プラスワン・マーケティングの民事再生手続きに当たって、そのスポンサー候補として名前が挙がったMAYA SYSTEM。同社は「jetfi」というブランドの下、uCloudlinkが開発した「GlocalMe」をベースとするセカイルーターサービスを展開しています。
そんな同社は11月、jetfiの新モデルとなる「jetfi G3」を発売しました。このモデルでは容量無制限(目安100GB)で月額4980円(税別)の国内利用プランが用意されている他、海外データ通信についても日額プランが主体となり大変使いやすくなりました。
端末代金(買い切り)は通常2万4800円ですが、2018年2月10日までキャンペーン価格で1万9800円となっています。
jetfi G3の料金体系は、先述したBroadLineのG3000と似通っています。対抗の意味合いもあるのかもしれませんが、もしかすると、今後のセカイルーターは「安価な国内向け月額料金」と「日単位の海外利用料金」という組みあわせが主流になるのかもしれません。
2017年9月、ドコモのLG Electronics製モバイルルータ「Wi-Fi STATION L-02F」にソフトウェア更新がありました。主な修正内容は「遠隔の第三者がインターネット経由で悪意あるリクエストを送信すると、任意のコードが実行される脆弱性」です。
この脆弱性は情報処理推進機構(IPA)から「攻撃が行われた場合の影響が大きい問題」というアラートが発せられました。また、JPCERTコーディネーションセンターでは、この脆弱性を突いた攻撃によりマルウェアに感染したコンピュータが踏み台となった第三者への攻撃らしきものを観測したようです。
モバイルルーターのソフトウェア更新において、脆弱性への対処(修正)は珍しいものではありませんが、スマートフォンのように大きな機能追加があまりなく「地味」なものに映り、すぐに適用しようというモチベーションに欠けるのも確かです。
しかしL-02Fの事例のような危険度が高い脆弱性は、放っておくと知らず知らずのうちに自分が「被害」を受け、やがて「加害者」になってしまう可能性もあります。
ソフトウェアは常に最新の状態に保つことが、ユーザー自身でできる自己防衛手段といえるでしょう。
少々ネガティブな話題が続いてしまいましたが、それでも筆者はモバイルルーターを使い続けています。ただし、役割については大きくわけて「旅行・出張時などの固定回線代わり」「長時間または大容量の通信」「海外渡航時の割安通信(セカイルーター)」の3つに絞られています。スマートフォンのテザリングと大手キャリアの大容量プランによって、モバイルルーターの役割は大きく変わりつつあることは確かです。
数年前は複数台のモバイルWi-Fiルータを持ち歩き使い分けしていた筆者も、最近は持ち運ぶモバイルルーターは基本的に1台というパターンが多くなっています。
多くのユーザにとって、モバイルルーターが必需品でなくなるのは、モバイル関連サービスが正常進化した結果とも言えますが、筆者は今後もモバイルルーターを使い続け、その動向をウォッチしていくつもりです。
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