キヤノンが「PIXUS」プリンタ11年秋冬モデルを発表――無線&両面印刷をエントリー機まで拡充、主力機は3色展開に新色は予想外の“ブロンズ”(1/2 ページ)

» 2011年08月31日 14時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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 キヤノンは8月31日、インクジェットプリンタ「PIXUS」シリーズの個人向け新製品として、7機種9モデルを発表した。

 ラインアップはA4複合機が「PIXUS MG8230」「PIXUS MG6230 Black/White/Bronze」「PIXUS MG5330」「PIXUS MG4130」「PIXUS MG3130」「PIXUS MG2130」の6機種(カラバリ含めて計8モデル)、A4単機能機が「PIXUS iP4930」の1機種だ。発売日はMG6230、MG5330、iP4930が9月8日、MG8230が10月上旬、MG4130、MG3130、MG2120が11月上旬の予定。

 ドライバの対応OSはWindows XP(SP2以降)/Vista(SP1以降)/7、Mac OS X 10.4.11以降となる。

カラバリ、無線LAN、自動両面印刷、モバイル&クラウド、そしてECOも

 A4複合機の新モデルは2010年秋冬モデルからボックス型デザインを継承しつつ、カラバリや無線LAN搭載機、自動両面印刷ユニット搭載機の拡充、クラウドサービスやスマートフォン、タブレット端末との連携強化、エコ設定の搭載といった改良を行った。

 売れ筋は上位2番手のMG6230で、従来機は2色展開(ブラック、シルバー)だったが、ブラック、ホワイト、ブロンズの3色にカラバリを増やした。無線LANと自動両面印刷の対応機種については、5機種(MG8230、MG6230、MG5330、MG4130、MG3130)に拡充している(従来は無線LAN対応が3機種、自動両面印刷対応が4機種)。

主力の「PIXUS MG6230」はブラック(写真=左)、ホワイト(写真=中央)、ブロンズ(写真=右)の3色を用意

 スマートフォンやタブレット端末との連携については、iOS/Android用の印刷アプリ「Easy-PhotoPrint」が進化し、複合機でスキャンしたデータをPDF/JPEGで受信できる機能や、PDFプリント機能が利用できるようになった(Android端末でのPDFプリントはEasy-PhotoPrintで作成したPDFのみ対応)。

 クラウドサービスとの連携については「PIXUSクラウドリンク」機能を新たに用意。オンラインアルバム(CANON iMAGE GATEWAY、Picasa)にアップロードしてある写真を複合機本体の液晶モニタで確認し、PCいらずでプリントできる。複合機単体でキヤノンのサーバから定型フォーム(便せんやカレンダーなど)のデータをダウンロードして印刷できる機能も追加された。テンプレートは定期的にアップデートされる。また、Googleのクラウド印刷サービス「Google Cloud Print」もサポートした。

 付属ソフトでは、キヤノンのデジタルカメラで撮影したMOV形式のフルHD動画ファイルから静止画を切り出して印刷できる「フルHD動画プリント」機能に、複数コマを1枚の用紙に並べて印刷する「レイアウト」機能や、複数コマの静止画を1枚に合成する「フレーム合成」機能が加わった。また、写真データを背景ぼかし、ジオラマ風、魚眼風、トイカメラ風、ソフトフォーカスといったフィルターで加工できる「お楽しみフィルター」機能も用意している(Solution Menu EX、Easy-PhotoPrint EXから利用)。

 エコへの配慮については、液晶モニタのメニューに「ECO設定」を設け、用紙を節約する自動両面印刷の設定が容易になった。こうして節約した用紙枚数や、CO2削減量を表示する「ECO情報」機能も持つ。また、自動電源オフ(15/30/60/120/240分)の設定も可能だ。そのほか、印刷時の動作音を抑える「サイレントモード」の設定が液晶モニタのメニューから簡単に行えるようになった。

PIXUS新モデルのラインアップ

ハイエンドモデルの「PIXUS MG8230」

 A4複合機のハイエンドであるMG8230はシリーズ中で唯一、フィルムスキャンに対応。35ミリスリーブ6コマ/マウント4コマを連続で読み取れるフィルムスキャン機能付きの4800dpi CCDスキャナ(白色LED光源)を搭載する。

 本体外観には同社の一眼レフカメラ「EOS」をイメージさせるペイントトーン処理を施し、原稿台カバーの手前に革シボを採用することで、質感の向上を図った。メニュー操作に応じて必要なボタンだけがLEDで浮かび上がる静電センサー式ユーザーインタフェース「インテリジェントタッチシステム」と3.5型液晶モニタは健在だ。

 グレーインクを含む染料5色独立+顔料ブラックの6色インク、最高9600×2400dpi/最小1ピコリットル/計6144ノズルのプリントヘッド、有線/無線LAN、前面/背面の2系統給紙、自動両面印刷、CD/DVD/Blu-ray Discレーベル印刷といった機能も持つ。予想実売価格は4万円前後。

 売れ筋機種のMG6230は、3色展開のボディデザイン、インテリジェントタッチシステムと3.0型液晶モニタによる操作パネル、フィルムスキャン非対応のスキャナ(4800dpi CIS)を搭載する以外は、MG8230とほぼ共通の基本スペックだ。予想実売価格は3万円前後。

 ミドルレンジのMG5330は、MG6230からインテリジェントタッチシステムと有線LANを省き、染料4色独立+顔料ブラックの5色インクと2400dpi CISスキャナを搭載したモデル。予想実売価格は2万8000円前後だ。

 コンパクトなスタンダードモデルという位置付けのMG4130は、本体左側に2.4型液晶モニタを搭載した上位機種と異なるデザインを採用。染料3色一体+顔料ブラックの新インクカートリッジを新たに採用し、色域を約10%拡大しつつ、出力速度を約9.9ipmに高速化した。レーベル印刷機能はないが、無線LANや自動両面印刷ユニット、前面給紙機構を備え、本体サイズは449(幅)×304(奥行き)×152(高さ)ミリ、重量は約8.8キロに抑えている。予想実売価格は1万7000円前後だ。

「PIXUS MG5330」(写真=左)、「PIXUS MG4130」(写真=中央)。MG4130は前面給紙機構を採用した新設計のボディとなる(写真=右)

 MG4130と同サイズのボディを採用した下位機種のMG3130は、上位機種がサポートするPIXUSクラウドリンク機能や液晶モニタを省いているが、無線LANや自動両面印刷ユニット、前面給紙機構、スマートフォンからの印刷機能は備えている。予想実売価格は1万円前後だ。

 複合機のエントリー機であるMG2130もMG4130と同サイズのボディを採用。こちらは無線LANや自動両面印刷ユニット、スマートフォンからの印刷機能に対応せず、スペックを絞り込んでいる。予想実売価格は8000円前後だ。

 A4単機能プリンタのiP4930は、複合機のMG5230と同じ染料4色独立+顔料ブラックの5色インクシステムを採用。2系統給紙、自動両面印刷、CD/DVD/Blu-ray Discレーベル印刷といった機能を持つ。複合機とは異なり、スマートフォンからの印刷機能やPIXUSクラウドリンク機能には非対応だ。予想実売価格は1万7000円前後。

「PIXUS MG3130」(写真=左)、「PIXUS MG2130」(写真=中央)、「PIXUS iP4930」(写真=右)

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