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» 2007年07月20日 21時00分 UPDATE

ちょっと気になる入力デバイス:そのタッチはあまりに“SEXY”――ダイヤテック「Majestouch Wireless」

ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする。

[王深紅,ITmedia]

Bluetoothを採用しワイヤレスになったメカニカルキーボード

 ダイヤテックが販売しているFLICOブランドの「Majestouch」(マジェスタッチ)シリーズは、メカニカルスイッチを採用してキーボードのタッチにこだわったモデルで、多彩なラインアップを取りそろえている。今回紹介する「Majestouch Wireless」は、同シリーズ初となるワイヤレスモデルだ。同社のオンラインショップで予約が始まっているほか、7月21日からは一部のモデルがソフマップおよびビックカメラで先行販売される。

ht_0707mx01.jpght_0707mx02.jpght_0707mx03.jpg 「Majestouch Wireless」シリーズのパッケージ。左からカナ表示ありの茶軸タイプ「FKBT108M/JB」、カナ表示なしの黒軸タイプ「FKBT108ML/NB」、カナ表示なしの茶軸タイプ「FKBT108M/NB」

 インタフェースを従来のUSB(PS/2兼用)から、前回取り上げたシグマA・P・Oシステム販売の「Bluetooth Elysium」(ELBT106シリーズ)と同様にBluetooth 2.0+EDRに変更することで、何かと煩わしいケーブルから解放されたのが最大のポイントだ。出力レベルはClass 2で、約10メートルの範囲でキーボードを利用できる。

 USB接続のBluetoothレシーバーは、サイズが19.5(幅)×51(奥行き)×10(高さ)ミリ、重量が約7.4グラムと小型で、対応するプロファイルは下記の表にまとめた。未使用時にカバーをスライドさせることで、USB端子を保護するギミックが施されているのも心憎い。ただ、使用時はBluetoothレシーバー内蔵の青色LEDランプが常時点滅するので、接続する場所によっては目に付く可能性がある。

 パッケージには2本の単3アルカリ乾電池が付属し、1日5時間の使用で約3カ月利用可能だ。ちなみに、アルカリ乾電池だけでなくニッケル水素充電池でも問題なく動作した。キーボードの前面部分に電源ボタンがあるのでユーザー自身で節電できるが、5分間キー操作がないと自動的にスリープモードに移行するため、普段はそれほど気にせず扱えるだろう。

ht_0707mx04.jpght_0707mx05.jpg USB接続のBluetoothレシーバーは小型で、2本の単3乾電池は底面に収納する(写真=左)。スタンドは2段階の切り替え式だ。キーボードの前面部分に電源ボタンがある(写真=右)。奥まったところにあるわけではないので、キーボードを移動するときに誤って押してしまうことがままあった
対応するBluetoothプロファイル
DUN Dial Up Networking
GAP Generic Access
GOEP Generic Object Exchange
HCRP Hardcopy Cable Replacement
HID Human Interface Device
OPP Object Push
PAN Personal Area Network
SDAP Service Discovery Application
SPP Serial Port
SYNC Synchronization

独チェリー製のメカニカルキースイッチを2種類用意

 一方、肝心のキーボードは従来のMajestouchシリーズと同様、ドイツのチェリー製メカニカルキースイッチを採用する。ラインアップは「MXシリーズ」のtactile feel ergonomicタイプ(茶軸)とlinear actuation(黒軸)の2種類があり、それぞれ日本語配列でカナ刻印あり/なし、英語配列(カナ刻印なし)の合計6モデルが用意されている。とくにカナ刻印なしモデルは、キートップの「半角/全角」が「E/J」、「カタカナ/ひらがな」が「Kana 」になり、「無変換」「変換」キーにも独自表記が採用される。

 キーストロークは約4ミリと比較的深いものの、接点がキーを約2ミリ押し下げたところにあるため、ノートPC向けのキーボードに慣れているユーザーでも思ったほど違和感なく移行できるだろう。キータッチについては大きく好みが分かれるところだが、右下の表にもあるように茶軸はキーを押下する途中にクリック感があり、黒軸は文字通りリニアに入力感がある。メカニカルスイッチゆえタイプ音はそれなりに発生するものの、キーを強く押し込んでもユニットがしなることもなく、安心して入力できるのは心強い。

