1万円台の自動CMカット対応3波デジタルチューナーカード――「GV-MVP/VS」を試す夏の特番を録画しまくり(1/3 ページ)

» 2009年08月13日 16時00分 公開
[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]
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省スペースでお手ごろな3波デジタル対応チューナーカード

「GV-MVP/VS」の標準価格は1万9845円、実売価格は1万7800円前後となっている

 アイ・オー・データ機器のテレビチューナーカード「GV-MVP/VS」は、地上・BS・110度CSの3波デジタル放送に対応した高機能な製品ながら、標準価格で2万円を切る値ごろ感がウリの1枚だ。ここでは付属の視聴・録画ソフト「mAgic TV Digital」の機能を中心に、GV-MVP/VSの魅力に迫る。ちなみに、同社の現行の製品ラインアップにおいて、3波デジタル放送に対応したPC用テレビチューナー製品はGV-MVP/VSのみだ。

 全長約125ミリのカード本体はPCI Express x1接続で、B-CASカードリーダーが基板の後部に直付けされているため、必要な拡張スロットは1つで済む。同社の従来製品に比べて消費電力が約半分となる最大2.5ワットに抑えられているうえ、カードサイズもロープロファイル対応とコンパクトで、小型のデスクトップPCに装着しやすいのもポイントだ。

 ただし、奥行きはB-CASカードを差し込んだ状態でのカード全長にあたる約165ミリぶんを確保する必要がある。GV-MVP/VSを使おうと思っているデスクトップPCで装着可能かどうか、事前にチェックしておこう。

 カード表面にはソニー製の非常に小さなシリコンチューナーやNXP製の映像処理チップが見える一方で、ハードウェアトランスコード用のチップなどは見当たらない。したがって、GV-MVP/VSでHDのデジタル放送を録画する場合は、放送波のデータ量と同じだけのHDD容量が必要になる。すなわち、地上デジタル放送は1時間番組で7.1Gバイト程度(約17Mbps)、BSデジタルの場合は同じく10.5Gバイト程度(約25Mbps)を消費するという計算だ。録画時の映像形式はMPEG-2に固定される。

PCI Express x1接続のロープロファイル対応カードで、基板の後部にB-CASカードリーダーを直付けしている(写真=左)。なぜかカードの裏面にはマンドリンのような弦楽器がプリントされていた(写真=右)

B-CASカードを装着すると、カードの全長は約165ミリと長くなる(写真=左)。ブラケットは通常サイズとロープロファイルサイズの2種類が用意されている(写真=中央)。カード上には東芝製のOFDM復調チップ「TC90512XBG」を搭載したソニー製シリコンチューナーと、NXP製のコントローラ「SAA7163FE」、Hynix製のメモリが実装されている(写真=右)

 なお、GV-MVP/VSはシングルチューナータイプではあるが、同社のPC用テレビチューナー製品である「GV-MVP/H」シリーズや「GV-MVP/H2」シリーズと同時に利用することで、裏番組録画や複数番組の同時録画といった機能拡張に対応する。デジタル放送の場合は最大8チャンネルぶんまでの同時録画が可能で、録画に使うチューナーの自動振り分けも行なえる。

 付属ソフトは、視聴・録画などの主要な機能を担う独自アプリケーション「mAgicTV Digital」に加えて、録画した番組のカット編集や光ディスクへの書き出しを可能にする「Corel Direct DiscRecorder for mAgicTV」がプラグインとして添付される。

 このほか、外出先などでも録画した番組を見られる「どこでもmAgicTV Digital」のサーバーおよびクライアントソフトや、ホームネットワーク上のDTCP-IP対応機器に番組を配信できるソフト「DiXiM Media Server 3 for mAgicTV」も付属する。ただし、DiXiMのクライアントアプリケーション「DiXiM Digital TV」はバンドルされず、同社WebサイトでGV-MVP/VSのユーザー向けに優待販売(1980円)という形がとられている。

控えめなスペックのPCでも動作可能

 それでは、GV-MVP/VSを実際に使ってみよう。今回はミドルタワーケースにATXマザーボードを搭載した自作PCに装着した。CPUはCore 2 Quad Q6600(2.4GHz)、メインメモリは2Gバイト、OSは32ビット版のWindows Vista Home Premium(SP2)と高めのスペックだが、GV-MVP/VSはWindows XP(SP2以上)やWindows Vista(SP1/SP2)の64ビット版でも動作する。

 また、動作環境として、Pentium Dual-Core E2180(2.0GHz)もしくはPentium D 820(2.8GHz)以上のCPUが必要とされる一方で、番組表やデータ放送など一部の機能に目をつぶれば、より少ないリソースでの動作が可能な「Netbookモード」も用意され、この場合はCPUの要件がCeleron Dual-Core E1200(1.6GHz)まで下がる(Netbook標準のAtom系システムで利用できるわけではない)。

 もう1つ、動作環境として見落とせないのがグラフィックスカードとディスプレイだ。フルHD(1920×1080ドット)でテレビ番組を楽しむには、双方をDVI-DもしくはHDMIで接続し、どちらもHDCP対応であることが必須となる。一方、アナログRGBでディスプレイをつないでいる場合でも、解像度は落ちてしまうものの、表示させること自体は可能なので、前述の対応CPUと合わせて、デジタル放送視聴のハードルは意外に高くない。

 なお、同社では現在使っているPCでデジタル放送を視聴できるかどうか、簡単にチェックできるソフト「地デジ相性チェッカー」をWebサイトで公開しているので、動作環境を満たしているかどうか分からなければ、事前に確認しておくといいだろう。

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