ATOKはATOKは、同期なんかしてみたり。ATOKのちょっといい話 第2回

» 2010年08月12日 15時16分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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「ATOK 2010」のライセンスは“太っ腹”?

 ATOK 2010のライセンスがどのようになっているかご存じだろうか。使用許諾書を見ると次のように書かれている。

■第2条 ご使用条件■

1. 弊社はお客様に対し、本ソフトウェアをお客様が占有・管理する1台のコンピュータに複製(インストール)しお客様ご自身(お客様が法人の場合は従業員1名)が使用することを許諾します。

2. 前項にかかわらず、お客様のご利用環境に応じて、次の各号に従って本ソフトウェアを使用することができます。

 (1)お客様の管理のもと第3条に違反しない範囲で、1台のコンピュータにのみインストールした本ソフトウェアを複数人で使用することができます。

 (2)本ソフトウェアの使用者がお客様ご自身(法人の場合は特定の従業員1名)に限られている場合は、本ソフトウェアを同時に使用しないという条件で、お客様(当該従業員)のみが使用する他のコンピュータにインストールすることができます。

ATOK 2010の使用許諾書「license.txt」はATOKのインストールフォルダにあるので一読しておこう

 一般的なソフトウェアの場合、1. はあっても2. を見ることは少ない。この意味するところを例で挙げると、

(1)1台の家族共有PCにインストールしたATOKは家族みんなで利用できる

(2)1人で使う場合は複数のPCにインストールできる

ということだ。この(1)と(2)は両立せず、(2)の場合も同時利用はできないなどの条件があるため拡大解釈は禁物だが、それにしても商用ソフトウェアとしてはかなり“太っ腹”なライセンスだ。1本分の料金でデスクトップPC、ノートPCの両方でATOKを使えるのは心強い。企業の規則によってはオフィスでも利用可能かもしれない。

 どこにいても「手になじんだソフト」が使えるのは非常に魅力的だが、かな漢字変換ソフトの場合は、キーボードなどとは違った一面がある。それは手になじんでくるのはユーザー自身の「慣れ」以上に、ソフトウェアの「学習効果」によるものが大きいということだ。

 ATOKに限らず、かな漢字変換ソフトは変換内容を学習し、よく使う単語を正確に変換できるようになっていく。しかし、複数のPCで使用した場合は、学習効果が分散してしまうという問題がある。長時間使用したPCのATOKは実によくなじむものの、たまにしか使わない(テキスト入力を行わない)PCでは、なかなか学習が進まないことになる。

 今回取り上げる「ATOK Sync」は、オンラインストレージを利用してこの問題を解決し、ATOKのライセンスを最大限に活用するためのツールだ。

「ATOK Sync」の使い方

 ATOK Syncは、オンラインストレージを利用してユーザー辞書の同期をとるサポートツールだ。実行すると、前回オンラインストレージ上にアップロードしたユーザー辞書をダウンロードし、ローカルのユーザー辞書と一体化する。さらにその辞書でオンラインストレージ上のユーザー辞書を上書きする。別のPCからATOK Syncを実行すれば、そこでも同様にユーザー辞書をダウンロードし、一体化してアップロードする。このようにして複数のPCで学習した成果を共有できるのだ。

 ATOK Syncで利用可能なオンラインストレージは、今のところ「InternetDisk」に限られる。InternetDiskはジャストシステムが提供するオンラインストレージサービスで、315円/月から利用できる。また、ATOK SyncはATOKのアップデートモジュールではない。そのため、ATOK Syncをインストールするには、ダウンロードページからダウンロードし、手動でインストールする必要がある。

InternetDiskはジャストシステムが提供するオンラインストレージサービス(写真=左)。InternetDiskは月々315円から。月々840円のコースからは無制限バックアップもついてくる(写真=右)

ATOK Syncのダウンロードページ(写真=左)。同期用のオンラインストレージにはInternetDiskを利用するので、InternetDiskに登録しているメールアドレスとパスワードを指定する(写真=右)

 ATOK Syncの使い方は簡単だ。メインダイアログの「実行」をクリックすれば辞書のダウンロード、合併、アップロードまで連続して行う。メニューから「同期の定期実行設定」を選べば自動実行も可能だ。

ATOK Syncのメインダイアログ。基本的には「実行」をクリックするだけ

自動的に辞書のダウンロード、合併、アップロードと処理が進む

機能選択ではユーザー辞書とお気に入り文書の処理方法を指定する(写真=左)。ATOK Sync用のフォルダが作成され、その下に保存される(写真=右)

オプションから定期実行を設定することもできる。ツールの性質上、頻繁に行う必要はないので1日1回程度で十分だろう(写真=左)。ATOKのメニューからアクセスできる定型文の「お気に入り文書」もInternetDiskを使って共有できる

ATOK Syncだけじゃもったいない――月額840円の容量無制限バックアップストレージ

 ATOK Syncは異なるライセンス間でも利用できる。つまり、オフィスでは会社が購入したライセンスのATOKを、自宅では自分で購入したATOKを使っている場合でも、ATOK Syncを使って辞書を同期させることができる。毎日仕事をしながら鍛え上げたATOKの辞書を自宅でも使えるというわけだ。

 有償サービスであるInternetDiskの契約が必要であることから、利用をためらう人がいるかもしれない。確かにATOK Syncだけのために契約するのはもったいないが、InternetDiskにはユーザーが自由に使える領域のほかに、バックアップ専用ストレージが設けられている。特に840円のコースでは、バックアップ専用ストレージが容量無制限で利用できるので、自宅PCに保存した大切なデータのバックアップ用途とあわせて検討する価値はあるだろう。

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