpsなら約1時間、1Mbpsで約2時間ほどとなる。携帯で再生できる動画と考えてみるとかなりすごい。
なお、1Gバイトの制限ぎりぎりとなるよう768Kbpsでエンコードしてみると、2時間15分の長さのものまで再生が確認できた。W52Tで再生する限り、VGAサイズで768Kbpsでもほとんど問題なく視聴できる。
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