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» 2008年07月14日 07時00分 UPDATE

香港でも“iPhone 3G祭り”:香港は“抽選販売”のiPhone 3G、熱気に包まれたイベント会場

香港でも7月11日からiPhone 3Gの販売が始まった。早くも“オークション”に登場するなど、諸外国と負けず劣らずの熱狂ぶりが見られる香港のユーザーの反応はどうなのか、また、香港で熱狂的に支持される理由は――。さまざまな角度から香港のiPhone 3G人気を検証する。

[山根康宏,ITmedia]

 「iPhone 3G」解禁日の7月11日、香港でも販売が始まった。日本だけでなく、海外の各国でも“徹夜組”が列をなす光景が見られたが、香港では初回分が「抽選販売」方式となったため、少し様子が違う。しかし、iPhone 3Gに対する熱狂ぶりは、各国に負けず劣らずの様相を呈している。

 香港では、HutchisonがAppleとiPhone 3Gの販売契約を結んでいる。Hutchisonは7月1日にiPhone 3Gの料金プランを発表し、同時にオンラインで販売初日分の優先購入申し込みの受け付けを開始した。初日は“iPhone 3G 香港ローンチイベント”会場のみの販売となり、市内のHutchison店舗では販売されない。このため、Hutchisonの各店舗に行列ができることはなく、香港では“発売前日深夜から開店時間を待つ”といった光景は見られなかった。

 初日の販売台数は1500台で、うち1000台はHutchisonの優待顧客向け。一般ユーザー向けは残りの500台のみで、応募者数がそれを越えた場合は抽選になる。現地の新聞によると、締め切りまでの8日間で約6万人が応募したといい、120倍というかなりの高倍率となった。なお、応募にあたっては香港住民のIDカード番号が必要で、重複した応募はできないようになっていた。

抽選販売ながらイベント会場は大盛況

 7月11日の10時30分から開催されたiPhone 3Gのローンチイベント会場では、Hutchisonのトップが登場する式典が行われるとともに、初日購入の栄誉を手にしたユーザーへのiPhone 3G販売と契約作業が開始された。初日販売分の購入権を持つ1500人は、その日に会場に行けば確実に購入できるのだが、それでもいち早く手にしたい人が会場となるショッピングセンターの入り口に集まり、数十人程度の行列ができたという。

sa_hk001.jpgPhoto ローンチイベントは巨大ショッピングセンター“Harbour City”内の特設会場で開催された。契約ブースはこの左手に設営されている。カラフルな「3」の表記はHutchisonのブランド名。イベントにはHutchison関係者らが登場した

 iPhone 3Gの販売は、抽選と優待客への優先販売ということもあり、当初は淡々と契約、購入作業が進むものと思われた。しかしイベント会場には多数の顧客やメディア関係者などがつめかけ、ほぼ1日中熱気に包まれていた。集まったメディアの数は50社以上、取材スタッフも100人以上にのぼり、香港のメディアに加え、中国大陸や台湾のメディアも取材に駆けつけた。

 香港や中国、台湾では、初代iPhoneが並行輸入品として多数出回っており、iPhoneそのものの認知度は非常に高い。今回は初の正規品として香港で販売されることから周辺国からの注目度も高く、それが各国メディアの殺到につながったようだ。

 また、ショッピングセンター内に特設会場が設置されたことから、たまたま通りかかった通行客なども興味深そうにイベントの様子を眺めていた。さらに、抽選には外れたものの、当日の購入にいちるの望みを託して確認にくる人の姿も多く、受付には始終人が絶えなかった。香港では、このイベント会場以外での当日販売はなく、次回以降の一般販売の開始時期が現時点で未定ということもあり、“だめもと”で駆けつけた人も多かったのだ。

 イベントでは、香港で最初にiPhone 3Gの契約を開始した人が契約書に記入したり、iPhone 3Gを初めて手にしたり、契約が完了したりするたびに多数のメディアが押しかけてインタビューや写真撮影を行っていた。購入者も満足そうな笑みを浮かべて応対していたが、どうも本人以上にメディア関係者のほうが興奮していたようである。

sa_hk003.jpgPhoto メディアの数も多く、iPhone 3Gの注目度は非常に高い。香港で最初にiPhone 3Gを受け取ったユーザーの一挙一動にメディアが注目。無事、契約が完了したあとも延々と取材が続いた

