スマートフォンのMNPキャッシュバックキャンペーンが3月16日に終了する――。といったことが、先週末からネット上で話題になっていた。どうやら、総務省が通信キャリアに「指導」したことで、キャッシュバックキャンペーンが16日に一斉終了するのだという。
弊誌でも何度かお伝えしているが、現在、iPhoneやAndroidスマートフォンにMNP(モバイル番号ポータビリティ)で乗り換えると、2万円や3万円などのキャッシュバックが付くキャンペーンを多くの店舗が実施している。キャッシュバックの内容は現金、商品券、端末代や通信料からの割引など、さまざまだ。
キャッシュバックは、通信キャリアが販売店にインセンティブ(販売奨励金)を支払うことで成り立っている。そのインセンティブは、結果としてユーザーの通信料から賄っていることを考えると、1つのキャリアを長期間契約しているユーザーにとっては不公平な話だ。総務省が指導をするというのもうなずけるが、そもそも本当なのか。
総務省 総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課に3月17日に確認したところ、「指導をした事実はない」とのこと。「指導をするとなると、文書を起こして稟議(りんぎ)を通す必要があるが、そのようなことは行っていない」(担当者)
通信キャリアの担当者に口頭で伝えることも考えられるが、「そのような話も特に聞いていない」(担当者)とのこと。「ネット上の記事を見て、私も驚いている」(同)
念のため、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの広報部にも確認したところ、「総務省から指導を受けた事実はない」とのことだった。通信キャリア側が店舗にキャンペーンを取りやめるよう通達したことも考えられるが、年度末にかけて収束する可能性はあるものの、多くの店舗で各種キャンペーンを継続しているとのこと。
オンラインショップでは、ドコモオンラインショップでは、Xiスマートフォンへの乗り換えキャンペーンの期限を、3月16日から3月31日に延期している(外部リンク参照)。ソフトバンクのiPhone 5s乗り換えキャッシュバックキャンペーンは3月16日で終了している(外部リンク参照)。
こちらの記事で確認した量販店のB店で17日に再度確認したところ、ドコモとソフトバンクのiPhone 5sのキャッシュバックキャンペーンは終了していたが、auのiPhone 5s(16Gバイトモデル)に乗り換えると、5万2500円を割り引くというキャンペーンを実施していた。
上記の記事でも確認した近所のキャリアショップに、iPhone 5sのキャッシュバックについて再確認したところ、ドコモショップは3月31日まで同様に実施、auショップは5万円の割り引きかキャッシュバック(3月24日まで)、ソフトバンクショップは先週で終了したという。
ほかにも、実際に一部で16日にキャンペーンを終了した店舗もあったほか、15日と16日限定でキャッシュバックキャンペーンを実施している店舗も見かけた。確認した限りでは、ソフトバンクのキャッシュバックキャンペーンが、やや収束しつつあるようだ。
ただ、その裏には総務省の指導があったからではなく、あくまでキャリアや店舗側の施策によるものといえる。少なくとも、現在もキャッシュバックキャンペーンを実施している店舗があるのは事実だ。一部の情報をうのみにせず、キャンペーンについては事前に店舗に確認をするのがいいだろう。
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