Switchよりも“ゲーム機”してる?――Huaweiの考える「Mate 20 Pro」「Mate 20 X」の“ライバル”たち(後編)(1/3 ページ)

» 2018年10月22日 15時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Huaweiが10月16日(現地時間)にイギリス・ロンドンで開催した新型スマートフォン「HUAWEI Mate 20」「HUAWEI Mate 20 X」「HUAWEI Mate 20 Pro」の発表会では、Appleの「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」やサムスン電子の「Galaxy Note9」との比較が多く取り入れられた。

 Mate 20シリーズと“ライバル”たちとの比較は、ネットワーク性能やGPS性能、カメラ機能、セキュリティ、動画再生時間にも及ぶ。そしてゲームプレイにおいて「Nintendo Switch」との比較まで飛び出した。

リチャード・ユーCEO 発表会のプレゼンターを務めたHuaweiのコンシューマービジネスグループのリチャード・ユーCEO

ネットワーク:モバイル通信もWi-Fiもライバルを圧倒

 Mate 20シリーズが搭載する新型プロセッサ「Kirin 980」は、LTE通信において世界初の下り最大1.4Gbps(理論値)、Wi-Fi(無線LAN)もIEEE 802.11ac規格において最大1.7Gbps(理論値:アクセスポイント側の対応も必要)の通信に対応する。

 発表会では、Mate 20 ProとiPhone XS Max、Galaxy Note9の通信速度の理論最高値を比較。最新の通信規格を一番快適に使えるスマホがMate 20シリーズであることをアピールした。

LTE下り速度の理論値比較Wi-Fi下り速度の理論値比較 LTEやWi-Fiの最高通信速度比較。ライバルのハイエンド機よりも高速であることをアピール

 ただ、理論値ベースでLTEやWi-Fiの通信速度がより高速だとしても、実際の通信速度はネットワーク環境に大きく依存する。国・地域によってはLTEエリアがそれほど広がっていないこともある。そこで、HuaweiはUMTS(W-CDMA)やGSM規格における電波感度においてMate 20 ProがiPhone XS Maxよりも優れていることをアピールした。

 一般に、電波感度は良好なほど通信パフォーマンスも良くなる。純粋な「携帯電話無線機」としての性能も高いことを暗に示した格好だ。

無線機としての性能の良さもアピール UMTSやGSM規格での通信パフォーマンスの良さもアピール

GPS:2波受信対応+機械学習による切り替えでより高精度に

 スマホの地図表示などで用いる「GPS(Global Positioning System)」は、宇宙上にあるGPS衛星からの電波を受信して測位する。その送信電波は「L1」から「L5」までの5波あるが、一般的なスマホではL1のみを測位に利用する。

 それに対し、Mate 20シリーズのGPS測位では、L1波に加えてL5波も受信できるようになっている。L1波とL5波は所在地の地理的条件を機械学習で判断してより受信感度の良い方を判断して受信しているという。

L1だけではなくL5もつかむ機械学習で切り替え GPSでは、一般的なスマホが利用するL1波に加えて、L5波も利用できる(写真=左)。両波は、機械学習でどちらを使うか判断しているという(写真=右)

 ただ、実際にどれくらい精度が向上しているのかは実測しないと分からない。そこで、Huaweiは「Nike+ Run Club」アプリをインストールしたMate 20 ProとiPhone XS Max、Galaxy Note9を身につけて香港の街をジョギングした結果を提示。Mate 20 Proだけが実際のルートをトレースできたことをアピールした。

実際にジョギングしたルート結果 実際にジョギングしたルート(写真=左)と、トレース結果(写真=右)。Mate 20 Proは正確にトレースできているが、他の2機種はできていないことが分かる
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