923SHは、シャープの液晶テレビ“AQUOS”ブランドの名を冠した第5世代目の「AQUOSケータイ」となる。これまでのAQUOSケータイと同じく、大型液晶を搭載し、画面が横に回転するサイクロイドスタイルを採用したのが特徴だ。
フラッグシップモデルならではの多彩な機能の中でも、やはり注目すべきは“AQUOSケータイのテレビ機能”であるワンセグだろう。
実際のところ筆者は普段、あまり地上波のテレビ番組を見ない。そのため、ワンセグについても“なくてもいいかな”と思うのだが、最近購入した機種はほとんどがワンセグを搭載している。常に複数の機種を持ち歩いているので、“どれかがワンセグに対応していればいい”と思うところもあるが、普通の人は通常1台しか持ち歩かないことを考えると、購入時の機種選びで「ワンセグが必須」と思うのもうなずける。
今回、このロードテストのタイミングで北京オリンピックが開催されていたので、ワンセグを利用してみたところ、初めて便利さを実感した。
リアルタイムで見る場合、時差のある地域での開催なら深夜から早朝にかけて中継されるため、睡眠時間を削って“家でゆっくり”見ればいい。しかし、時差1時間の北京オリンピックはそうもいかなかった。仕方なく、仕事の合間の移動時間などにちょろちょろとワンセグで視聴していたのだが、意外と多くの見どころを生でチェックできた。
この体験が、筆者のワンセグに対する見方を「搭載してくれていたほうがいいし、搭載しているなら“使える”ものじゃないと困る」というふうに変えた。
筆者が考える使えるポイントは、「電波の感度がいいかどうか」。923SHは、きちんとホイップアンテナを搭載しているだけあって、電波の入りはなかなか良好だった。都内の自宅や仕事場など、複数の場所でチェックした限りでは、普段持ち歩いているドコモの「D905i」よりも1段階上といった印象を受けた。
また実際に使って、改めてその便利さを実感したのが、サイクロイドスタイルの横画面によるワンセグ視聴や、マルチウィンドウで2画面にした際のテレビとメール/Webの同時利用だ。
923SHのワンセグ視聴中に、メニューから番組情報検索を選ぶと、視聴しているテレビ番組の情報を、より手軽にWebで検索し、情報を得られる。ここもなかなか便利なところだ。
機能面でも、“ワンセグの全部入り”といえるほど、さまざまな機能を搭載している。中でも、受信した映像のフレームをソフトウェアで補完し、30fpsにする「なめらかフレーム補完」や、録画中の番組をリアルタイムで視聴しながら頭出しやスキップ再生できる「追っかけ再生」機能など、最近のトレンド機能が用意されている。
ただし、初期設定でなめらかフレーム補完がオフになっているなど、少し疑問に感じる部分もあった。これはバッテリーの持ちを考慮したのだろうか。なめらかフレーム補完をオンにするには、左ソフトキーを押してメニューを表示させ、詳細設定の中にある「なめらかフレーム補完」で設定する。
ほかにも、AVポジションによるモード選択、ヤマハのオーディオチップ「AE-2」および高音質化技術「Spacious Sound」に対応したサウンド設定、30分までの本体メモリへの録画、静止画キャプチャ、録画映像のスライダーバー操作、予約録画、くり返し録画、ワンタッチズーム、タイムシフト再生、Bluetooth対応ワイヤレスヘッドフォンなどといった機能が利用できる。
このように、ワンセグも機能満載の923SHに、あと欲しい機能があるとすれば、やはり“お風呂でテレビ”を実現する“防水機能”くらいだろうか。だとすると、、ロードテストの第1回で、読者の方に「これがあるじゃないか」とご指摘いただいたauの「G'zOne W62CA」も魅力的に映ってくる(これがワイドVGAなら、なおいいのだが……)。しかし、ホワイトプランの1時〜21時の無料通話サービスは捨てられないし……。孫社長、次の全部入りAQUOSケータイは防水にしてください!
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