前回紹介した方法で、VirtualBoxの仮想マシンで認識するHDDの空き容量を確保できたら、Windows 8 Consumer Preview(W8CP)のインストールを開始する。まずはWindows 8 Consumer PreviewのダウンロードページからISOファイルを入手しておこう。日本語バイナリは、32ビット版と64ビット版が用意されているが、今回は64ビット版 W8DPからのアップグレードということもあり、同じ64ビット版を選択する。サイズが3.3Gバイトもあるファイルをダウンロードしたら、ホストマシン内の適当なフォルダにISOファイルを置いておこう。イメージをそのままDVDに焼いてしまってもいい。
5Gバイト近いサイズがあったW8DPのISOファイルと違い、W8CPのイメージは3.3Gバイトと小さくなっている。その理由の1つは、開発ツールが同梱されていないためだ。必要なユーザーは、別途開発ツールを入手して導入する。また、アップグレードインストールとはいえ、W8DPで導入しているアプリやツールは、そのままW8CPに引き継げない。以前のバージョンのWindowsごと別フォルダで隔離する形態をとる。
ISOを入手したら、W8DPの仮想マシンを起動中にVirtualBoxのウィンドウメニューから「デバイス」→「CD/DVDデバイス」→「仮想CD/DVDディスクファイルの選択」を選ぶ。ここで、先ほどダウンロードしたISOファイルを指定しよう。AutoPlayで、DVDイメージとしてW8DPに認識されるので、警告メッセージをクリックしてインストールを開始する。手順は、すでに紹介した“専用インストーラ”と同じで、違いはプロダクトキーの入力を要求されることと、日本語のウィザードが利用できることだ。なお、プロダクトキーについては、ISOファイルのダウンロードページ上に記載があるので、そのままコピー&ペーストでウィザード上の入力ボックスに貼り付けてしまおう。入力の手間が省ける。
インストールを進めていると、「インストールする準備ができました」と表示される。なお、仮想マシンのHDD空き容量を拡大していないと、この段階で容量不足でインストールを中断するメッセージを表示する。ここまでくると、もう後戻りはできない。必要な設定やデータは待避させてから、インストールを継続する。
何度か仮想マシンの再起動を繰り返した後、最終設定画面が表示される。ここはパーソナル設定の項目で、まずは背景のイメージカラーを選択し、次に基本的なセキュリティ設定を行う。「簡単設定」を選択すると、自動アップデートやインターネットのセキュリティ設定、共有設定などがデフォルトに設定される。ただし、簡単設定では、Microsoftの製品品質向上プログラムに沿った利用情報の自動送信がオンになるため、その点だけ注意してほしい。
以上の設定が終わると、いつものログオン画面を表示する。パスワードを入力してロックスクリーンを解除すると、スタート画面が出現する。アップグレードインストールでは、以前のバージョンの設定がある程度引き継がれる。ログインIDやログイン方法は以前の設定のままとなっている。ただし、ロックスクリーンの壁紙やスクリーン解像度など、引き継がれない設定も多いので注意したい。デフォルトの解像度は、1024×768ドットなので、これをSnap Viewの使える最低解像度である1366×768ドットに合わせてしまおう。デスクトップに移動して「画面の解像度」ダイアログを開き(デスクトップ上で右クリックするメニューから行う)、1366×768の項目を選ぶ。これで初期作業は完了だ。W8CPでは以前のバージョンと比べて、いくつかの点でUIや動作に違いがあるが、このあたりは別の機会に紹介する。
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