パナソニックは、9月26日に発表した「Let'snote AX2」の製品説明会を同日東京で行った。説明会では、Let'snote AX2の開発目的と利用シーンを問わない利便性の訴求に加えて、イメージキャラクターの松田翔太さんを紹介した。
これまで、Let'snoteシリーズは、高性能と長時間のバッテリー駆動、そして軽量で堅牢性という要素を重視し、そのために、TDP35ワットクラスのCPUを採用し、その効率的な冷却と100キロ加圧重の振動試験と動作時76センチ落下試験に代表する工場出荷時テストをクリアするために、競合製品と比べて“厚い”ボディを採用してきた。
しかし、Let'snote AX2は、18ミリというこれまでのLet'snoteでは考えられない薄いボディを実現し、そのために、TDP17ワットクラスのCPUを搭載した。高性能と堅牢性というLet'snoteで重要なコンセプトは変化してしまったのだろうか。
パナソニックAVCネットワーク社ITプロダクツビスネスユニットユニット長の原田秀昭氏は、Let'snote AX2でも、これまでの基本コンセプトは変えないと断言する。11.6型液晶ディスプレイ搭載コンバーチブルPCでは世界最軽量で、18ミリのボディでも頑丈で第3世代Coreプロセッサー・ファミリーのCPUの搭載や、本体に有線LANや映像出力インタフェースを標準で搭載するなど、高い基本性能は維持していると主張する。
原田氏は、その上で変化するユーザーの要望に合わせて、急速に増えているタブレットデバイスとノートPCの2台持ちユーザーの不満を解消すべく、“クリエイティブワークに活用するノートPC”と“ビューアワークに優れたタブレットデバイス”をビジネスユーザーの最適な形にした結果、UltrabookとタブレットPCに素早く切り替えられる「ハイブリッドモバイル」スタイルを採用したLet'snote AX2を開発したと説明する。
ユーザーのモバイルコンピューティング利用場面として想定する「オフィス」「移動中の休憩時間」といった座っているシーンで使うクラムシェルスタイルと、「通勤時間」「プレゼンテーション」で便利なスレートスタイルを選んで使えるコンバーチブルの利便性を訴求するが、パナソニックは、Let'snote AX2がそれまでのコンバーチブルPCとは違い、「11.6型液晶ディスプレイ搭載コンバーチブルPCで世界最軽量」「薄型と頑丈性能の両立」「Ultrabookでバッテリーのホットスワップ交換が可能」であることを製品のコンセプトとして掲げる。
このコンセプトの実現は、軽量、放熱、セキュリティ、ワイヤレス接続、堅牢性、そして、長時間のバッテリー駆動と高い処理性能がコア技術として必要になるが、パナソニックは、これらをインテルやマイクロソフトといったパートナー企業との連携や、自社で開発した独自技術でそろえていることを訴求する。
Let'snote AX2では、この軽量化のために、コンバーチブルで必要な液晶ディスプレイのギミックで、そのまま底面まで開くシンプルな構造の2軸ヒンジを採用するとともに、タッチパネルを内蔵した液晶ディスプレイの表面を覆う強化ガラスは厚さ0.5ミリの薄いタイプを採用した。また、天板のボンネット構造も凸部の高さを0.5ミリに抑えてパネルも薄くしながらも、内側に階段状の段差を設けて手前から奥の方向に蛇行することで面強度を確保している。ボディパネルでは、Let'snoteで初めて採用する「ボンディング構造という、マグネシウムのベースにアルミニウムのプレートを重ねる2層構造で薄型化を強度確保を可能にした。
このような、強度確保の工夫によって、18ミリという薄いボディのLet'snote AX2も、従来のLet'snoteシリーズと同様の耐衝撃に関する工場出荷テストをクリアする堅牢性を実現したという。
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