インタビュー
» 2018年01月25日 06時00分 公開

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:U11「ソーラーレッド」発売決定 HTCは激戦区のSIMフリー市場をどう攻めるのか (1/3)

「HTC U11」のソーラーレッドが、SIMロックフリーで販売されることになった。もともとTwitterのキャンペーンで実現したが、なぜこのタイミングで決まったのか? 今後、日本のSIMフリー市場にはどんなスタンスで取り組んでいくのか?

[石野純也,ITmedia]

 HTCが、約2年ぶりにSIMロックフリースマートフォンを発売する。この情報だけだとありきたりなニュースに見えるかもしれないが、変わっているのは、販売される端末や発売に至った経緯だ。発売を予定しているのは、auとソフトバンクが取り扱う「HTC U11」。カラーは2社のラインアップにない「ソーラーレッド」だが、iPhoneを除くと、キャリアモデルがそのままSIMロックフリーで販売されるのは、異例の出来事といえる。

 発売を決定する判断も、HTC自らが下したわけではない。同社はTwitterのプロモーションの一環として、2017年12月25日までに2万フォロワーを超えることを条件にHTC U11を発売すると宣言(関連記事)。これが2017年11月24日のことだ。その後、フォロワーは順調に増えていき、12月1日には2万フォロワーを達成している。このフォロワー数達成を受け、SIMロックフリー版のHTC U11が2月に発売される予定だ。

HTC U11 Twitterアカウントの2万フォロワー以上という条件をクリアして、発売が決まった「HTC U11」。実は、Twitterで募集をかけた時点では、HTC本社にまだ話を通していなかった

 イベントのような仕掛けでSIMロックフリー版HTC U11の発売を決定したHTCだが、冒頭に述べたように、同社は「HTC Desire 626」「HTC Desire Eye」を投入して以降、2年以上の間、日本のSIMフリー市場では沈黙を続けてきた。HTC U11がauとソフトバンクから発売されるなど、端末そのものは投入しているが、SIMフリー市場では十分な存在感を発揮できていない。なぜ、このタイミングでHTC U11のSIMロックフリーモデルを出すのか。販売を決めた経緯を、HTC NIPPONの児島全克社長に聞いた。

SIMフリーを求める声が多かった

HTC U11 HTC NIPPONの児島全克社長

―― まず、なぜSIMフリーを発売することになったのか。その経緯から教えてください。

児島氏 これは定期的にやっていこうとしているものですが、お客さまのためにファンイベントを開いていて、その中で、SIMフリーを求める声が非常に多かったんですね。じゃあ、ということで企画を立てました。どうせやるのであれば、キャリアさんに選んでいただいた色ではなく、日本向けに作ったソーラーレッドがあるので、せっかくならということでそれを対象にしました。赤が欲しいという声も、やはり多かったんです。

 ある意味ゲーム的ですが、われわれとしては市場やユーザーの期待を知りたいという目的もあり、フォロワー数がある程度を超えたら発売しようということにしました。それも、最初は相当厳しいだろうという数字を出していました。そこまで上がっていったら出そう、と。幸いなことに、これはうれしい驚きでしたが、アナウンスしてからその数字は8日間で達成できてしまいました。これは相当大きいなということで、その時点でHTC U11のソーラーレッドを出すことを決定しました。

 ただ、そのときには販路うんぬんは十分練っていませんでした。まずは数量限定で、HTCのオンラインショップで出していこうと考えています。

―― オンラインで発売した後、販路を広げることも考えているのでしょうか。

児島氏 将来的には、ですね。HTC U11の発売が急だったこともあり、まずは販路を限定していますが、声が上ってきたときに考えていきたいと思います。

―― MVNOから発売される可能性もあるのでしょうか。

児島氏 もしお声がけがあれば、積極的に対応していきたいと思っています。

日本向けにカスタマイズしてFeliCaにも対応

―― 仕様等で決まっていることを教えてください。

児島氏 日本向けに出しているものが、そのまま出る形になります。

―― それは、FeliCaや対応バンドも含めてということでしょうか。

児島氏 はい。日本で発売されたHTC U11は、日本向けのSKUになっていて、もともとドコモさん(の周波数帯)もカバーしていました。

―― といっても、キャリア版のソフトウェアをそのまま載せるわけにはいかないと思いますし、FeliCa周りも、HTCが独自でサポートしていく必要があるのではないでしょうか。

児島氏 そこは全部作り直しています。ソフトウェアのベースはグローバル版になりますが、FeliCaもそうですし、緊急通報や緊急速報(緊急地震速報など)といったところも、グローバル版との違いになるので、日本独自に入れています。

 また、スマートダイヤルという機能があり、これは例えば「かわき」だったら、「か」「わ」「き」と書いてある数字を押すと、電話帳が出てくるものです。これはコンタクトリストの漢字を全て変換して、文字列から推察して電話番号を表示させるということをやっています。こういったものも、オムロンさんと一緒に、日本独自で入れているものになります。

―― VoLTEについては、3キャリア分対応するのでしょうか。

児島氏 3キャリアで使えるように設計していますが、発売に向け、いろいろなところを検証しているところです。

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