OPPOは日本のスマホ市場で成功するのか? 鍵を握るのは「販路」と「価格帯」(1/2 ページ)

» 2018年02月07日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 既報の通り、中国のスマートフォンメーカー「OPPO」が日本に参入。第1弾モデルとして、カメラ機能に注力した「R11s」を2月9日に発売し、SIMロックフリー端末として量販店で販売する。

 日本のSIMフリー市場は、既に多くのメーカーがひしめき合うレッドオーシャンとなっているが、果たしてOPPOは日本で成功するのだろうか。

OPPO OPPOが“カメラフォン”とアピールする「R11s」

OPPOが日本に参入する理由

 OPPO Japanの代表取締役 トウ・ウシン氏は1月31日の製品発表会で「日本の消費者に私たちの製品を楽しんでいただき、OPPOをカメラフォンブランドとして確立させることが目標だ」と意気込みを語った。

 そもそも、OPPOはなぜ日本参入を決めたのか。「日本は3大キャリアがメインの市場だが、消費者が携帯に求める質が非常に高い。日本でキャリアとの経験を積めれば、欧米市場に進出する上で参考になる」とウシン氏は話し、グローバル展開をさらに強固にする上で、日本参入が大きな経験になると捉えているようだ。

OPPO OPPO Japanの代表取締役 トウ・ウシン氏

 2008年に携帯電話市場に参入し、2011年にスマートフォンの投入を始めたOPPOは、アジアで1位、グローバルで4位の出荷台数シェアを誇る(2017年度第3四半期、Counterpoint調べ)。このように海外で成長できた要因に「プロダクト、セールス、マーケティングチームが、マーケット個々の文化や価値観を尊重し、固有のニーズに迅速に応えてきたこと」をデン氏は挙げる。

 またOPPO Japanは90%が日本人スタッフで占められていることから、日本で「大きな成功を収められると確信している」とデン氏は語る。

 では、OPPOは本当に日本で成功するのか。現状を見る限りは「静かな船出」というのが正直な感想だ。

MVNOとの提携は必須

 まずはR11sの販路。当初はヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店が中心で、現在のところMVNOからの販売は決まっていない。日本のSIMフリー市場で大きなシェアを持つHuaweiASUSが初期に日本でSIMロックフリー端末を発売するときは、同時にIIJやU-NEXTなどのMVNOが取り扱うことも決まっていた。

OPPO ASUSが2014年に「ZenFone 5」を発表したときは、MVNOのパートナーを招いて販路の広さをアピールした。OPPOにもここまで準備した上でR11sを発表してほしかったが、日本法人が2017年11月に立ち上がったばかりという状況を考えると仕方のないところか

 最新のガジェットをいち早く使いたい人は、MVNOがセット販売をしていなくても気にせず、単体で購入するだろう。しかしより多くのユーザーに届けるのなら、MVNOとの提携は必須だ。MVNOが提供する「格安SIM」の裾野は日に日に広がっており、ガジェットにそれほど詳しくないユーザー層も増えている。

 回線と端末をセットにしたプランを提供するMVNOも増えており、「指名買いではないけどお得そうだから」という理由でSIMロックフリースマホを手にしている人も多いはず。実際、ライバルのHuaweiでは2017年、MVNOのオンラインで販売する端末数が増えており、MVNOでの販売台数が量販店をしのぐ機種もあったそうだ(関連記事)。

 例えば契約数のシェアが大きいIIJ(IIJmio)や楽天(楽天モバイル)は、比較的ニッチなものも含めて、幅広い機種を取り扱っている。その中でR11sが加わっても違和感はなさそう。しかもMVNOなら独自の施策で標準価格より安くなることが多い。例えば楽天は長期契約で1万円〜2万円引き、IIJは3000円〜1万円のAmazonギフト券付きなどがある。ウシン氏は「MVNOとは交渉中」と話すが、早期の提携を期待したい。

 さらにウシン氏は「(日本の)キャリアとも交渉中」と話すが、“新参者”の海外メーカーのモデルをキャリアがいきなり採用するとは考えにくい。NTTドコモの吉澤和弘社長は、1月30日の決算説明会でOPPOと交渉しているかを問われると、「直接のアクセスはないと思っている」と答えている。仮に担当者レベルでの交渉が水面下で進んでいたとしても、極めて初期の段階といえそうだ。

 Huaweiでさえ、2014年に日本のSIMフリー市場に参入してから、キャリア向けにスマホを供給するのに1年〜数年の時間を要している。Y!mobileは比較的早期の2015年からHuaweiスマホを扱っているが、auは2018年2月にようやく「HUAWEI nova 2」を扱い、ドコモに至っては2014年以降Huaweiスマホの採用実績はない。ともあれ、まずはSIMフリー市場で実績を残さないと、OPPOがキャリア市場に乗り込むのは難しいだろう。

3万円前後のモデルも欲しい

 販売台数を増やすには「価格帯」も重要だ。R11sの5万7980円(税別、以下同)は、スペックの高さを考えるとお手頃といえるが、大多数の人が手に取る価格とは言い難い。

OPPO R11sの価格。MVNOが扱えばもっと安くなる?

 2017年に大ヒットしたSIMロックフリースマホ「HUAWEI P10 lite」は2万9980円で、同時期に発売したハイエンド機の「HUAWEI P10」や「HUAWEI P10 Plus」よりも売れている。GfKの販売ランキングでは総合トップ10にいまだランクインしており、キャリアが扱うiPhoneと肩を並べるほど人気だ。

 Huaweiは2016年も「HUAWEI P9 lite」が大きなヒットを収めた。最先端の技術を詰め込んだ機種として「Pシリーズ」や「Mateシリーズ」を出しつつ、より多くのユーザーに届けるべく「lite」も出すという盤石のラインアップが同社の強みだ。

 またASUSも「ZenFone 4」や「ZenFone 4 Pro」に加え、2万4800円とお手頃の「ZenFone 4 Max」も出しており、ミッドハイ、ハイエンド、ローエンドと豊富なラインアップをそろえる。

 ウシン氏は「商品ラインは3万円〜7万円台が中心だが、機能やデザインに最も優れたものを日本市場で発売する。当社のベストな技術に達しているRシリーズを発売することで、日本でより長く(事業を)続けられるようにしたい」と語り、あくまで上位モデルで勝負する考えのようだ。しかしより多くのユーザーに製品を届けるためには、3万円前後のモデルも欲しいところ。今後のラインアップ拡充にも期待したい。

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