「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」はNetbookを新たな次元に引き上げるか?ついに販売開始(1/2 ページ)

» 2009年02月03日 11時11分 公開
[田中宏昌(撮影:矢野渉),ITmedia]

ついに直販で販売がスタート

「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」

 2月2日、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のNetbook「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」が発売された。2008年9月に発表されて以降、約5カ月を経てついに入手が可能になった。現時点では「HP Directplus」をはじめとしたWenサイトのみの取り扱いで、量販店店頭では2月6日から販売予定となっている。ここでは、いち早く入手できた製品版を360度チェックした。なお、これまで取り上げたHP Miniシリーズの記事については、下の囲みを参照してほしい。


スペシャルエディションに位置付けられる「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」

 HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionは、その名の通り「HP Mini 1000」シリーズのバリエーションモデルであり、当初は「HP Vivienne Tam Special Edition」と呼ばれていた。どのあたりが“スペシャル”かというと、1つはデザイナーのヴィヴィアン・タム氏が手がけた芍薬(しゃくやく)の花をあしらった深紅のボディにある。ZEN-design“uzu”を液晶ディスプレイ天面に採用したブラックボディのHP Mini 1000シリーズから一転して、全身が深紅のボディに彩られている。昨今では、PCでもさまざまなカラーバリエーションが登場しているが、ここまで特色のある柄やカラーは珍しいといえる。深紅のボディは落ち着きのある色味で、派手すぎず地味すぎず、非常にいい案配に仕上がっている。

 HPではHP Imprintを導入した2006年以降、PCの性能強化とともに、デザイン性を重視したPCを精力的にリリースしているが、その1つの頂点が本機といっても過言ではない。

芍薬(しゃくやく)の花を大胆にあしらったデザインが印象的だ

HP Mini 1000との比較。違いは一目瞭然(りょうぜん)だ
外装の箱もスペシャル仕様。サイズは340(幅)×293(奥行き)×110(高さ)ミリと小ぶりだ
Enterキーにはダブルハピネス(喜喜)が刻印されている

 そして、もう1つの“スペシャル”は、画面サイズがHP Mini 1000シリーズの10.2型ワイドから10.1型とわずかに小さくなり、解像度も1024×600ドットから1024×576ドットに減ってしまったが、アスペクト比は16:9となった。NECの「LaVie Light」シリーズでもモデルチェンジを機に同様のことが行われたが、これはパネルを供給する側の都合があるとはいえ、少々残念なところだ。

 そのほかの仕様は、すでに発売されているHP Mini 1000の60GバイトHDDモデルと同様で、バリエーションモデルは用意されず、HP Directplusの価格は5万9850円と、HP Mini 1000の60GバイトHDDモデルより5250円アップしている。女性をターゲットにしている本機だが、この存在感は男性でも気になるのではないだろうか。ACアダプタはHP Mini 1000シリーズと共通で、ブラックカラーのままなのが画竜点睛を欠く印象だが、深紅のボディとの相性は悪くない。ちなみに、ACアダプタはサイズが41(幅)×93(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量が約315グラムで、3ピン→2ピン変換のウォールマウントプラグが付属する。

パネルサイズは10.1型ワイドの光沢タイプで、解像度は1024×576ドットと従来機より小ぶりになってしまった
液晶ディスプレイ上部にWebカメラを内蔵している
ACアダプタはブラックだ。電源ケーブルの長さが約175センチと長く、ケーブル自体も太めなので取り回しはいまひとつだ

HP Mini 1000シリーズの主なスペック
モデル HDDモデル 16GバイトSSDモデル 8GバイトSSDモデル Vivienne Tam Edition
CPU Atom N270(1.6GHz)
メモリ DDR2 1Gバイト(PC2-4200)
メモリースロット 200ピンSO-DIMM×1(空きなし)
チップセット Intel 945GSE Express
ストレージ 60Gバイト(1.8インチHDD) 16GバイトSSD+8Gバイトミニモバイルドライブ 8GバイトSSD 60Gバイト(1.8インチHDD)
液晶ディスプレイ 10.2型ワイド光沢 10.1型ワイド光沢
画面解像度 1024×600ドット 1024×576ドット
グラフィックス Intel GMA 950(チップセット内蔵)
無線LAN IEEE802.11b/g
Bluetooth Bluetooth 2.1+EDR Bluetooth 2.1+EDR
有線LAN 100BASE-TX/10BASE-T
メモリカードスロット SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット
Webカメラ
スピーカー 内蔵ステレオ
バッテリー 3セル
バッテリー駆動時間 約3.3時間 約3.5時間 約3.3時間
ボディサイズ 261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリ
重量 約1.1キロ
OS Windows XP Home Edition(SP3)
HP Directolus価格 5万4600円 4万9980円 5万9850円

ハードウェアのスペックはNetbook仕様

底面にあるメモリスロットに1Gバイトのメモリ(評価機はPC2-5300対応メモリだった)と、容量11.1ボルト 26ワットアワーの3セルバッテリーが装着されている。マイクロソフトのライセンスシールが武骨に映る

 本機のボディサイズは261.7(幅)×166.7(奥行き)×25.9(高さ)ミリとスリムで、カバンへの収まりもよく、重量も約1.1キロ(実測値は1084グラム)と持ち運びも容易だ。3セルバッテリーの駆動時間は公称値で約3.3時間となっているが、次ページでのベンチマークテストの結果を見る限り、リアルモバイルの用途では心細い。HP Mini 1000のブラックモデルでは6セルの大容量バッテリーが2月中に追加される予定となっているが、本機では未定という。最悪、色違いのままでも利用ができるだろうが、今後の展開が気になるところではある。

 Atom N270(1.6GHz)のCPUや1Gバイトのメモリ、Intel 945GSE Expressチップセットといったスペックは、数あるNetbookと共通で、OSのWindows XP Home Edition(SP3)も変わりない。標準でIEEE802.11b/g準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDR、そして100BASE-TX対応の有線LANを装備するなど通信機能は充実しているが、そのほかのインタフェースは2基のUSB 2.0とSDHC対応SDメモリーカード/MMC対応のメモリカードスロット、ヘッドフォンとマイク兼用端子のみと非常に割り切った構成だ。外部ディスプレイ出力を持たず、左側面にある専用の拡張端子に接続可能なアダプタの提供も現時点で行われていない。このあたりは従来モデルから弱点が改善されておらず、物足りなさを覚えるところだ。

CPU-Z 1.49の画面
メモリはDDR2の1Gバイトだ
GPU-Z 0.3.1の画面

無線LANとBluetoothのオン/オフは「Wireless Assistant」でも切り替えられる
Bluetoothの設定画面
モジュールはBroadcom製だ

初期状態のHDD空き容量は約50.2Gバイト
デバイスマネージャの画面(その1)
デバイスマネージャの画面(その2)

前面左側に電源スイッチと状態表示ランプ、右側に無線LAN/Bluetoothの電源スイッチが並ぶ(写真=左)。曲面まで芍薬(しゃくやく)の花柄がきちんと回り込んでいるのが分かる。背面はヒンジが大半を占める(写真=右)

主なインタフェースは左側面にまとまっている(写真=左)。手前から有線LAN端子(撮影のためゴムカバーを外してある)、ヘッドフォン/マイク端子(マイク単体はサポートせず、ヘッドセットに対応する)、専用の拡張端子、排気口、USB 2.0、DC入力が用意される。右側面はメモリカードスロットとUSB 2.0、奥にHPミニモバイルドライブ用のスペースがあるが、本機では使用しない(写真=右)

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