ユーザー獲得競争、求められる高度な接客、人材不足――悲鳴を上げるキャリアショップワイヤレスジャパン2014(2/4 ページ)

» 2014年05月30日 20時33分 公開
[房野麻子,ITmedia]

3M戦略の進化や「au Wallet」について説明

photo KDDI コンシューマチャネル戦略部長 若槻肇氏

 次に、KDDI コンシューマチャネル戦略部長 若槻肇氏が登壇。「市場環境の変化に対応したauショップの方向性」と題し、携帯電話業界の現状を踏まえた上で、auショップの取り組みを説明した。

 MM総研の予測によると、2014年度の携帯電話販売台数は4000万台以上。市場環境の変化があり、前年割れを起こしているので推移を見守る必要があるが、スマートフォンが約8割を占めると予想されている。累計稼働数に占めるスマートフォンとフィーチャーフォンの割合も、今期はスマートフォンがフィーチャーフォンを上回ると予測されている。

photo 今期は累計稼働数でもスマートフォンがフィーチャーフォンを上回ると予想されている

 累計稼働台数のグラフ推移を見ると、2011年度、12年度にスマートフォンが急速に増加している。今期は50%を超え、購入者の中心はアーリーマジョリティからレイトマジョリティへ移っていくとみられる。「シニアやスマートフォンに詳しくない人が購入するようになり、“格安スマホ”やMVNOが受け皿になっている」と若槻氏は分析する。また、スマートフォン比率は「お隣の韓国で2013年度末に68%まで上がっている。日本でもこの予測通り推移する」(若槻氏)という考えを述べた。

photophoto スマートフォン契約比率は緩やかに上昇し、2019年度には70%に達すると予測(写真=左)。タブレットは今期、937万台の販売が見込まれ、フィーチャーフォンと同等規模の市場になると見ている(写真=右)

 「スマートフォンシフトが進むにつれ携帯電話市場は商品が多品種化し、端末以外の商材やアクセサリーも扱うようになった。また、コンテンツ、アプリ、クラウドサービスについては説明や提案が必要になったほか、契約形態は割賦販売や分割割り引きがあることで複雑化した。今後もさらに多様化した販売形態になっていくため、スタッフの負荷はますます高まる」と若槻氏は予想する。

photo 取り扱う商品が多品種化し、サービスや契約形態が複雑化。この傾向は今後も続くと見られる

 こうした状況の中、KDDIはマルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイスの「3M戦略」に取り組んでいる。「いろんな価値を提案し、これからも3M戦略をもっと進化させる」と述べ、プロダクト、サービス、オペレーションの3点について紹介した。

 その中でも注目が集まっているのは、夏モデル発表会で詳細が明かされた「au Wallet」。かんたん決済やauショップなどでチャージが簡単にできること、MasterCard加盟店で全世界的に使えること、毎月の通信費でもポイントが貯まることなどが特徴だ。au Walletは、「ユーザーには便利さとお得感による満足度向上をもたらす。また、現金チャージができることでユーザーの来店機会が増えるため、auショップは売上機会が増える」(若槻氏)とした。

photophoto 新たに展開する電子マネーカード「au Wallet」(写真=左)。ユーザーと販売代理店の両方に付加価値を提供するとしている(写真=右)

 端末やサービスの同質化が進む中、若槻氏も「今後はショップが重要なポイントになる」と話す。しかし、岡氏同様に、商材の多様化や接客時間の長時間化、受付手順の複雑化を課題に挙げる。若槻氏が述べる解決策は「スタッフのスキル向上」と「業務生産性の向上」だ。

 販売力の向上には「セールススキル、商品知識、店舗対応力、モチベーションという4つのポイントがある」(若槻氏)という。セールススキルについては、より実践的な販売スキルを習得する資格制度を導入。商品知識については、集合研修型から自学自習型へ転換した。「スタッフが都合に合わせて効率的に知識を取得できるように、Eラーニングや動画の学習素材を提供している」と若槻氏は話す。また、接客マナーの技術についても自習と店舗での勉強会を組み合わせ、より実践的なものにした。そうして学んだ技術を接客スキルコンテストで表彰し、モチベーションアップを狙う。

 業務生産性の向上には、店頭業務のうち、端末修理を補修センターに一括して保守業務を軽減した。また、自動音声応答を導入し、商品、サービスに関しての問い合わせはお客様センターに接続するようにした。その結果、接客時間を1日当たり5時間ほど捻出でき、通話時間が30%軽減したという。ドコモと同様に、タブレットによる応対や事前予約も行っている。

photophoto 集合研修型からより実践的な自学自習型に変換することで、スタッフの商品知識や店舗対応力アップ(写真=左)。保守業務の軽減と自動音声応答の導入により接客時間を創出(写真=右)

 若槻氏は「販売代理店様とKDDIの二人三脚で、福利厚生や職場環境の整備、スキルアップや生産性向上に取り組みたい」と述べた。

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