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» 2008年12月24日 21時56分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2008年の“注目ケータイ”(編集部平賀編):よく考えると「N906iL onefone」ってすごいなと思う

マルチキャリア戦略で日本のスマートフォン市場を席巻したHTC端末や、2台目シンプル需要を狙い打ちした「HONEY BEE」も注目だが、コンシューマーに無線LANでケータイを使わせようとした「N906iL onefone」の試みはすごいと思う。

[平賀洋一,ITmedia]

 今年の携帯電話業界は、通信速度の向上が目立った1年だった。データ通信では2007年末にイー・モバイルが下り最大7.2MbpsのHSDPAサービスを開始し、2008年12月からは上りを1.4Mbpsに高速化するHSUPAサービスも開始している。音声端末ではNTTドコモが4月から、イー・モバイルが10月から、ソフトバンクモバイルが11月から下り最大7.2Mbpsの高速通信を開始した。auも、下り最大3.1Mbps/上り最大1.8MbpsのEV-DO Rev.Aに対応したKCP+端末が普及し、パケット通信速度が全体的に底上げされたと思う。

 実効速度は理論値よりもかなり低いだろうが、ケータイからのWebアクセスはかなり快適になった。それに合わせて、YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトをケータイから使う機会が増えた。高速なパケット通信に対応している端末はワンセグも備えていることが多いが、地下や建物の中では放送波の入りがイマイチ悪い。外出時のちょっとした暇つぶしにIKUZOコンテンツを楽しめるのもケータイならではだ。

世界的に売れているらしい「Touch Diamond」

photo 「Touch Diamond」

 HTC製のWindows Mobile搭載端末「Touch Diamond」は、国内ではイー・モバイル(S21HT)とドコモ(HT-02A)、ソフトバンクモバイル(X04HT)から発売された。スライド式のQWERTYキーボードを備える「Touch Pro」もドコモ/ソフトバンク/KDDIとマルチキャリアで登場する。細かいデザインや最大通信速度、キャリアメールへの対応などで違いはあるが、同じハードウェアがほぼ同時に3つのキャリアから販売されるというのは珍しい。キャリアのサービスにあまり依存しないスマートフォンという面もあるだろうが、端末メーカーと通信事業者の関係が変化したことを示す象徴的なモデルかもしれない。

 iPhone対抗機などといわれるTouch Diamondだが、中身は良くも悪くもWindows Mobile機。ホーム画面は独自ユーザーインタフェースの「TouchFLO 3D」が採用されており指先で扱えるが、設定画面や個々のアプリのインタフェースはWindows Mobileのままなので、スタイラスペンが必須だ。ただ、ボディサイズがiPhoneよりも一回り小さく、日本人の手のひらにフィットするのがうれしい。またイー・モバイル版のS21HTは下り7.2Mbpsの高速通信に対応した外部モデムとして使えるなど、モバイルPCのお供としても魅力的だ。

カップルに売れているらしい「HONEY BEE」

 2月に発売されたウィルコムの「HONEY BEE」は、京セラ製のシンプルなストレート型PHS端末。ポップなカラーバリエーションとボディデザインで人気を博し、11月にはカメラ付きの「HONEY BEE 2」も登場した。

 定額通話をウリにするウィルコムには、「nico.」や「9(nine)」などのストレート型シンプル端末がラインアップされている。いくらストレート端末に一定の固定客がいるとはいえ、こんなに似た機種を増やして大丈夫かと思ったが、2台目にシンプルな端末を求めるニーズはかなりのものらしい。

 もっともHONEY BEE/HONEY BEE 2はサイズもコンパクトでデザインも良い。カラーバリエーションも豊富で、ツヤ有りとマットの2種類の仕上げも雑貨的で面白い。店頭ではカップルで買い求めるケースが多いそうで、いろんな意味でうらやましい端末だ。

photo 「HONEY BEE 2」

残念ながら売れなかったらしい「N906iL onefone」

photo 「N906iL onefone」

 NEC製の「N906iL onefone」は、無線LAN機能を使って最大54Mbpsの高速通信が可能なドコモ端末。スマートフォンなら無線LAN機能を持つものは多いが、音声端末となると選択肢はぐっと少なくなる。無線LANで何をするかというとフルブラウザからのWebアクセスなのだが、「ホームU」というサービスに加入すればiモードやiモーションも無線LANで接続でき、同じくホームUに加入しているN906iLと無料通話も可能になる。

 と、ここまで聞くとかなり便利そうに感じるが、無線LAN接続ができるのはホームUに対応したルーターがある屋内に限られ、さらに接続回線もNTT東西のフレッツADSLやBフレッツでなければならないなど、条件が厳しい。いろんな意味で先進的過ぎたのと月額980円という微妙な価格も相まって、あまり普及していないようだ。しかし、キャリアの認証が必要なコンテンツに、オープンインターネットから高速にアクセスさせるのは意欲的だと思うし、ブロードバンド網を活用する意味でも無線LANからWebアクセスできるケータイというのは魅力的だ。今後ともぜひ、無線LAN端末や対応サービスのバリエーションを増やしてほしい。

 もっともN906iLは、同じNEC製で無線LAN機能を搭載した法人向け端末の「N902iL」や「N900iL」をリプレースするのが主な役割であり、コンシューマー市場であまり売れないのは折り込み済みのようなのだが。

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