早くもオークションに登場、約23万円の値が

 ほかにも友人同士で会場に訪れるなど、iPhone 3Gの購入そのものをイベントとして楽しむ人の姿も見られた。午後には市内のレストランや会社の事務所などで、買ったばかりのiPhone 3Gを見せびらかすユーザーの姿もちらほらと見られた。筆者もたまたま訪れた某携帯電話ショップで、ユーザーが持ってきたiPhone 3Gの品評会が行われている光景を見かけたほどだ。さらには、早くも香港のオークションにiPhone 3Gが登場。購入後すぐに転売にかけられたもので、メディアによると最高価格は1万6800香港ドル、日本円換算で約23万円もの値段が付いたとのことだ。

 ちなみにイベント会場でのiPhone 3G購入方法は以下のとおり。まずは受付で自分の登録番号か携帯電話を伝え、整理券を受け取って列に並ぶ。購入・契約を行う仮設カウンターには40席ほどが準備され、自分の順番になるとスタッフが空いている席へ案内してくれる。その場で契約作業を行うと同時にiPhone 3Gを受け取り、支払いを済ませれば無事完了。受け付け開始から受け取りまでは30分くらいかかるようであった。

sa_hk011.jpgPhoto まず受付で整理券を受け取る。受付に並ぶEeePCにも注目したいところ。自分の順番が来るまでは列に並ぶことになるが、実際はスタッフが呼び出してくれる

sa_hk013.jpgPhoto ずらりと並んだ購入・契約カウンターは40席ほど。朝から数百人の申込者が押しかけており、席は常時埋まっていた。契約と支払いを行えば、その場でiPhone 3Gを受け取れる

香港のiPhone 3Gは“SIMロックなし”――香港で人気の理由は

 香港では、注目度の高い端末の販売例は多く、発売と同時にケータイショップや家電量販店で即完売になる端末も少なくない。2007年には“ブランド製品”として大きな注目を集めた「The PRADA phone by LG」も販売されている。しかしiPhone 3Gは、こうした端末よりもひときわ注目度が高く、販売イベントも大きな盛り上がりを見せていたように感じる。

 理由の1つは、iPhoneの香港における正規販売が待ち望まれていたことだ。米国で初代iPhoneが発売された直後から、香港では並行輸入品として初代iPhoneが販売されていたが、そのままでは利用できないことから、ハードウェアの改造やソフトウェアによるロック解除などを行ったものが流通していた。これまでは、“正規販売ではない”という理由から購入をためらう人が多かったわけだ。

 2つ目は、販売モデルの違いから、香港での正規販売がいつになるかが不透明だったことだ。他メーカーの携帯電話であれば、香港以外で発売されたモデルでも、いずれは香港で正規販売されることがほとんどだ。これはGSM/W-CDMA市場では、端末メーカーが販売するのが主流で、通信事業者の意向に関係なく、メーカー自らが端末を販売できるからだ。

 しかしiPhoneは、アジアやヨーロッパで主流ではない「通信事業者モデル」を採用しており、香港での正規販売を実現するためには、香港の携帯事業者がAppleと提携する必要があった。こうしたビジネスモデルの違いから、“香港での販売は当分ない”と考えられていたが、iPhone 3Gについては、HutchisonとAppleが販売契約を結んだことで販売が実現。“待ちわびていた製品がようやく正規品として登場した”ことも、人々を熱狂させた理由の1つだろう。

 さらに、抽選による限定販売方式を採用したことも、イベントを盛り上げるのに一役買った格好だ。幸運な当選者はどんな人なのか、他の人に先駆けてiPhone 3Gを入手した人の気持ちは――といったことは、メディア関係者だけでなく香港人の間でも話題になっていたはずだ。

 そして香港で販売されるiPhone 3Gには、SIMロックがかかっておらず、Hutchisonの契約で購入しても、他社のSIMカードを入れてそのまま利用することが可能なのだ。香港では、携帯事業者が販売する端末も、メーカーが直接販売する端末も同等品であり、いずれもSIMロックがかかっていない。

 最近では、事業者で契約すると端末を割引価格で購入できるような買い方も登場し、iPhone 3Gも契約内容次第では無料で入手できる。“Hutchisonと契約してiPhoneを安価に入手し、契約したSIMカードは別の端末で家族などに利用してもらい、自分は現在利用している他の事業者のSIMカードを利用する”――といったことも可能なわけだ。こうした使い方をしても、事業者側からのおとがめのようなものは一切ない。このように、魅力的な製品が契約の仕方によっては安価で購入できるのも、iPhone 3Gの人気の1つになっているようだ。

sa_hk015.jpgPhoto スタッフは全員おそろいのTシャツを着用。通行客などには特製のパンフレットが配布されていた。またモデルの衣装も本体にあわせて黒と白

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