―― 他に、コミュニケーションに関連する目玉機能はどういったものがありますか?
津田氏 「JOJOエディター」ですね。LINEのスタンプもそうですが、スマートフォンのコミュニケーションがテキスト中心からビジュアル中心になっています。前回は変換辞書が好評でしたが、今回は名シーンを共有できるよう、汎用(はんよう)的に使えるシーンの画像を複数用意しました。
キャラクターもバリエーションを持たせながら、われわれが会話をする中で、「こういうシーンやせりふを引用することが多い」というものを選んでいます。
―― スタンプのように使うイメージですか?
津田氏 そうです。われわれにも入れたいシーンがたくさんあって、この2人で選ぶ作業をするだけで取っ組み合いのケンカになるほどでした(笑)。権利元もあるので、いくらでも入れられるわけではありませんし、端末のストレージにも制限があります。
また、誰が見ても同じシーンを画像として搭載するだけではつまらない。一歩先に進めたいので、JOJOエディターを作らせていただきました。機能は大きく2つあります。1つ目は、せりふの一部を編集できること。例えば会議中に、鹿島に「大悟ッ! 君の意見を聞こうッ!」(※第3部のラスボス DIO戦を前にして、花京院典明が主人公の空条承太郎に対して意見を求めたせりふ「承太郎ッ! 君の意見を聞こうッ!」がオリジナル)と言うわけですね。完全に引用するわけではなくて、一部を改変しています(今のケースなら名前のところ)。マーカーが入っている部分を編集できます。
―― 各せりふで変更できる箇所は違うんですか?
津田氏 もとのシーンと全く意図や意味合いが変わってしまうと、作品にとっても良くないので、編集できる箇所は限定しました。編集した後に、どこを変えたのかが分かるようにもしました。NGワードを設定することも、当然考慮しています。
鹿島氏 例えば「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」(※第5部の暗殺チーム、プロシュートが、部下のペッシに言ったせりふ)の「ブッ殺す」はなかなか普通使わないのですよね。暗殺者の方はそんなにいないと思うので(笑)。ここに「買った」「予約した」などを入れれば、応用できるかなと。
―― せりふはどれぐらいあるのでしょう?
津田氏 調整中ですが、20数個です。
―― JOJOエディターには新たなコマを作る機能もあるそうですが、これはどういうイメージでしょうか。
津田氏 まだ開発中なのですが、キャラクターの画像といくつかのせりふを作ってオリジナルのコマを新たに生成できる機能です。作り手によって違う、このパターンで来たか! という意外性があるんじゃないかと思います。コマを組み合わせる様子はgifアニメで再生されます。
―― これは、集英社からよく許可が出ましたね。
鹿島氏 本当にお願いしました。ただ、あるキャラクターのせりふを別のキャラクターにしゃべらせてはいけない、といった制約はあります。それは仕組み上できないようにしています。
津田氏 最初は元のシーンとは関係ない、それこそLINEのスタンプのような、キャラクターの顔だけの形も想定していたんですけど、実際のシーンや流れを重視した形にしてほしいと荒木先生からリクエストをいただきました。ですので、名シーンの画像は、原作のコマをそのまま用いています。
―― 予約前に公開されたJOJO L-02Kの製品サイトにあるアンケートがジョジョ語になっています(笑)。
津田氏 じつは、当初はわれわれも、そこまでやらせてもらえるか分からなかったのですが、Webの担当者にもジョジョ好きがいて、「ここもいじれるからやらせてください!」と言われて(笑)。
鹿島氏 いろいろな部署にご協力いただいている中で、いろいろなアイデアをもらっています。まだ発表できていないコンテンツもあります。ドコモとしても、このアプリをカスタムしたことないよね、というものが一部入っています。
―― L-06D JOJOでは起動画面が「アクアネックレス」(※第4部の敵キャラ 片桐安十郎の液体を媒介にするスタンド)じゃなくて「ゲフ神」(第3部の敵キャラ ンドゥールの水を使ったスタンド)にしたという話がありましたが……。
鹿島氏 今回はアクアネックレスです。
―― 前回、アクアネックレスはちょっと気持ち悪いからやめた、という話でしたが……。
鹿島氏 僕は結構ノリノリの方なんですけど、違う絵にしたいよね、というのはありました。
―― 他の水をイメージしたスタンドはないですからね。
鹿島氏 まあ、スタンドに限らず、水辺のシーンは考えられるんですけど。
津田氏 こう来るよねという期待に応えたいというのもありました。
―― バッテリー残量が分かるウィジェットも、前回と同じくチリペッパー(※第4部の的キャラ 音石明のスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパー)なんですよね。
鹿島氏 全く同じものは使っていなくて、表現は変えています。
津田氏 マンガのコマ的なアナログな表現から、スマートフォンに寄せたフラットな表現に変えています。Android全体がフラットなデザインになってきているので、そことの親和性を高めるのと、縦長の画面に対してうまくレイアウトするという狙いがあります。
鹿島氏 今回のウィジェットは割とシンプルですね。前回は1つのイラストを(ホーム画面の複数ページにまたがる)壁紙に採用していたので、端に行けば余白も多いだろうという想定でしたが、今回はページごとに絵を変えているので。
―― あとは、サスペンス要素(※ある条件をクリアすると表示される、裏技的なもの)も気になるところです。
鹿島氏 前回の「D4C」(※第7部のラスボス 大統領のスタンド)のように、今回も「誰か」がいます。さり気なく襲ってきます。
―― マチキャラは「セックス・ピストルズ」(※第5部の登場人物 グイード・ミスタのスタンド。No.1〜No.7の6人で1チームのスタンド。No.4はいない)ですね。
津田氏 結果的に第5部でマッチしたんですけど、描き下ろしイラストをいただく前から、(マチキャラは)セックス・ピストルズがいいという話はしていました。マチキャラのサイズで表現するので、原画をそのまま使うのは難しく、デフォルメに耐えられて、多彩な表現ができるということで、ピストルズにしました。
マチキャラにもいろいろな表現があって、メールが4通来たらどうなるんだ(※ミスタは縁起が悪いという理由で「4」という数字を嫌っている。セックス・ピストルズにNo.4がいないのも、この理由による)、とか。見ていると、ナンバー5と3がもめていることもあります。
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