 キー配列はいたってスタンダードで、不規則な配列は見られない。オーディオ用などのワンタッチボタンもなく、LEDランプもペアリング確認用とバッテリー切れ警告用の2つのみといたってシンプルだ。日本語配列ながらスペースバーは85ミリとゆとりがあるのもうれしい。ただ、電池込みで1166グラム(実測値)とズッシリとくる重量感は、ワイヤレスになって軽快さを求めるユーザーは意外に感じるかもしれない(逆に重厚感は申し分ない)。なお、サイズは434(幅)×138(奥行き)×35〜47.5(高さ)ミリだ。

ht_0707mx06.jpght_0707mx07.jpght_0707mx08.jpg 茶軸(写真=左)と黒軸(写真=中央)。微妙ではあるが、確実にタッチは異なる。右は黒軸(linear actuation)と茶軸(tactile feel ergonomic)の特性を示すグラフでX軸がストローク、Y軸が押下荷重だ

ht_0707mx09.jpght_0707mx10.jpght_0707mx11.jpg 茶軸でカナ表記ありの「FKBT108M/JB」(写真=左)。10キー上部にペアリング確認用とバッテリー切れ警告用のLEDランプ、ペアリングボタンが並ぶ(写真=中央)。カナ表記あり/なしモデルともにBackSpaceキーの刻印が「←」になっている。すべり止めのゴム足がスタンドの先端に取り付けられている(写真=右)

ht_0707mx12.jpght_0707mx13.jpght_0707mx14.jpg こちらは黒軸でカナ刻印なしの「FKBT108ML/NB」(写真=左)。カナ刻印がないのですっきりとした印象だ(写真=中央)

 本製品は、対応OSをWindows VistaとXP(SP2以降)に絞り、OS付属のドライバを利用するため導入はスムーズに行える(Bluetooth用のドライバやユーティリティはパッケージに付属しない)。試しにサポート対象外の初代MacBook“KURO”やプレイステーション 3に接続したところ、問題なく利用できた。

ht_0707mx15.jpght_0707mx16.jpght_0707mx17.jpg Windows Vista Ultimate(64ビット版)に接続した画面(画面=左)。試しにプレイステーション 3(写真=中央)と初代MacBook“KURO”(写真=右)に接続したところ、付属アダプタを使うことなくキーボードの登録が行えた

 メカニカルキーながら軽快な入力を行えるのが本シリーズの真骨頂だ。安価なキーボードとは一線を画したキータッチは一度体験する価値がある。Bluetoothの採用で取り回しがよくなったほか、ワンタッチボタンを持たないシンプルなBluetoothキーボードとして、数少ない選択肢なのは間違いない。

 先行して店頭販売されるソフマップビックカメラでは日本語配列の4モデルのみ扱われ、実売価格は1万4800円となっている。ダイヤテック オンラインショップでは8月1日発売予定で英語配列モデルが1万4800円、USBアダプタを省いたキーボード単体の英語配列モデルが1万2800円で購入可能だ。好みに応じて決めればいいだろう。

PC USER編集部Tのインプレッション

 ワイヤレスのFILCOが欲しかったという人には待望の製品だ。Bluetoothの搭載以外に大きく変わったところは見られないが、独チェリー製による“黒軸”と“茶軸”のメカニカルスイッチは、キーボード好きなら一度は触れてみる価値がある。とくに黒軸は、クリック感なしに指がすっと入っていく感覚が実に心地よく、いつもの入力作業が少しだけ上質な時間に早変わりするほど。個人的には、軽いクリック感がある茶軸のほうが取っつきやすく、長文を入力しやすいと感じたが、茶軸は黒軸よりタイプ音がやや大きい点に注意したい(キー入力時にカタカタと鳴る)。

 いずれにしても、シンプルで飽きの来ないデザイン、マット調の上品なブラック塗装、定番化しつつあるカナ刻印なしの日本語配列(カナ刻印付き日本語配列モデル/英語配列モデルも用意)、そしてBluetooth 2.0+EDRによるワイヤレス接続と、キータッチからボディまで満足度が高い。この作りならこの価格も十分アリだろう。


PC USER編集部Hのインプレッション

 まず、つや消しブラックの落ち着いた外観が好ましい。1万円を超える“高価”なキーボードだが、低価格モデルとはまったく異なるキータッチを提供してくれる。茶軸と黒軸の違いはまさに絶妙で、両モデルとも思わずキーを押したくなるが、個人的には確かな“底付き感”がある黒軸が好みだ。ただ、両モデルともメカニカルキースイッチ特有の“カチャン”という音はしないものの、メンブレンタイプなどに比べて入力時の音がそうじて大きめなのは覚えておきたい。

 また、もともと35ミリと厚めなうえにスタンドが2段階しかなく、スタンドを立てると高さが47.5ミリにもなる(傾斜がきつくなる)。よりゆるやかな傾斜を保てる多段階のスタンドがほしいところだ。Caps LockやNum LockのLEDランプがない点も、慣れが必要と言える。



 主なスペックは下記の通りだ。

製品名Majestouch Wireless
型番FKBT104シリーズ
メーカーダイヤテック
インタフェースBluetooth 2.0+EDR(USB)
キー数108キー
キーピッチ19ミリ
キーストローク4±0.5ミリ
ワンタッチキー
到達距離約10メートル
動作時間約3カ月(1日約5時間操作時)
外形寸法434(幅)×138(奥行き)×35〜47.5(高さ)ミリ
重量(実測値)約1122/1167グラム(電池含まず/含む)
対応OSWindows Vista/XP(SP2以上)
付属品Bluetooth USBアダプタ、単3乾電池2本、簡易マニュアル
カラーバリエーションブラック
実売価格1万4800円前後
保証期間1年間

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