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» 2018年07月27日 06時45分 公開

「デメリットをもっと知りたい」「速度に不安」――ユーザーの声から考えるMVNOサービスの課題 (1/2)

大手キャリアよりも割安な料金を背景に順調にユーザー数を伸ばしてきたMVNOサービス(格安SIM)。携帯電話サービス全体に占めるシェアも10%を超えたが、その成長に鈍化が見られるようになってきた。さらなる成長のためには何が必要なのだろうか。

[井上翔,ITmedia]

 総務省の統計データによると、2017年12月末段階におけるMVNOサービスの総契約数は1764万件となり、携帯電話サービス全体の契約件数(1億7089万件)の10%を超えた(関連記事)。

 大手キャリア(MNO)よりも比較的安価な料金ゆえに「格安SIM」とも呼ばれることも多いMVNOサービス。その料金を武器にユーザーを増やしてきたが、「成長が鈍化してきた」という指摘もある。

 鈍化の要因として、MNOによる「端末購入補助」「廉価な料金プラン」「サブブランド(※)」といった“攻勢”を挙げるMVNOもあるが、いまいち合点がいかない面もある。

 そんな折、MMD研究所(MMDLabo)が報道関係者向けの「MVNO勉強会」を開催した。この勉強会自体は何度も開催されているものだが(参考記事)、今回は初めて「一般ユーザーを交えたディスカッション」が行われた。ディスカッションに参加したのは「MVNOサービスに興味がある」男性2人と、「MVNOサービスへの乗り換えを検討している」女性1人の計3人。

 3人の発言や意見からは、MVNOサービスが乗り越えるべき課題が見えてくる。

※ここでいう「サブブランド」は「MNOとその子会社が運営する格安ブランド(Y!mobile)」と「MNO子会社が運営するMVNOサービス(UQ mobileなど)」のことを総称している。以下、特記のない限り同様

参加者 ディスカッションの参加者。左から松原さん(ドコモユーザー)、小林さん(auユーザー)、富岡さん(ドコモユーザー)。富岡さんはMVNOサービスへの乗り換えを検討しており、松原さんと小林さんはMVNOサービスに興味があるという

MNOに「とどまる」人の心理

吉本浩司社長 ディスカッションの司会を務めたMMDLaboの吉本浩司社長

 ディスカッションに先立って、MMDLaboの吉本浩司社長が6月に実施した調査のデータを用いてスマホ利用者の「契約に対するスタンス」を説明した。

 この調査では、対象者を「MNOユーザー」「サブブランドユーザー」「(サブブランド以外の)MVNOユーザー」の3種類に分類。それぞれのユーザーに自分の使っている通信サービスに対するスタンス(姿勢)を複数回答形式選んでもらうという形で調査を行った。

 その結果、それぞれの分類で以下のような傾向が見えたという。

  • MNOユーザー:ネット依存度は高いが、契約であまり考えたくない
  • サブブランドユーザー:携帯電話料金は安くしたいが、契約でそこまで考えたくない
  • MVNOユーザー:携帯電話料金を安くするために契約についていろいろ考える

 MVNOを使っているユーザーは料金を抑えられるなら能動的に行動するのに対し、MNOユーザーはスマホ(ネット)はヘビーに使うけれど、契約面で“手間”をかけたくないということになる。これは、公正取引委員会が「携帯電話市場における競争政策上の課題について(平成30年度調査)」を取りまとめるために行ったアンケート調査(MNOユーザー対象MVNOユーザー対象、いずれもPDF形式)の結果とある程度合致する。

 MVNOサービスのより広範な普及を図るには、ネットをたくさん使うけれど面倒を嫌うユーザーをどう取り込むかが課題となりそうだ。

スタンス MNOユーザーは「ネットをたくさん使うけれど面倒を嫌う」傾向にあるという
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