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» 2016年06月16日 23時12分 UPDATE

ドコモ吉澤新社長が就任 AI開発に意欲、料金の値下げにも言及

「パートナーのアイデアを広く受け入れ、新たな発想を生み出したい」とコメント。スピード感ある経営判断が重要と意気込みを見せた。

[平賀洋一,ITmedia]

 NTTドコモは6月16日、吉澤和弘副社長の新社長就任を発表した。吉澤氏は5月に次期社長へ指名され、同日行われた株主総会ならびに取締役会を経て正式に決定した。加藤薫社長は相談役として取締役会に残る。

ドコモの吉澤和弘新社長 ドコモの吉澤和弘新社長

 吉澤氏は就任会見で、「入社以来、移動体通信に関わり、その進化と発展に尽くしてきた。実用化に携わった最初の携帯電話は900gあり、もちろん音声通話のみ。30年たってそれがスマートフォンに進化し、ポケットに入るデバイスで世界中の情報が手に入るようになった。『スマホは成熟した』という声も聞かれるが、まだまだそんなことはない。『さらなる価値をお客さま・世の中に提供し続ける』ことがドコモの使命」とあいさつ。

 スマホやIoT機器といったデバイスの進化はもちろん、5Gに代表されるネットワークの進化、さらにクラウドや仮想化などソフトウェア面の進化にも期待を寄せつつ、「1社だけでできることは少なくなってきた。ドコモの社内だけでなく、パートナーのアイデアを広く受け入れ、新たな発想を生み出したい。そしてこれまで以上にスピード感を持って取り組みたい」と意欲を見せた。

 具体的な例として、クラウド人工知能を使った「生活に溶け込むパーソナルエージェント」の研究が進んでいるという。実用化の明確な時期は明かさなかったが、「自動運転などは2020年をめどに開発が進んでいる。そこが1つのターゲット」と述べ、2020年頃までに登場させたいと見通した。

ドコモの吉澤和弘新社長 「サービス、+d、あらゆる基盤の強化が3本柱」

 またパートナー企業・団体との協業を進める「+d」の促進、コスト削減による経営基盤の強化、PREMIUM 4G(LTE-Advanced)の展開や5Gの研究開発などネットワーク基盤の強化、家族契約の拡大やキャリアフリーのサービス拡充による顧客基盤の強化と、「サービス、+d、あらゆる基盤の強化が3本柱」という経営方針を掲げた吉澤氏。「ドコモをどんな会社にしたいのか。1つはパートナーからさまざまなアイデアを受け入れるオープンな会社。そして社員1人1人がいきいきと仕事ができる楽しい会社。顧客満足度の向上と持続的な発展ができる健全な会社だ」と抱負を語った。

回線数からユーザー数の勝負へ さらなる値下げにも含み

 通信キャリアはこれまで、純増数や番号ポータビリティ(MNP)など回線契約数を指標に激しい競争を繰り広げてきた。しかし昨今は市場が飽和しつつある上、MVNOの格安SIMなど大手キャリアの回線を使ったサービスも広がっている。

 吉澤氏は従来と競争環境が変わったことから、純増数やMNPを競争の指標にするのは難しいと指摘。dマーケットなど同社がスマート領域と呼ぶサービス分野への注力をあらためて強調した。

 この分野は回線契約(電話番号)の数ではなくユーザーアカウントの数が指標となり、さらに「dカード」などの決済事業を含めると取扱額が大きいのが特徴。吉澤氏は「その規模を通信事業の収入(2015年度で3.7兆円)まで近づけたい。また(スマート領域の)利益目標も2016年度は1200億だが、できるだけ早く2000億に持って行きたい」と意気込む。

 また通信事業の中核であるスマホについては、「本来であれば今頃(2016年)に普及率が8割台という計画だったが、弊社ではまだ6割くらい。フィーチャーフォンの出来が良く、その使い勝手で十分という方が多い。安くてバッテリーが持つ、片手で使えるという良さがあり、そうしたニーズをスマホがカバーできていない」と分析。

 Android搭載のLTE対応ケータイをラインアップする計画も明かし、「スマホとは呼べないかもしれないが、普及率を上げたい」と説明した。また2台目としてのタブレット需要を喚起することで、スマートデバイスの利用率を上げたいという。

 気になるスマホ料金のさらなる値下げについては、「(総務省の)タスクフォースの議論の流れもあるが、料金は事業運営の肝になる部分。顧客満足度の向上と企業して財務の兼ね合いもある。しかし幅広いユーザーの声を聞きながら見直していきたい。時期の断言はできないが、ユーザーのメリットになる、お得な料金をしっかりと検討していきたい」とコメントした。

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