ニュース
» 2013年10月18日 12時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:「AndroidもFirefoxもネットワークも気合いを入れていく」――KDDI・田中孝司社長単独インタビュー (1/2)

800MHzプラチナバンドLTEを開始し、ネットワークの優位性をアピールしているKDDI。田中孝司社長に単独インタビューし、ネットワーク中心に話を聞いた。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 800MHzプラチナバンドLTEを開始し、俄然、勢いに乗っているKDDI。iPhone発売セレモニーで田中プロは「ダントツ田中と呼んで欲しい」と自己紹介するなど、ネットワークの広がりではダントツに優位に立っているとアピールする。

 今回、KDDI田中孝司社長に単独インタビューすることができた。すでに一部は日経新聞電子版に掲載されているが、メルマガでは電子版コラムでカットされている部分も含めてお届けしたい。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


田中社長 石川さん、なんで石垣島なんて行ったんですか。石垣島に彼女でもいるのですか。

(日経新聞電子版掲載の「プラチナバンドの実力 新型iPhoneのLTEを試す」という記事を読んでくれていた模様)

―― いやいや。今年、夏休みに一度、石垣島に行ったんですが、あまりに各社のLTEネットワークが貧相だったもので。そのなかでもKDDIのAndroidだけはLTEネットワークが広かったので、新型iPhoneが手に入ったその足で石垣島に行って試しました。でも、石垣島から6キロ離れた竹富島でも2GHzのLTEが入り、ビックリしました。

田中社長 意外と沖セル(沖縄セルラー)って2GHzもいいんですよ。2GHzのほうが広かったんじゃないかな。頑張ってますよ。気合い入れたんですけど。

―― 今回の冬商戦ラインナップ、Xperia Z1やGALAXY Note3もあって、相当、気合いが入っていますね。

田中社長 多すぎたかな、とは本音で思っている。3社がiPhoneで一緒になる。Androidに行く人もいる。AndroidがiPhoneに隠れるのは良くない。不幸なんじゃないかと。

 iPhoneをないがしろにしているわけではなく、外国にいって、ものを買うときに同じ製品が並んでいてはつまらない。それに繋がるものが、あると楽しい。今日はお金ないので本体だけを買うということもできる。

 ちょっと気合いを入れようと、それなりにラインナップを揃えた。Xperiaもドコモと同じタイミング、サムスンのノートもやる。GALAXY Gearもあるし、しかもカラバリで。

 LGエレクトロニクスと一緒にやるisai。isaiもわりと頑張った。LGもデザインが日本人テイストではないので、うちのテイストのデザイン、日本人っぽい、ボリュームゾーンを狙った。ユーザーインターフェースも縦横のユーザーインターフェースを入れて、いいんじゃないかな。アクセサリーも揃えた。あとは、京セラ、シャープ、富士通、それなりに頑張ったかな。

 我々としては、もう少し、もう一段、新しいところに行きたい。コンテンツ側はまだお話ししていないが、気合いを入れていこうと。10月の後半に発表をやる予定。端末ラインナップとコンテンツという2段構えになっている。

―― ネットワークはどうでしょうか。

田中社長 (新しいiPhoneでは)ピクト表示をauに変えた。気持ち的には障害があって、誤解を与えるかも知れないが、これまで一生懸命に新しいau 4G LTEを作ってきた。何が新しいかというと、ネットワークは800MHzがベースバンド。ダントツといったが、きっとそう感じてくれる。都心は差分を感じないかも知れないが、地下でも変な場所でも感じてもらえる。田舎にいっても、差分として感じてもらえる。

 2GHzがスピードが出なくてご迷惑をかけているが、10MHz化が23区の外まで来ている。1.5GHzも並行して打っている。800MHzであふれそうになったら、2GHz、1.5MHzに持って行く。

 2GHzの広帯域化がもう少しで終わる。2GHzもお約束したとおり、エリアも90数%になっていくので、良くなっていくだろう。

 ネットワークに関するモメンタムをもう一度、戻したい。ラインナップも、みんな一緒だよねというのは決して言っちゃいけない。iPhoneが一緒になるのは仕方がないが、それでは面白くない。Androidもチャレンジしていく。

