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» 2018年08月02日 17時32分 公開

業績を下方修正:Xperiaが苦境から脱するために必要なこととは?

ソニーが2018年度第1四半期の連結業績を発表。モバイル・コミュニケーション事業は487億円(27%)の大幅減収となった。欧州や日本を中心に、スマートフォンの販売台数が減少したことが原因。

[田中聡,ITmedia]

 ソニーが7月31日、2018年度第1四半期の連結業績を発表した。ゲームや音楽の事業は増収増益となったが、スマートフォン(Xperia)を含むモバイル・コミュニケーション事業は前年同期の1812億円から1325億円となり、487億円(27%)の大幅減収となった。営業利益は−108億円だった。同社は不調の理由に、欧州や日本を中心に、スマートフォンの販売台数が減少したことを挙げている。

 2018年度通期の、モバイル・コミュニケーション分野での売り上げは6400億円から6100億円に、営業利益は−150億円から−300億円に下方修正する。また、同年通期のスマートフォン(Xperia)販売台数は、1000万台から900万台に下方修正する。

Xperia モバイル・コミュニケーション分野の業績

 ソニーの十時裕樹氏は不調の要因を「商品力がトップクラスの競争についていけていないこと」と話す。日本で5月31日に発売された「Xperia XZ2」は、販売ランキングを見る限り売れ行きはかんばしくなく、2017年に発売された「Xperia XZ1」の方が売れている状況が続いている。

Xperia Xperiaの最新モデル。左から「Xperia XZ2 Premium」「Xperia XZ2」「Xperia XZ2 Compact」

 十時氏は「(ソニーモバイルの)経営陣も変わって、よりソニーのハードウェアとソニーが持つ技術のシナジーを生み出せるように、商品力強化に取り組んでいきたい」と話す。ただ、「ディスプレイ」「カメラ」「オーディオ」といったソニーの資産は長年Xperiaに搭載され続けており、既にシナジーは発揮されている。問題は、それらの優位性が薄れつつあることだ。

 ディスプレイの美しさは、確かにソニーに一日の長があるが、狭額縁デザインは他社が先行している。カメラについては、モバイル向けイメージセンサーの事業が増収しているように、他メーカーがソニーのCMOSセンサーを採用している。画像処理エンジンやソフトウェアで差別化を図ることになるが、他社の技術も日々進化している。オーディオも、他社はDolbyやB&O PLAYなど外部の技術を取り入れており、“高音質”がソニーの専売特許ではなくなりつつある。

Xperia イメージセンサーの売り上げは好調で、2018年度通期の売上を、8700億円から8900億円に上方修正した

 技術を追求することはもちろん大事だが、背面が弧を描いた「Xperia arc」や、当時は珍しかったガラスの一枚板が美しい「Xperia Z」など、デザインや形状で「見たことない!」「欲しい!」と思わせるインパクトが欲しい。Xperia XZ2の性能は高いが、厚ぼったい見た目や重さで損をしている感がある。

 ソニーのモバイル・コミュニケーション事業担当の石塚茂樹氏がIR Day 2018で語った「デザイン、質感には徹底的にこだわる」という言葉に期待したい。IR Day 2018で語られた方針に変更はないとのことで、「1000万台の規模で安定して収益が出るように対処する」と十時氏。

 ソニーは、2020年に商用サービスが始まる「5G」とスマートフォンの連携も視野に入れており、5G時代にもXperiaの事業は続ける見込み。日本で販売数を回復させるならミッドレンジモデルの導入が即効薬になりそうだが、そこで事業を安定させつつも、競争力の高い「これぞXperia」と言わしめる製品を見てみたい。

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