新iMacを買う前にチェックしておきたい10の疑問広田稔のMacでいくぽ(12)(1/2 ページ)

» 2012年12月05日 17時34分 公開
[広田稔,ITmedia]

エッジ5ミリの新型iMac、販売開始

ITmediaで新iMacを評価する広田氏

 11月30日、新iMacの販売がようやく始まった。アップル直営店の「アップルストア」では、21.5型モデルが店頭に展示され、27型モデルの予約も受け付けている。液晶ディスプレイのエッジがわずか5ミリというデザインを早く見たくて、しびれを切らしていた人も多いはず。

 Macといえば、最近では薄型ノート「MacBook Air」のイメージが強いが、やっぱりiMacも重要なプロダクトの1つだ。マイナーチェンジをのぞけば、1998年の初代ボンダイブルーから始まり、大福に首振り液晶ディスプレイを付けたようなデザイン、白いポリカーボネート筐体で液晶ディスプレイと本体が一体化したデザイン、外装をアルミに変えたデザインと進化してきた。

 今回の21.5型モデルを実際に触ってみても、デスクトップPCとして1つの完成系ともいえる非常によくできたマシンだという印象を持った。どんなところがポイントなのか、インターネットで調べた情報などもまとめて10のQ&Aを作成してみた。

1、本当に薄いの?

とっても薄いぞっ

 とても薄く感じるのは本当。一部では「iMacが薄く見えるのは写真の角度がいいからで、その実、結構本体は厚い」という指摘も出ている。確かに、液晶ディスプレイで最薄部の5ミリはエッジ部分のみ、中央に近づいていくにつれて膨らんでいくのだが、実物を見れば厚さを感じさせない。

 従来モデルとの一番の違いは圧迫感だ。筆者は旧21.5型モデル(Late 2011)のユーザーだが、iMacの前に座って液晶に向かって作業している間は同じ感覚なのに、ひとたび立って別の角度からボディを見ると、新モデルのほうが圧倒的に視界のじゃまにならない。見た目が薄くすっきりとしているので、小規模な事務所や店舗など、接客と作業スペースが一緒の場所にPCを置くなら、この新iMacはオススメ。

 21.5型モデルで薄さに大きく貢献しているのは、前面のカバーガラスを液晶ディスプレイに密着させたことと、内蔵ストレージを3.5型から2.5型にサイズダウンしたことだろう。ちなみに、個人的には本体が軽くなった点にも驚かされた。旧21.5型モデルが8.8キロなのに対して、新モデルは5.68キロと3キロ以上ダイエットした。ディスプレイをくるっと回してとなりの席の人に画面を見せる場合なども自然に行える。

真横からみると確かに背面は盛り上がっているが、普段はまったく厚みを感じさせない。片手で持ててしまうくらい軽いので、これなら電源ケーブルごと持ち歩いてモバイルデスクトップとして使う方法もあり……なわけないか

2、ディスプレイの映り込みは減った?

映り込みも抑えられている

 これも減ったことを実感できた。アップルは自社のWebサイトで新iMacの液晶ディスプレイが反射を75%も抑制したと説明している。技術的には、フルラミネーションという加工方法で液晶ディスプレイとカバーガラスを密着させ、さらにカバーガラスに二酸化ケイ素と五酸化ニオブを蒸着(蒸発させて付着させる)した2点が一役買っているとのこと。

 光沢パネルの液晶ディスプレイを天井に蛍光灯がいくつもあるオフィスのような場所で使うと、どの角度を向けても光の棒や輪が映り込んでしまうことがある。筆者のように神経質なタイプだと、そのちらつきが気になって作業に集中できない人もいるかもしれない。試しに新iMacをITmediaのオフィスでしばらく使ってみたが、かなり光の棒がぼやけて気にならないレベルだった。

3、メモリーや内蔵ストレージはユーザーが交換できる?

 27型モデルはメモリのみ対応。一方、21.5型モデルはどちらも基本的には交換できない。旧iMacは、21.5/27型ともにメモリスロットのみ液晶ディスプレイ下のふたを外してアクセスできたが、ボディ薄くなったことで21.5型モデルでの交換は非対応になったようだ。

 21.5型モデルも液晶ディスプレイを外せば、メモリも内蔵ストレージも交換できるが、ものすごく手順が面倒なうえ、アップルの保証対象外になるのが難点だ。アップル製品の分解で有名なサイト「ifixit」によれば、ディスプレイを固定しているテープをヒートガンとギターピックではがし、バキュームリフター(吸着リフター)で持ち上げる、という手法で液晶ディスプレイを外していた。

 内蔵ストレージがほぼ交換不可能ということは、万が一、故障したときに自己解決が難しくなるということ。業務用途で新iMacを使うつもりなら、不測の事態に備えて、常時外付けHDDにデータをバックアップをしておくべきだろう。OS Xが用意している「Time Machine」などのバックアップソフトが役立つはずだ。

4、Fusion Driveって?

 フラッシュストレージ(SSD)とHDDを組み合わせた内蔵ストレージ。頻繁に使うデータを読み書きの速いSSDに、あまりアクセスしないものは大容量のHDDに置いて、速度と容量を両立させるのが目的だ。

 現状、最新のiMacとMac miniでカスタマイズ注文(CTO)する際、2万3100円追加すれば128GバイトSSD+1TバイトHDDのFusion Driveが搭載できる(細かい話はアップルのサポートページでチェック)。

 SSDはHDDに比べてデータの読み書きが基本的に速いものの、現状で大容量のものは値段が高い。例えば、オンラインのApple Storeで27型iMacをカスタマイズして768Gバイトのフラッシュストレージ(SSD)を選ぶと、12万120円も値段が跳ね上がる。21.5型iMacがもう1台買えるほどのオプション代金はそうそう多くの人が払えないので、Fusion Driveが現実的というわけだ。

 ではFusion Driveは物理的にどういう構成なのか? Fusion Driveを搭載したiMacはまだ市場に流通していないため実際には確認できていないが、米Macworld誌が掲載していた新Mac miniのFusion Driveの記事では、普通の2.5型HDDと別にSSDのパーツが用意されていた。iMacもフラッシュメモリーをキャッシュとして備えたハイブリッドHDDではなく、同種のものを採用すると予想される。

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