Maximus III Formulaには、4本のメモリスロットが用意されている。Intel P55 Expressのメモリバスはデュアルチャネルに対応しているため、2枚ずつの組み合わせで増設できることになる。最大メモリ容量は、4Gバイト×4の16Gバイトだ。
拡張スロットは、PCI Express x16を3基載せている。赤い2基のスロットは、片方のみで16レーン、2基使用すると8レーン+8レーンになる。もう1基の白いスロットは、常時4レーンでしか使用できない。このほかのスロットは、PCIが2基とPCI Express x1が2基で、PCI Epxress x1の1本はサウンドカード専用だ。
基板に用意されたストレージ用のポートは、制御するコントローラチップによって3つのグループに分けられる。Intel P55 Express用ヒートシンクの横についている6つの黒いポートは、Intel P55 Expressが制御するSerial ATA 2.0だ。さらに最下部にある赤いポートは、JMICRONの「JMB232」が制御するSerial ATA 2.0になる。バックパネルのeSATAもこのJMB323が制御する。メモリスロット脇にある白いSerial ATAポートは、光学ドライブ専用で、こちらは、「JMB322」がコントロールする。Maximus III FormulaにParallel ATAが存在しないため、利用できる光学ドライブはSerial ATA対応モデルに限定される。
なお、Intel P55 Expressが制御する6基のSerial ATAは、RAID 0、1、5/、0の構築が可能、JMB322が制御する2基のSerial ATAも、RAID 0、1が構築できる。
そのほかのオンボードコントローラには、1000BASE-Tを実現するRealtekの RTL8110、IEEE1394の機能を提供するVIA VT6308と、定番のコントローラが搭載されている。
Maximus III Formulaに搭載されたCPUソケット周りのヒートシンクを取り外すと、姿を見せるのはICSのクロックジェネレータだけだ。Intel P55 Expressそのものは、従来のマザーボードでサウスブリッジがある場所にある。このように、LynnfieldとIntel P55 Expressのシステムでは、CPUとチップセットを合わせて2つしか存在しない。ノースブリッジの機能はCPUに統合されたため、チップセットが担う役割も従来のサウスブリッジ相当と少ない。
Maximus III Formulaは、オーバークロッカーやゲーマーに向けのR.O.G.(Republic Of Games)シリーズで、多くのオンボードスイッチを搭載している。中でも目立つのが、基板の最下部にある電源ボタンとリセットボタンだ。これに、CMOSクリアスイッチ(Maximus III Formulaではバックパネルに搭載)を加えた3点セットは、最近のオーバークロッカー向けマザーボードでは定番だ。
バックパネルには、スイッチがもう1つ用意されている。このスイッチにはチェーンをつないだ図柄のインジケータランプが組み込まれていて、起動中にこのスイッチを押すとインジケータが点灯する。このインジケータは、すぐ右側にあるUSB 2.0が「ROGコネクト」のポートとして動いているか通常のUSB 2.0として動いているのかを示すと同時に、機能の切り替えスイッチとしても機能する。インジケータランプが点灯しているときはROGコネクトポートとして動作することを意味する。
基板上にはもう1つ、「GO_Button」という小さなスイッチが用意されている。このボタンは、プリセットしてあるオーバークロック設定を呼び出したり、「MemOK!」というメモリ自動チューニング機能を有効にするスイッチだ。
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