ICONIA TAB A100の“+α”を探してみる安いだけじゃ勝負にならない(2/2 ページ)

» 2011年11月10日 13時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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充電は専用のACアダプタから

 ICONIA TAB A100の充電は付属するACアダプタからのみ可能で、本体のmicro USBでは充電できない。携帯利用に有利な7型ワイドモデルだが、USBを利用して充電するモバイルバッテリーが利用できないことになる。ただし、付属のACアダプタ(出力は12ボルト1.5アンペア)を利用することで、約1時間で満充電が可能になった。

 ICONIA TAB A100のバッテリー駆動時間について、日本エイサーでは動画連続再生で約5時間としている。実際に、満充電状態から液晶輝度最大、15分ごとに無線LANでTwitter接続という条件で、1280×720ドット、再生時間1分のMP4ファイルを連続再生したところ、再生開始から3時間40分で電源が切れた。

 なお、この動画連続再生終了直後に、背面と正面の液晶ディスプレイベゼルの表面温度を格子状に設けたポイント(正面8点、背面9点)で測定したところ、縦位置にした状態で、背面は、上段が左から32.8度、33.6度、33.2度、中段が左から32.8度、32.8、35.4度に、下段が左から33.8度、33.4度、34.6度となり、正面は、上段が左から32.4度、32.2度、31.2度、中段が左から38.2度、(中央部を抜かして)、32.2度に、下段が左から26.6度、33.2度、28.6度となった。全般に温度分布は均一で30度台前半と低い。ただ、正面中段左側が38度とピンポイントで高い(ちょうど左手で持つ手の位置になる)。

グラフィックスで突出した性能を発揮する

 CPUにデュアルコアのTegra 2を搭載して動作クロックは1GHz、システムメモリがDDR2で1Gバイト、本体内蔵ストレージは容量16Gバイト、OSもマルチコアCPUに対応するAndroid 3.2と、7型ワイド級タブデットデバイスながら、その性能は主流の10.1型ワイド級タブレットデバイスに劣らない。同じ日本エイサーのICONIA TAB A500とCPU(それと、統合されたグラフィックスコア)、システムメモリ、ストレージと仕様は共通する。

 「Quadrant Professional 1.1.7」で測定した結果では、ハードウェアスペックがほぼ共通する(OSと液晶ディスプレイの解像度が異なる)ICONIA TAB A500を総合結果で上回り、独自チューニングで性能を向上させたとレノボ・ジャパンが訴求するThinkPad Tabletをも上回った。

 個別項目を確認すると、CPUでICONIA TAB A500とMOTOROLA XOOM TBi11Mにほぼ相当し、memoryテストではMOTOROLA XOOM TBi11Mとともにほかの機種から突出した値を出している。さらに、2Dテストと3Dテストでは、ThinkPad Tabletをも引き離して、高いスコアとなっている。

Quadrant Professional 1.1.7の測定結果


 7型ワイド級のAndroidタブレットデバイスは、主流の10.1型ワイド級に比べて、「携帯利用を重視して性能はちょっと控えめ」というイメージもあるが(この印象はIdeaPad Tablet A1の影響が大きい)、ICONIA TAB A100では、性能において上位クラスと目されるモデルに負けていないばかりか、ベンチマークテストによる検証の結果ではそれらを上回るほどだった。それほど高性能を発揮する構成ながら、表面温度は手に持って使うのに不快とならないレベルに抑えられている。

 ただ、今回の検証では、バッテリー駆動時間が同クラスのモデルより短く、さらに、専用のACアダプタからのみ充電するため、モバイルバッテリーなどが利用できないなど、携帯利用で不利となる面もあった。

 日本エイサーは、ICONIA TAB A100の独自性として、[マンガロイド」というキーフレーズとともに、電子コミックリーダーとしての利用を訴求している。そのコンセプトに沿って、手塚治虫氏の全作品を購読できる「手塚治虫マガジン倶楽部」の48時間無料体験アプリケーションを標準構成で導入する。ほかにも、動画コンテンツを購入できる「ICONIA medelia2U」、ゲームを購入できるNVIDIAの「TegraZone」、オンラインゲームポータルの「GREE」へのショートカットアイコンも用意する。

 スマートフォンより使いやすい携帯デバイスという面に加えて、カラーバリエーションもそろえたボディデザイン、そして、HDMI出力が利用でき、日本語入力に標準でATOKを導入、さらに「電子コミックリーダー」としてのサービスを用意、といった独自性を必要と考えるユーザーにとって、7型ワイドクラスのAndroidタブレットデバイスとして選ぶのはICONIA TAB A100、ということになるだろう。

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