地上9階建てのフロアプランは、9階が機械室、8階がカフェテリア/社員食堂で、3階から8階がオフィス、1階と2階は外来者も利用する半パブリックスペースとなる(セキュリティがあり、不特定多数の誰もが入れるわけではない)。
サッカーコート級のフロアを丸々利用したカフェテリアは広大で、エリアごとに提供する料理や雰囲気を変える、という工夫が施されている。一般に社員が利用するカフェテリアは、社外秘が話題になっていることもあるため、外来者を入れることはできないが、日本HP新本社のカフェテリアにはいくつか個室も用意されており、外来者を招き入れることが可能になっている。
また、一部には4つに区切られた掘りごたつ風のスペースがあり、各パートに春夏秋冬の名前が付けられている。パーティションを外して1つの大スペース「四季」としても利用可能になるなど、多目的の利用が想定されている。アフターファイブにはアルコール類も提供される予定だ。残念ながら、飲食は社員といえども無料ではなく、精算に電子マネーのnanacoを利用するとのことであった(社員証はHPグループ全世界共通のため、nanaco社員証にはならない)。
7階から3階のオフィススペースは完成し、社員の引っ越しが終わった後は、部外者の立ち入りはできなくなる。見学時はまだオフィス家具類も入っておらず、広さが目立ったが、社員の約7割は決まった机を持たないフリーアドレスでの利用になるという。フロアの内側(中央寄り)には、ガラス張りのミーティングスペースが多数用意されていた。
3階にはオフィススペースに加えてマシンルームがあり、実際のハードウェア環境を利用した検証作業などを行うことが可能になっている。マシンルームは1フィート以上床上げされており、すでにサーバなどの水冷施設が設置済みであった。こうしたマシンルームの一部は、パートナー企業などでも利用されることになる。
1階と2階は、外来者も利用可能な半パブリックスペースとなっており、1階中央部には受付がある。見学時は、セキュリティゲートの設置中だったが、セキュリティの内側にカフェ(スターバックス)やコニビニ(セブンイレブン)が設けられる。カフェテリアの精算がnanacoになるのも、このコンビニと精算手段を共通化するためだ。
ほかに1階には、HPのハードウェアを展示するショールームスペースも設けられる。吹き抜けということもあり、温風による暖房では効率が悪い(温風が全部上に抜ける)ため、1階の暖房には床暖房が用いられる。こうすることで、床暖房の熱が上に上がっていく。
1階でセキュリティを通過して上ることになる2階は、外来者とのミーティングやセミナーを行うスペースが設けられる。おそらく筆者も含めたメディア向けの説明会や発表会も、ここで行われることが増えるのだろう。
なお、このスペースやカフェテリア、バルコニーも含め、ビル全館が禁煙であり、喫煙スペースは建物を出た外に設けられるという。HPのグローバルでの社内規定で、喫煙場所は一定以上建物から離れた場所に設置する必要があるとのことなので、喫煙者は肩身の狭い思いをすることになりそうだ。
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