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» 2007年11月06日 16時00分 UPDATE

ADF/FAX搭載の35ppm複合機:その大きさにはワケがある――「HP Officejet Pro L7580 All-in-One」 (1/3)

日本HPが放つビジネス向けインクジェット複合機の最上位機「HP Officejet Pro L7580 All-in-One」。その迫力ボディが生み出す性能と使い勝手を検証した。

[小川夏樹,ITmedia]
tm0711hp01.jpg 「HP Officejet Pro L7580 All-in-One」

 「HP Officejet」シリーズは、日本ヒューレット・パッカードが展開するビジネス向けのインクジェットプリンタ製品群だ。特に複合機のラインアップは、全モデルで高速な印刷性能に加え、カラーコピー、モノクロコピー、FAX、ADFの機能を標準搭載しており、コストパフォーマンスの高さで人気を博している。その最上位モデルが今回紹介する「HP Officejet Pro L7580 All-in-One」(以下、L7580)だ。

 HP Officejetシリーズの複合機で“Pro”の名を冠するモデルは、このL7580と1つ下位に位置する「HP Officejet Pro L7380 All-in-One」のみ。この2つのモデルは、個人向けというより、ある程度の規模を持つSOHOもしくは中小企業向けになる。L7580はシリーズ随一の豊富な機能を搭載した、まさに“Pro仕様モデル”だが、3万4860円(HP Directplus価格)と安価にまとまっている点に注目したい。

インクジェット複合機としては大型のボディを採用

 L7580は、プリント、スキャナ、コピー、FAXの機能を持つA4対応のインクジェット複合機だ。実機を目の前にして最初に驚かされるのは、その本体サイズだろう。大きさは525(幅)×466(奥行き)×356(高さ)ミリ、重さは約14.9キロとなっており、A4モノクロレーザー複合機に引けを取らないサイズと重量を持つ。ボディをコンパクトにまとめる傾向の強いインクジェット複合機としては少々異例ともいえるサイズだ。

 巨体ゆえに設置スペースを確保できることが導入の条件になるが、家庭ではなく職場に置くことを考えると許容範囲ではないだろうか。このサイズだからこそ、中小企業や小規模事業所のオフィスに置いてバランスが取れるといったこともあるだろう。

 もちろん、本体サイズを大きくしたことによる性能的なメリットはある。その1つが印刷速度の向上だ。本体サイズに合わせてプリントヘッドのノズル数を各色1056ノズルへと無理なく増やすことができたため、モノクロ35ppm、カラー34ppmという高速印刷を実現している(プリンタドライバ「ドラフト」設定時)。さらに、A4用紙5%のモノクロ印刷時でおよそ2350枚もの印刷が可能なHP 88大容量インクカートリッジを採用し、ランニングコストを1枚あたり約1.9円まで低減させることにも成功した(CMYはHP 88利用時に最大約1200枚を印刷可能)。

tm0711hp02.jpgtm0711hp03.jpgtm0711hp04.jpg 左から、本体の前面、背面、側面。前面の給排紙トレイと自動両面印刷ユニットのおかげで、奥行きはかなり長めになっている

 こうした性能向上を本体の小型化と同時に達成するには、ヘッドの微細化や細部のチューンアップを同時に行わねばならず、短期間で実現するのは難しい。しかし、本体サイズを大きくすればヘッドがある程度巨大になっても、そのヘッドを無理なく収めることが可能で、結果として比較的容易に、そして安価に性能向上が図れる。インクジェット複合機にしては大振りなボディには、それなりの意味があるのだ。

プリントエンジンはHP独自のSPTを採用

 それでは、インクジェットプリンタ部分の基本スペックを見ていこう。インクカートリッジはC/M/Y/Bkの4色構成。C/M/Yのカラー3色が染料系インク、Bkが顔料系インクを採用する。印刷方式は標準的なオンデマンド型サーマルインクジェット方式で、印刷解像度は最大4800×1200dpiだ。ビジネス向けということで、フォトインクを用いた6色印刷には対応していない。

 プリントエンジンは、同社がハイスペック機に積極的に投入しているスケーラブル・プリンティング・テクノロジー(SPT)アクティブ・エアー・マネジメント(AAM)を搭載する。この同社独自のプリントエンジンと、先述した多ノズル化が印刷速度向上に貢献している。また、自動両面印刷ユニットを標準搭載しているので、モノクロ、カラーともに両面印刷が可能だ。

 対応する用紙の種類は、普通紙、インクジェット専用紙、フォト用紙、専用OHPフィルム、カード、封筒など。対応サイズはA4、A5、A6、B5、レター、リーガル、エグゼクティブ、封筒(No.10、A2、C6、C5、DL、長形3号、長形4号)、はがき、L判、ユーザーカスタムとなっている。

 標準トレイは最大250枚の給紙ができ、オプションの350枚増設トレイを追加すると、最大600枚の給紙に対応する(増設トレイは普通紙専用。A5、B5、封筒、はがき、L判は不可)。また、L判、A6、A5、B5、A4の印刷では、4辺フチなし印刷も可能だ。排紙トレイには、最大150枚までの用紙をためておくことができる。

tm0711hp05.jpgtm0711hp06.jpgtm0711hp07.jpg インクカートリッジとプリントヘッドは分離型だ。インクカートリッジは本体前面のカバー内に装着する仕組み(写真=左)。本体カバーを開くと内部のプリントヘッドにアクセスできる(写真=中央)。プリントヘッドは簡単に取り外してメンテナンスが行える。また、プリントヘッドの動きと対称に動くおもりを搭載し、高速印刷時でもプリンタの揺れを抑えるアンチ・バイブレーション・システム(AVS)を備えている。背面には自動両面印刷ユニットが装着されている(写真=右)

 インクジェット複合機なのにここまで大きいとメンテナンスは楽だ。ADFの紙詰まりを解消するためのカバーも大きく開くし、自動両面印刷ユニットを外せば背面の紙詰まりにも余裕で対応できる。さらに、フラットベッドスキャナ部全体を持ち上げるとプリンタ部分にアクセス可能になっており、インクヘッドの交換なども簡単だ。

 インクカートリッジは本体の前面左側にセットするが、このカバー部分も大きく開くようになっており、インクの交換も楽に行える。メンテナンスに関しては、大きな本体がそのままメリットになっていると思ってよいだろう。

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