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» 2009年11月12日 12時30分 UPDATE

写真で解説する「HYBRID W-ZERO3」 (1/2)

PHSと3.5G(HSUPA)のネットワークが利用可能な「HYBRID W-ZERO3」は、これまでのW-ZERO3シリーズをさらに使いやすく進化させたモデル。伝統のQWERTYキーをやめ、縦スライドボディを採用したHYBRID W-ZERO3の試作機をチェックした。

[園部修,ITmedia]

 ウィルコムが11月11日に発表したスマートフォンの最新モデル、「HYBRID W-ZERO3」は、W-ZERO3の名を復活させた、“ウィルコムスマートフォンの原点に立ち返った”モデル。最大の特徴は、パケット通信にWILLCOMのPHSネットワークに加えて、3G(HSUPA対応)も利用できる点で、これまで多くのユーザーが不満に感じていた、データ通信素を大幅に改善する。さらにはWindows Live連携機能や、日本のケータイユーザーが慣れ親しんだダイヤルキーとユーザーインタフェースを採用し、日本製ならではのスマートフォンとして開発された。

 OSにはWindows Mobile 6.5 Professionalを採用。これまでW-ZERO3シリーズは、3G通信機能を持たなかったため、伝統的にWindows MobileのClassicバージョンを採用してきたが、HYBRID W-ZERO3からは他社のスマートフォンと並べても、機能面、OS面ともに遜色なくなっている。

 発売は2010年1月の予定だが、現在開発中の試作機に触れることができたので、ここで簡単に紹介したい。

PhotoPhoto ボディカラーはプレミアムゴールドとノーブルブラックの2色。ディスプレイは3.5インチのフルワイドVGA(480×850ピクセル)表示に対応。感圧式のタッチパネルも備える。背面にはヘアライン加工されたアルミのような仕上げになっており、高級感がある。
PhotoPhotoPhoto 左側面に赤外線通信ポート、右側面にイヤフォンジャックやシャッターキー、シーソー式の+/−キーなどを備える。金属調の帯はダイヤルキー側ケースの外周を一周している
PhotoPhoto 上部にはストラップホールを用意。底面にW-SIMスロットとmicroUSB端子がある
PhotoPhotoPhoto 左がHYBRID W-ZERO3、右がWILLCOM 03。閉じたときのボディサイズはそれほど変わらない印象。ディスプレイが480×854ピクセルのフルワイドVGAになり、表示できる情報量が増えているのがうれしい。十字キーとソフトキーはクリック感のある物理キーになった

通信回線は3GとPHS、GSMにも対応可能

 HYBRID W-ZERO3は、通信方式にW-CDMA 800/2100MHzを採用している。これまでのW-ZERO3シリーズの端末とは異なり、本体に3Gの通信機能を搭載しているのだ。下り最大7.2Mbps、上り最大5.7MbpsのHSUPAに対応しており、既存のW-SIMでは最大204kbpsが上限だった通信速度を大幅に上回る通信速度を実現した。バッテリーカバーの内側には、3G用のSIMを装着するスロットを備える。

 もちろんW-SIMのスロットも備え、PHSによる通信は、ここにW-SIMを装着して行う。HYBRID W-ZERO3向けに、W-OAM typeG対応W-SIM(RX430AL)が2010年1月から販売予定となっており、W-SIM経由でも最大400kbpsでの通信ができる。さらに、3G用のSIMスロットの隣にはもう1つSIMスロットを装備しており、テクニッコジャパンが2010年1月に発売予定のGSM対応W-SIM「CM-G100」をW-SIMスロットに入れ、GSM用のSIMを装着すると、GSMでの通話・通信ができるようになる。

 2つ用意されたSIMスロットは、1つが本体に内蔵した3G用、もう1つはW-SIMスロットとつながっている汎用のもの。汎用スロットは、今のところGSM対応W-SIMのみが対応するが、仮にほかの通信方式に対応したW-SIMを開発すれば、そのW-SIMからもSIMスロットが利用できる。2008年春にウィルコムは、中国網通と中国版W-SIMの共同開発を発表しており、このW-SIMも利用できる可能性が高い。

PhotoPhoto バッテリーカバー内の下部に2つのSIMスロットとmicroSDHC対応のメモリカードスロットを搭載。SIMロックはかかっていない。バッテリー容量は1240mAhと大きめ
PhotoPhoto 左がテクニッコジャパンから発売予定のGSM対応W-SIM(色はオレンジ)、右がHYBRID W-ZERO3とセットで発売されるW-OAM TypeG対応のW-SIM(色は黒)。GSM対応W-SIMは、本体の汎用スロットにSIMを装着する必要がある

 ちなみに3G・汎用のどちらのスロットもSIMロックはかけていないそうで、3Gのスロットに800MHz/2100MHzでの通信が可能な通信キャリアのSIMを差せば、保証はしないが理論的には動作するはず、とのこと。GSMのW-SIMを装着すれば、海外に行ったときに現地の安価なプリペイドSIMを手に入れて、GSMネットワークでの電話・通信をすることも容易だ。

※編集部注:HYBRID W-ZERO3の3G通信機能はパケット通信機能しかなく、音声通話には利用できない。また、他キャリアのSIMを装着した場合、アクセスポイントなどの設定はユーザー自身で調べて設定しなおす必要がある。

 3GとPHSの優先順位は、出荷時は「3G優先」になっているとのこと。PHSは音声通話がメインで、パケット通信は主に3Gを使うことになる。もちろん優先的に接続する先をPHSにすることも可能だが、そうすることによる料金的なメリットは、おそらくそれほど出ないような料金体系になるそうだ。

 チップセットはQualcomm製のMSM7200A。とはいえ、PHSと連係して動作する必要などもあり、内部はかなりカスタマイズされている。最近はWindows Mobileが非常に軽快に動作する1GHz動作のSnapdragonを搭載した機種も出てきているが、MSM7200AのARM11コアは528MHz動作。このあたりは操作性に差が出てきそうだが、製品版でどうなっているかが楽しみだ。

 このほか、IEEE802.11b/gに準拠した無線LANやBluetooth 2.0にも対応。シーンや用途に合わせて、最適な通信方式が選べる。アプリによるモバイルルーター機能も有料にて提供予定で、PCと接続した通信も定額で行えるようにするという。

 気になる料金プランは、2010年1月の発売が近づいてから改めて発表するという。とはいえ、他社と比べて高めの料金設定では、ユーザーからの支持を得るのは難しい。ウィルコム データ通信企画室 室長の須永康弘氏は「PHSと3Gの通信料を単純に足したような料金にはしないつもりです。端末・料金ともに、これ(HYBRID W-ZERO3)1台でいい、と思っていただけるものにしたいと考えています。業界最安値を狙っていますので期待してください」と自信を見せた。

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