10月30日、PCパーツショップ大手の九十九電機が民事再生法の適用を申請したしらせは、アキバ電気街に衝撃を持って受け止められた。同社は再建を目指す方針を打ち出しており、中央通りに建つTSUKUMO eX.などの系列店は通常営業を続けている。申請直後には「仕入れがストップしています」と語る店員さんもいたが、11月初旬にはいくつかの新製品を入荷するなど、復調の兆しがみられる状態となっていた。
その一方で、JR秋葉原駅前に建つ石丸電気パソコン館は10月下旬から閉店セールを行い、11月3日に閉店。10月31日には、フェイス パーツ館はフェイス カスタム館の2階に移り、融合して「フェイス本店」と名称変更している。
石丸電気が既存の店舗を再編してグランドオープンしたのは、2007年の10〜11月。当時はソフマップが「ソフマップタウン」を展開するなど、アキバ地区内にコンセプトの異なる店舗を作り、各店舗で差別化を図るのがちょっとしたトレンドになっていた。フェイス各店も、その流れに沿うように、2008年5月に店舗の再編を行っている。
しかし2008年10月末前後の動きは、アキバ内での店舗構成における戦略の流れが変わったことを示しているかもしれない。フェイスのスタッフは「店舗を分散させても、最低限必要な商品や備品は重複するので、どうしてもむだが発生してしまいます。お客さんにしても、パーツごとに店舗が離れているのは買いづらいという面もあるでしょう。これらの店舗を1つに集約することで、そうしたロスを防ぐことができます」と語っていた。
8月30日のWindows Home Server日本語版販売以来となる、自作PC関連の深夜販売イベントが10月25日に行われた。対象となったのは、アースソフトのチューナーカード「PT1」で、予約販売分を除いた5枚の在庫を三月兎二号店で抽選販売するという企画だ。
PT1は、地デジと衛生放送チューナーを搭載したPCIカードで、B-CASカードや再生用ソフトなどを付属しない変わり種のアイテム。ソフトウェア開発用のSDKやドライバのみ公開しているため、ユーザー自身の手で利用環境を整える必要がある。
“キワモノ”なうえに深夜販売を決定したのが直前だったにも関わらず、三月兎2号店前には150人以上のユーザーが行列を作った。店長も予想外の反響だったようで、急きょ別のスタッフに応援を要請したほどだ。
クレバリー2号店のWindows Home Server日本語版販売は、嵐が直撃したこともあって9人しか集まらなかったが、こちらはその15倍以上の人数となった。三月兎二号店店長は「アースソフトの製品は、初回生産以降、入手困難な状態が続くことが多いため、何とか入手したいというユーザーが多くいます。それが今回の反響につながったと思います。いやー、すごかった」と振り返る。
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