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» 2009年03月12日 17時00分 UPDATE

CeBIT 2009:まるで格闘技のようなPCゲーム対戦“ショー” (1/2)

欧米人は、とにかくスポーツで盛り上がる。スタジアムで応援は当然、街のスポーツバーでも大騒ぎ、そして、PCゲームもサッカーのようにエキサイトしちゃうのだ。

[長浜和也,ITmedia]

広いホールで盛り上がる「Intel Gaming Hall」

 CeBITはドイツのハノーバー市にあるハノーバーメッセと呼ばれるイベント専用の施設で行われる。日本でこの手の施設というと、幕張メッセや国際展示場を思い浮かべるが、それらは、1つ、もしくは数棟の建物の中をいくつかの区画に仕切ってHall番号を付けている。ハノーバーメッセも、Hall番号をつけて広大な会場のエリアを示しているが、日本のHallは、建物の中の1つの区画を表していたのに対して、ハノーバーメッセのHallは、1つの建物を表していたりする。

 ハノーバーのHallは規模の大小はあれど総じて大きい。その大きさは幕張メッセのHall1〜8を収容している建物に匹敵する(適当な目測だけど)。台湾ベンダーをはじめとするPC関連ブースはHall 19からHall 26にかけて展開してる。……ということは、少なくとも幕張メッセを5〜6つ分駆け巡る計算になる。これはきつい。

 その、広大なHall 22をまるまる1つ使って行われていたのが、Intelが主催する「Intel Gaming Hall」だ。欧州では依然としてPCゲームが盛んで、ハンブルク中央駅のすぐそばという一等地に大きな店舗を構えている、欧州最大の家電量販店「SATURN」では、コンシューマーゲーム向けのゲームタイトルとPC向けゲームタイトルの売り場面積がほぼ拮抗していたほどだ。

kn_cbtgme_15.jpgkn_cbtgme_16.jpg それぞれが幕張メッセの建物に相当するぐらいに大きい「Hall」が多数並ぶハノーバーメッセ(写真=左)。そのホールの1つを全部使って盛り上がっていたのが「Intel Gaming Hall」だ(写真=右)

こうしてヒーローは生まれる

 PCゲームというと、オンライン対戦が主流でPCゲーマーはそれぞれの自宅で孤独にプレイしていることが多いかもしれないが、欧州のPCゲーマーは、たとえオンラインゲームであっても、PC、それもハイエンドCPUとハイエンドグラフィックスカードを2、3枚組み込んだタワー型PCを持ち寄り、それぞれのPCをLANに接続して大勢で盛り上がっていたりする。

 そういう事情もあってか、欧州ではPCゲームの対戦イベントが盛んだ。Hall 22を借り切ったIntel Gaming Hallで行われたPCゲーム対戦イベントも、大勢のPCゲーマーで盛況だった。メインステージでは、各ゲームタイトルごとの決勝が多くのギャラリーを前にして行われていたが、広いHallに並べられた観客席はすべて埋まり、座りきれない来場者が通路に座り込んでしまうほどだ。

 PCゲームの対戦イベントが、このように多くの観客を集めて盛り上がるというのは、日本ではちょっと想像しがたいところだが、実際にゲームイベントの内容を見てみると、PCゲームの対戦が“ショー”として巧みに演出されているのに驚かされる。そのノリは格闘技に近いものがあり、対戦するチームのメンバーは、リングアナウンスで1人ずつステージに呼び出され、そのパーソナルデータとともにステージのメインスクリーンで紹介される。

kn_cbtgme_09.jpgkn_cbtgme_12.jpg 対戦が行われたメインステージは、各チームが左右に分かれて横一列に陣取る。その前には各ゲーマーのゲーム画面が表示される液晶ディスプレイが設置され、また、背後には大きなプロジェクターが用意される(写真=左)。大型プロジェクタには、ゲーム画面とステージのカメラクルーが撮影した画像からイベントディレクターが選択した映像が映される(写真=右)

kn_cbtgme_07.jpgkn_cbtgme_08.jpg 対戦チームのメンバーは1人ずつステージに登場し、プロフィールとともにスクリーンで紹介される。ゲーマーがヒーローになる瞬間だ(写真=左)。対戦前には各チームのリーダーにインタビューが行われる。これも米国のスポーツ番組ではよくある演出だ(写真=右)

 対戦が始まると、大画面のメインスクリーンにはイベントディレクターが選択したゲーム画面が表示される。さらに、その画面には、カメラクルーがステージで撮影しているゲーマーの表情がピクチャーインピクチャーで映し出される。刻一刻と変化する戦況にとともに変わっていくゲーマーの表情を観ることで、観客はゲーマーの緊張と興奮を共有することが可能になる。

 ステージでは、チームごとに左右に分かれてプレイ用のPCが横一列に並び、ゲーマーの前には、それぞれのゲーム画面が表示される大画面液晶ディスプレイが用意されている。観客はイベントディレクターが選択したゲーム画面のほかに、各ゲーマーのゲーム画面を比べることで、ゲームの全容を把握することもできる。

 このような、「見せる」演出に加えて、ゲーム対戦イベントを盛り上げてくれるのが、「実況アナウンサー」のトークだ。海外のスポーツ中継を観ても分かるように、欧米の実況アナウンサーは、試合の状況に合わせた“しゃべり”のテクニックで観客を興奮させてくれる。

 Intel Gaming Hallの対戦イベントでFPSの実況をしていたアナウンサーも、会敵前の索敵段階では、声を潜めてささやくようにゆっくりとしたテンポで状況を説明していたが、敵を発見して銃撃戦に突入すると、いきなり声のボリュームを上げ、畳み掛けるような早口のマシンガントークで観客を圧倒し、ゲーマーが“戦死”した瞬間には、サッカーでいうところの「ごぉぉぉぉぉるぅっ」に相当する絶叫でピークを迎える。

kn_cbtgme_10.jpgkn_cbtgme_11.jpg ゲーム画面にはカメラクルーが撮影しているゲーマーの表情がピクチャーインピクチャーで同時に表示されるので、戦況に合わせたゲーマーの緊張と興奮が観客にもよく分かる

kn_cbtgme_13.jpgkn_cbtgme_14.jpg メインスクリーンに表示する画像を切り替えるイベントディレクター(写真=左)とエキサイティングな実況で観客を盛り上げる実況アナウンサー(写真=右)。彼らの存在がゲームイベントの成否を決めるといっても過言ではない

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