LGの切り札はVoLTE対応のスマートウォッチ――シニア向けの折りたたみAndroidスマホもMobile World Congress 2015

» 2015年03月05日 09時30分 公開
[村上万純,ITmedia]

 韓国LG Electronicsは、3月2日からスペイン・バルセロナで開催されているモバイル通信関連見本市「Mobile World Congress 2015」に先駆け、Android Wear搭載の腕時計型端末「LG Watch Urbane」と、同モデルにWeb OSを搭載し、LTEもサポートしたスマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」を矢継ぎ早に発表し、MWC 2015のLGブースで披露している。AudiのクルマとLG Watch Urbane LTEを連携させてドアを開閉したり、ドライバーの体調をモニタリングしたりする機能など、IoT(Internet Of Things)時代を先取りする展示もあった。

 スマートウォッチは両機種共に円形の有機ELディスプレイを搭載し、ステンレスボディと本革製ベルトで高級感を演出している。LG Watch UrbaneはAndroid Wearを搭載しており、プロセッサや解像度などの基本的なスペックは日本で発売済みの「LG G Watch R」と同等だ。

photophoto Android Wear搭載の腕時計型端末「LG Watch Urbane」。高級感ある腕時計型の端末だ
photophoto 本革製ベルトを付ける。背面には心拍センサーを搭載

 一方、LG Watch Urbane LTEはLG独自のWeb OSを搭載したモデルで、文字通りLTE通信をサポートしており、単体でVoLTE通話やメッセージの送受信ができる。NFCを備え、NFC対応のレジなどの決済時に利用可能。右側面に3つの物理キーを備えるほか、背面には心拍センサーを採用した。ディスプレイは1.3型P-OLEDで、プロセッサはQualcommの「Snapdragon 400」(1.2GHz)を採用。メインメモリは1Gバイト、ストレージは4Gバイトで、バッテリー容量は700mAh。9軸センサーにも対応し、IP67相当の防水性能を備える。ゴルフ、サイクリング、トレッキングなどの活動を記録するヘルスケアアプリを搭載しており、活動量計としても利用できる。

photophoto 「LG Watch Urbane LTE」は右側面に3つの物理キーを備える(写真=左)。背面に心拍センサーを搭載(写真=右)
photophoto テキストメッセージの返信ができる(写真=左)。韓国の電子マネー「Cashbee」を利用できる
photo 単体で電話をかけられる

 今回の展示では、AudiのクルマにNFCタグを搭載し、そこにタッチすることでドアを開閉したり、エンジンをかけたりできることが説明された。LG広報担当は「今後はワンタッチでさまざまな操作をできるようにしていきたい。例えばスマートウォッチでドライバーの脈拍を測って体調をモニタリングし、居眠り運転を防止することもできる」と話す。

photophoto スマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」はAudi車と連携可能

スマホ新機種はミドルハイエンド含む4モデル

 ソニーモバイルコミュニケーションズが「スーパーミッドレンジ」と位置づけた「Xperia M4 Aqua」を発表したように、スペックや機能面で妥協しないハイエンドなミドルレンジ端末がLGからも登場した。スペックが高い順に「Magna」「Spirit」「Leon」「Joy」と並び、LG広報担当は曲面デザインのMagnaとSpiritの2モデルを「ミドルハイエンド」端末と呼んでいる。4モデルともLTEに対応し、Joy以外のOSはAndroid 5.0を採用した。

 MagnaとSpritは日本市場だとMVNO向けのミッドレンジ端末として使用に耐えうるスペックだが、下位モデル2機種は日本以外の市場がメインとなりそうだ。

photophoto 最もスペックの高い5型の「Magna」
photophoto 4.7型の「Spirit」。プロセッサやメモリ容量はMagnaと同じ
photophoto 下位モデルの4.5型モデル「Leon」
photophoto 最下位モデル「Joy」は、1.2GHzクアッドコアと500万画素カメラを搭載する4型モデル。アンテナを内蔵する

 1月にラスベガスで開催された「2015 International CES」で発表した曲面端末「G Flex2」も展示された。5.5型のフルHD(1080×1920)ディスプレイが縦方向にカーブしているのが大きな特徴だ。OSはAndroid 5.0で、64ビットのオクタコアプロセッサ、1300万画素のメインカメラをそれぞれ搭載する。

photophoto 「G Flex2」。5.5型のフルHDディスプレイを搭載している
photophoto 背面に電源キーとボリュームキーを備える(写真=左)。横から見ると縦方向にディスプレイがカーブしているのが分かる(写真=右)

「韓国では高齢者でもばりばりスマホを使う」 折りたたみ型のAndroidスマホを展示

 日本では“ガラホ”としてauがシャープのAndroid搭載ケータイ「AQUOS K」を発売しているが、韓国では「LG Wine Smart」「LG ice cream smart」というフィーチャーフォンデザインのスマートフォンが発売されている。LG広報担当は「韓国では子供が親にスマホをプレゼントするのが当たり前で、高齢者が新しいものを使うことに抵抗を感じない国民性がある。Wineはワインが似合う世代向けという意味があり、高齢者でも普通にスマホを使っている」と話す。

photophoto Android搭載ケータイ「LG Wine Smart」「LG ice cream smart」(写真=左)。ディスプレイはタッチ操作が可能だ(写真=右)

 両機種はフィーチャーフォンのようなデザインと操作性を採用しているため、初めてスマホを使うユーザーに優しい仕様になっている。いずれのモデルも3.5型ディスプレイに1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ、800万画素のメインカメラを搭載しており、ディスプレイはタッチ操作に対応している。日本ユーザーには混乱を招きそうな仕様だが、韓国ではスマホ初心者が普通に使いこなしているようだ。

photo ディスプレイ上部に表示されるキャラクターの目がアニメーションで動く子供向けスマホも

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