―― ソフトバンクが自分でつながりやすいと言っているが。

田中社長 ソフトバンクも頑張っているのはそのとおり。でも広さや浸透では我々が先行っていると思っている。

 ソフトバンクは地方が厳しい。やっぱり、東北新幹線、東海道新幹線は自信があるが、東北新幹線は圧倒的に、ソフトバンクは3Gでの接続が多くなる。うちは東海道新幹線とほとんど変わらないくらいLTEが繋がる。

―― ソフトバンクは接続率を持ち出してアピールしていますが。

田中社長 あれは僕らが持っている内部データとは違う。僕らも(調査を)やっている。やっているに決まっているじゃないですか。

 何で速度が落ちているか、スループットもビッグデータで調査しているが、直すのが大変。この辺だというのがわかるか、それがどこだかピンポイントではわからない。ある一瞬だけダメという状況を詰めていくのが大変。ツールでやるだけではなく、いまは人海戦術で継続的に調査している。

―― 今回、ドコモがiPhoneの取り扱いを開始しましたが、脅威に感じますか。

田中社長 メールのプッシュの準備、MMSも準備できていないし、ドコモさんは大変だよね。うちは1年くらいかかったもんね。

 バッテリーもドコモのiPhoneと比べて、うちのほうが持ちますよ。ドコモさんはバッテリーが持たない。(ネットワークとの)調整が悪い。うちも(他社を)調べまくってますから。

 エリアに関してはうちが1年はリードできるのではないか。そのあとはどうなるかわからないが。ドコモさんがよくわからない。ドコモはお金いっぱい持っているから、エリアが広いかと思いきや、そうではない。なんでかよくわからない。ネットワークが広がっていないのは、なんでなんですかね。

―― 新しいiPhoneが発売され、振り返ってみてどうですか。

田中社長 いいんですよ。ドコモ、ソフトバンクからのMNPがプラス。予想よりもいい。800MHz効果かな。そこはわからない。800MHz、スマバリ効果。800MHzは相当、良くできていると思う。社内でも、3Gに落ちるのを見つけるのを必死にやっている。細かいレベルで探している。

―― その点、接続がLTEから3Gに落ちると、相当、遅くなってしまい、耐えられなくなります。

田中社長 3Gはすいません。3Gのお客さんを早くLTEに移さないと。ご迷惑かけていますので、3Gじゃダメだという人には端末の下取り価格を踏み込んで、3キャリアのなかでは高く設定した。ご納得していただけるのではないでしょうか。

 LTEに慣れちゃうと、3Gが遅く感じる。新しいau LTEにしたのだから、サインが消えないように拡張をしていかないと行けないと思う。

 2GHzに関しては手を抜いているわけではない。本当に時間がなかった。いま、2GHzは気合い入れろプロジェクトを始めている。800MHzは順調で99%を達成するだけでなく、100%には持って行けなくても、相当広がっていく。地方に行くとソフトバンクとの差がハッキリする。北海道でも全然違う。ビルのなかでも違う。百貨店などでも差がついている。

―― 今回からデータシェアプランを他社に先駆けてはじめました。

田中社長 タブレットに気合い入れるぞという(意思表示)。タブレットにはWi-Fi版とLTE版があるけれど、お客さんの声を聞いていると、セルラー版を使うとWi-Fi版に戻れない人が多い。それなら、エントリーを下げないといけないので、月額1050円に下げた。そうすると障壁がなくなる。

 あと、データシェア、今回はきっちりとできていないが、7GBまであげて、セルラー版を楽しんでください。あるものはタブレット、あるものはスマホ、という使われ方を生み出したい。2つだけでは寂しいので、いろいろつける。このあと、なんか出てきますよね。

関連キーワード

iPhone | KDDI | au | 田中孝司


       1|2 次のページへ

© DWANGO Co., Ltd.